自分はイエスの「こわれもの」からプログレにはいったので、「宮殿」を初めてきいたのも周囲の同世代よりかなり遅れて、そのイエスの出世作がリリースされた1972年になってからでした。それから2年経った1974年。本作の衝撃。。。「宮殿」とどこからこれだけ異なった世界観が音楽化しえるのか。この”結晶化”されたようなサウンドがどうして創出できたのか。。。
プログレッシブ・ロックを支えた3人の傑出したミュージッシャンの残した傑作。
「教祖」フリップと、彼がみそめたふたり。
ウェットンはこの後バンドを離れ一時”UK”を率いたのち、数年後にはイエスの看板ギタリストにして「ラウンドアバウト」の作曲者であるスティーブ・ハウらと”エイジア”を結成し、世界のヒットチャートを席巻することとなる。。。
ブルーフォードは逆だ。「こわれもの」「危機」というイエスの2枚の名盤の彼のプレイに感動したフリップから勧誘を受け、なんと絶頂期イエスを脱退して、この3人期クリムゾンにやってきたのだ。彼はクリムゾンを離れ、短期間の”UK”参加を含むいくつかのキャリアを経たのち、音楽からは身を引き、いわば隠棲してしまうのだ。。。
そしてその3人クリムゾンが残した最後のアルバムにして究極的傑作。
ハードな緊張感とスリリング感につつまれるタイトルチューン。これに続いて、街のいわゆるちんぴらになって不遇の死を遂げる愛する弟を唄った名曲「堕天使(当時の邦題は「堕落天使」)」は、いまでも美しくもせつなく胸に迫ってきます。「Providence」をきくとまるで暗黒の宇宙空間か、あるいは多次元空間を旅する詩情を感ずるのは自分だけだったでしょうか。自分は当時よく「2001年宇宙の旅」の後半部分を連想してしまいながら聴きいっていました。
そして「スターレス」。ウェットンの強い想いから生まれたというこの楽曲は、ウェットンが天上のひととなった今(2018年時点)でもなおライブで演奏されるクリムゾンのスタンダードでもあり、故西城秀樹さんやザ・ピーナッツなどにもカバーされ世界のスタンダードとなったかの「エピタフ」とも比肩し得る、重要な楽曲とおもいます。”星ひとつない聖なる闇よ。。。” 若き日のウェットンのたましいの叫びが心に響いてきます。。。
実は2017年のライブ・イン・シカゴ(”オフィシヤル・ブートレッグ”)を、たまたま立ち寄ってみたデパートのCDショップでみつけて買ってしまい(呼ばれていたのでしょうか。。。)、どうしても本作をもういちど手に入れたくなり、おやじ買いをしてしまった次第であります。ELP, イエス、ピンクフロイドとならべての”プログレ四天王”でも「最も深遠なるクリムゾン」が残した傑作とおもいます。フリップ自身も本作を「宮殿」とともに最高だ、とコメントしていたはずです。星は5つしかつけようがありません。クリムゾンやイエスなど、また広くプログレに多少なりともご関心をもたれたかたには、必聴の名盤、と申し上げ、おすすめしておきたいとおもいます。老兵のくだらんレビューを読んでくださりありがとうございました。
- プライム会員限定セール プライム会員のお客様は、CD・レコード全品さらに5%ポイント還元。 詳細はこちら。さらに、まとめ買いならクーポン利用で最大12%ポイント還元(まとめ買いクーポン対象は、 こちらのキャンペーンページ記載の商品に限ります)。 販売元: Amazon.co.jp。 詳細はこちら (細則もこちらからご覧いただけます)
- 【10%OFF】オーディオ製品とCD/レコードのまとめ買いがお買い得。詳しくは 詳細ページをご確認ください。 販売元: Amazon.co.jp。 詳細はこちら (細則もこちらからご覧いただけます)
-
【買取サービス】
Amazonアカウントを使用して簡単お申し込み。売りたいと思った時に、宅配買取もしくは出張買取を選択してご利用いただけます。
今すぐチェック