武田贔屓の読者です。
この作品を手に取った切っ掛けも、この作品が武田を舞台に描かれているからでした。
しかし、主人公のレイリにどんな活躍を望んだとしても、武田が滅びる史実は動かせないのですから、
どう展開して、どう終わるのか、その点は非常に楽しみながらこの最終巻を拝読することが出来ました。
結局、武田は信長に滅ぼされてしまうものの、
信勝が生前に蒔いた種が実って、一矢報いる展開を見せてくれたことは、留飲が下がる思いでした。
その一方で、近年、武田勝頼の評価が変わって来ており、実は名将だった。と言われていますが
本作では、ほぼ愚将として描かれて来ました。
それが少し不満ではありましたが、巻末の原作者による「あとがき」を読めば、
決して原作者は、近年の新しい動きを知らないわけではなく、
自分なりに調べた上で、その回答としてこうした勝頼像を描いていたことが判ります。
終盤では、本作の中心人物の一人である武田の忠臣・土屋昌恒の子の行く末も描き
レイリが富士山をバックに旅立つところで終わっていますが
意外にも、非常に清涼感のある清々しい幕引きでした。
この最終巻も星5つですが、
全6巻を通しても、総合的に星5つを計上したくなる傑作であると思います。
少し時間を置いたら、
また1巻から、今度は一気に最終巻まで通して読みたいと思います。
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。
