「Leonardo da Vinci, Son of the Supreme Mother」に載っているようなレオナルドと錬金術との関係について、どのように研究しているか期待して見たが、まったく触れられてなくガッカリした。
また、個々の作品についての説明は素人レベル、あるいは素人以下。「岩窟の聖母」に至っては酷い。なぜレオナルドがルーヴル版とロンドン版の2作品を描いたかについての著者の見解は間違いだ。まあ、それだけの眼力がなくても仕方ないとしても、他の説明がひどすぎる。
15世紀のイタリアでは、「無原罪の御宿り」を信ずる教会・信徒たちのあいだで、マリアの原罪が神の聖化により消されたタイミングを巡って、激しい論争が交わされていた。一方は、母アンナがマリアを受胎する前に原罪は聖化されていたとする「受胎前派」で、もう一方は、母アンナの胎内で聖化されたとする「受胎後派」の争い。
「岩窟の聖母」の発注者のミラノの「無原罪の御宿り信徒会」は、こてこての「受胎前派」。レオナルドはこの注文主のために、それまでに見られなかった独創的な「無原罪の御宿り」の構図や象徴を、ルーヴル版とロンドン版ともにちりばめています。それなのに、この本の著者は、「ただこの情景は、無原罪の宿りを直接的に表現していない。」と述べています。
レオナルドは、「岩窟の聖母」のルーヴル版、ロンドン版ともに、イエスとマリアは受胎前に原罪が聖化されており、ヨハネは受胎後に原罪が聖化されたことを、明確にはっきりと絵の中に描いています。それを読み取れない著者は絵画の解説書を書く資格はない。ひょとしたら、「無原罪の御宿り」の教義もちゃんと知らないんじゃないか。ローマ・カトリックだけの教義だから。
はっきり言って『駄作』だ!アメリカ文化のレベルはこの程度なのか?
上下2200円×2、『誰も知らなかったダ・ヴィンチのすべてがここに』なんてよく言うよ。ダ・ヴィンチのこと、何もわかっていないじゃないか!こんな駄本を出版して、文藝春秋社は恥ずかしくないのか!?
レオナルド・ダ・ヴィンチ 上 (日本語) 単行本 – 2019/3/29
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本の長さ389ページ
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言語日本語
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出版社文藝春秋
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発売日2019/3/29
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ISBN-104163909990
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ISBN-13978-4163909998
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「芸術」と「科学」を結び「創造性」を生み出した。科学者であり、軍事顧問であり、舞台演出家だった。光学、幾何学、解剖学などの、点と点を結ぶ芸術家であり人類史上はじめて現れたイノベーターだった。同性愛者であり、美少年の巻き毛の虜となった。遺された七二〇〇枚のダ・ヴィンチ全自筆ノートを基にその生涯と天才性を描き切った、空前絶後の決定版。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
アイザックソン,ウォルター
1952年生まれ。ハーバード大学で歴史と文学の学位を取得。オックスフォード大学にて哲学、政治学、経済学の修士号を取得。米『TIME』誌編集長を経て、2001年にCNNのCEOに就任する。アスペン研究所CEOへと転じる一方、作家としてベンジャミン・フランクリンの評伝を出版。2004年に、スティーブ・ジョブズから直々に依頼され、ジョブズが亡くなった直後の2011年に刊行された『スティーブ・ジョブズ1・2』は、世界的な大ベストセラーとなる。現在、トゥレーン大学の歴史学教授
土方/奈美
翻訳家。日本経済新聞社を経て、2008年より翻訳家として独立。経済・金融分野を主に手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1952年生まれ。ハーバード大学で歴史と文学の学位を取得。オックスフォード大学にて哲学、政治学、経済学の修士号を取得。米『TIME』誌編集長を経て、2001年にCNNのCEOに就任する。アスペン研究所CEOへと転じる一方、作家としてベンジャミン・フランクリンの評伝を出版。2004年に、スティーブ・ジョブズから直々に依頼され、ジョブズが亡くなった直後の2011年に刊行された『スティーブ・ジョブズ1・2』は、世界的な大ベストセラーとなる。現在、トゥレーン大学の歴史学教授
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2019年4月7日に日本でレビュー済み
随分前になるが、上野の美術館で開催されたダ・ヴィンチ展へ行ったことがある。ウフィッツィやルーブルやミラノにてダ・ヴィンチの絵画は何度か鑑賞していたが、上野の展示ではダ・ヴィンチ直筆のスケッチも公開されていた。下書きの範疇を超えたその詳細かつ美しい筆致に心を奪われて、ぼんやりと立ち尽くしてしまった記憶がある。確か、ダ・ヴィンチ発明という不思議なかたちをした武器のスケッチだった。絵のみならず、工学や建築学や彫刻なども得意な万能人であるのは了承済みだったが、彼の思想をもっと知りたいとそのとき強く感じた。
それもあって、7200枚の遺された全自筆メモを基に執筆されたと知り、思わず本書を手に取った。冒頭に紹介されている、ダ・ヴィンチが時の権力者へ送った手紙には、みずからを画家ではなく軍事技術者として認めてもらいたかった、とある。解剖、化石、鳥類、心臓、飛行装置、光学、植物学、地質学、水の流れや兵器といった分野で独創的な研究に打ち込む様子が、自筆メモとともに各章ごとに詳しく説明されている。絵だけ描いて満足していては、後世に残る偉大な芸術家にはなれなかった、ということか。
読み進めるうちに、分野が全く違うノーベル賞級の大勢の科学者が、ひとりの人間のなかに内包されている、そんなダ・ヴィンチ像が浮かび上がってきた。いわば、ジャンル違いの科学者や文学者や芸術家たちが、互いに合い切磋琢磨しアイデアを融合させ、ひとつの物凄い作品をつくりあげてしまった、それがたとえばモナリザだったのだ、と自分なりに解釈できた。(視覚で理解できる幾何は得意だが、数を積み上げる代数が苦手という、底知れぬ才能の持ち主にありがちなデコボコさもあるが、そこはご愛嬌)。万能人という一言で片付けない、著者の広大かつ根気強い精緻な分析には正直、舌を巻いた。この著者は、一体、何者なのか。科学にまつわる記述がふんだんに盛り込まれており、やや難易度が高いと感じられる向きもあるかも知れないが、それこそダ・ヴィンチも本懐なのではないか。是非、一読をおすすめしたい。
それもあって、7200枚の遺された全自筆メモを基に執筆されたと知り、思わず本書を手に取った。冒頭に紹介されている、ダ・ヴィンチが時の権力者へ送った手紙には、みずからを画家ではなく軍事技術者として認めてもらいたかった、とある。解剖、化石、鳥類、心臓、飛行装置、光学、植物学、地質学、水の流れや兵器といった分野で独創的な研究に打ち込む様子が、自筆メモとともに各章ごとに詳しく説明されている。絵だけ描いて満足していては、後世に残る偉大な芸術家にはなれなかった、ということか。
読み進めるうちに、分野が全く違うノーベル賞級の大勢の科学者が、ひとりの人間のなかに内包されている、そんなダ・ヴィンチ像が浮かび上がってきた。いわば、ジャンル違いの科学者や文学者や芸術家たちが、互いに合い切磋琢磨しアイデアを融合させ、ひとつの物凄い作品をつくりあげてしまった、それがたとえばモナリザだったのだ、と自分なりに解釈できた。(視覚で理解できる幾何は得意だが、数を積み上げる代数が苦手という、底知れぬ才能の持ち主にありがちなデコボコさもあるが、そこはご愛嬌)。万能人という一言で片付けない、著者の広大かつ根気強い精緻な分析には正直、舌を巻いた。この著者は、一体、何者なのか。科学にまつわる記述がふんだんに盛り込まれており、やや難易度が高いと感じられる向きもあるかも知れないが、それこそダ・ヴィンチも本懐なのではないか。是非、一読をおすすめしたい。
2020年2月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「モナリザ」や「最後の晩餐」といった歴史的絵画を生み出したルネサンス期の巨匠・レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯を振り返り、天才画家としての側面のみならず、兵器や城壁の設計から人体解剖に至るまで、多種多様な分野での隠れた実績に光を当て、その人物像を鮮やかに描き出した一冊(正確には上下2冊)。
著者はダ・ヴィンチが遺した膨大なメモを詳細に分析し、輪郭をぼかす技法や布地のひだの描き方から、遠近法や光学、幾何学の考察、さらには身体の動きや顔の表情を作り出す筋肉のメカニズムの解明など、傑作と呼ばれる絵画作品の背後にある膨大な科学的研究の蓄積を紐解くとともに、舞台演出等の絵画以外の芸術分野での活躍、さらには飛行装置や新型兵器の設計、治水管理や都市計画など、構想のみに終わったものも含めた数多くの観察に基づく研究や発明の成果を明らかにしている。それらを通して浮かび上がるのは、完全主義者かつADHDが疑われるほどのきまぐれさゆえに制作が遅々として進まず作品が完成しないという孤高の芸術家としての姿と同時に、より幅広い分野で権力者に重用されたいという職業人としてのジレンマを抱えた一人の人間の姿でもあり、その根本には並外れた好奇心に優れた観察力・洞察力を併せ持ち、前例や慣習にとらわれない斬新かつ柔軟な発想によって芸術と科学の境界を超えて真実を探求する情熱があったことが理解できる。
著者は、多くの専門家からの引用に、自身の解釈や見解も重ねる形で、今なお謎に満ちたダ・ヴィンチの実像に迫っているが、そこにはダ・ヴィンチをアインシュタインやスティーブ・ジョブズにも通じるイノベーターと捉えるとともに、その天賦の才よりもむしろ不断の努力や情熱に焦点を当てる著者独自の視点があり、だからこそ、現代に生きる我々にとってよりリアリティのある、人間味溢れた先達としてのダ・ヴィンチ像が描き出されている。まるで映画を観ているように(実際、映画化も決定)、大作ながら流れるように読み進めてしまう面白さと、読み終えた後に数々の教訓が心に残る良書。
著者はダ・ヴィンチが遺した膨大なメモを詳細に分析し、輪郭をぼかす技法や布地のひだの描き方から、遠近法や光学、幾何学の考察、さらには身体の動きや顔の表情を作り出す筋肉のメカニズムの解明など、傑作と呼ばれる絵画作品の背後にある膨大な科学的研究の蓄積を紐解くとともに、舞台演出等の絵画以外の芸術分野での活躍、さらには飛行装置や新型兵器の設計、治水管理や都市計画など、構想のみに終わったものも含めた数多くの観察に基づく研究や発明の成果を明らかにしている。それらを通して浮かび上がるのは、完全主義者かつADHDが疑われるほどのきまぐれさゆえに制作が遅々として進まず作品が完成しないという孤高の芸術家としての姿と同時に、より幅広い分野で権力者に重用されたいという職業人としてのジレンマを抱えた一人の人間の姿でもあり、その根本には並外れた好奇心に優れた観察力・洞察力を併せ持ち、前例や慣習にとらわれない斬新かつ柔軟な発想によって芸術と科学の境界を超えて真実を探求する情熱があったことが理解できる。
著者は、多くの専門家からの引用に、自身の解釈や見解も重ねる形で、今なお謎に満ちたダ・ヴィンチの実像に迫っているが、そこにはダ・ヴィンチをアインシュタインやスティーブ・ジョブズにも通じるイノベーターと捉えるとともに、その天賦の才よりもむしろ不断の努力や情熱に焦点を当てる著者独自の視点があり、だからこそ、現代に生きる我々にとってよりリアリティのある、人間味溢れた先達としてのダ・ヴィンチ像が描き出されている。まるで映画を観ているように(実際、映画化も決定)、大作ながら流れるように読み進めてしまう面白さと、読み終えた後に数々の教訓が心に残る良書。
2019年7月30日に日本でレビュー済み
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多くの彼のメモから彼の思いや考えをまとめている。素晴らしい