重税国家ニッポンのブラックすぎる収奪システム

あなたの給与明細を見てほしい。所得税、住民税、健康保険税、復興特別所得税……年収や家族構成にもよるが、おおむね3割~4割を「取られ」ている人がほとんどだ。これに加えて、買い物をすれば消費税8%、家を持てば固定資産税が毎年、ほかにも酒、自動車、たばこ等に税金がかかる。親族が死ねば、相続税もかかる。
すでに日本は世界有数の重税国家だが、財政悪化と超高齢化社会によって、ますます私たちの税負担は大きくなる。
一方、節税ノウハウをもつ富裕層は巧みに税逃れをし、資産の海外流出は止まらない。現金取引が主体の自営業者も税金を払わない。結果的に「中レベル以下のサラリーマン」が狙い撃ちにされ、中・低所得者層の税負担率も高まっている。
このままでは、まさに税金地獄である。
本書には、以下のような驚くべき実態が赤裸々に描かれる。
・タワーマンションやペーパーカンパニーを用いた富裕層たちの驚愕の節税テクニック
・「ふるさと納税」が富裕層たちの税逃れツールと化している実態
・貧困層のわずかな税滞納でもすぐに差し押さえをする自治体
・固定資産税の過大請求発覚が急増中(持ち家の人は絶対に要チェック!)
・しかも自治体は、余分に徴収した税金の返金にはなかなか応じない
・ある日突然、顔も知らない遠い親戚の固定資産税の請求書があなたに届く
・バブル時代のリゾートマンションが“老人ホーム"化し、1万円で売られている
・大企業が優遇され、中小企業が損をする税制決定の舞台裏
……税金で損しないため、泣かないために、必読の作品だ。

本の長さ

255ページ
言語

日本語
出版社

文藝春秋
発売日

2017/3/17
ISBN-10

4166611216
ISBN-13

978-4166611218
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商品の説明

内容（「BOOK」データベースより）

タワマン上層階を買い占め、金の延べ棒を小分けにして節税に励む富裕層。給料の3割以上を取られ、消費増税にあえぐサラリーマン。税制が不平等を加速させている日本の末期的な現場を描き出す硬骨のノンフィクション!

登録情報

出版社 : 文藝春秋 (2017/3/17)
発売日 : 2017/3/17
言語 : 日本語
単行本 : 255ページ
ISBN-10 : 4166611216
ISBN-13 : 978-4166611218

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elgallo

高額所得者の節税方法とはいかなるものか

2019年9月29日に日本でレビュー済み

高額所得者は有り余る資産に飽き足らず、節税に勤しむ一方、わずかな住民税さえも払えずに苦しい生活を強いられる庶民、本来は徴税によって格差を是正しなければいけないのに、法人税や所得税を引き下げる安倍政権、といういかにも朝日的な構図です。
ここからは少し斜め上な感想。全般的に漂う政治的な部分よりも、高額所得者の節税方法の多彩さ、鮮やかさに感心すると共に、その莫大な収入や資産額に、中流層の私は少し情けなく思った。

2017年4月30日に日本でレビュー済み

固定資産税の脆弱さに、触れてる点は評価されます。
固定資産税が、企業の経営の継続や起業することを
妨げているのは、明白です。
又、固定資産の相続放棄による地方衰退に頭が回らない地方自治の能天気さを改めて実感します。

12人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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堂垣外弘忠

消費税増税キャンペーンを張って、顰蹙を買った朝日新聞にしては、良いルポを書いたものだと感心！

2017年5月4日に日本でレビュー済み

　反小沢キャンペーン、消費税増税キャンペーンを張って、民主党政権転覆に加担して顰蹙を買った朝日新聞にしては、良いルポを書いたものだと感心しております。これを読むと、現在のデフレ不況が中央・地方総体として、官製デフレ政策によるものだと理解できるのである。すなわち、中央政府は、超大企業優遇政策、低金利政策および不公平税制等で、庶民の富を超大企業に移し、過剰な行政干渉で有力企業を破綻へ追い込み、それを自分たちの仲間で分け合い、年金資金（実質的税金）で、残る民間企業を支配しているのである。一方、地方自治体は、異常に高い固定資産税で、地方経済を閉塞状態に追い込み、困窮する庶民から、地方税、健康保健料をサラ金もアッと驚く方法で取り立てることによって、破局へ追い立てているのである。まさに、日本型官製肉食獣国家資本主義である。

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Amazonカスタマー

税金を払わないのは、一般人

2017年3月16日に日本でレビュー済み

「税金を払わない富裕層、搾取されるサラリーマン」と大衆の味方のような本。でも実際は、日本の場合、一般人はほとんど税金を払っておらず、一部の高額所得者による納税で社会が成り立っています。それは高額納税者である朝日記者もご存じのはず。朝日新聞の収入の大半は新聞売上ではなく、所有している不動産からの賃料である。大家の道楽ともいう。　以下、日経より抜粋。

ニューホライズンキャピタル会長兼社長　Nikkei Web, 2015/11/15 6:30

　昨今、与党の間で消費税の軽減税率を巡る議論が行われている。筆者は、低所得者層への一定の配慮や、税の所得再配分機能を否定するものではないが、軽減税率を議論する前に、そもそも日本の税制の問題点と、それがいかに日本の経済の活力を停滞させているかについての抜本的な議論が必要である。

　そもそも、日本の税制には「取れるところから取る」という発想しかなく、今後の日本にとって大切にすべき投資家、起業家、そしてお金を稼げる有能な人材や企業に極めて冷淡である。その背景にあるのは、横並びを是とし、出るくいを打つ、日本独特の「嫉妬の文化」だといっても過言ではない。

　現在の税制では、仮に有能な人材が日本で起業し、日夜汗水たらして頑張って成功した結果、もうけが出てもその会社に対して、世界的に見て非常に高い法人税が課され、会社から支払われる役員報酬のみならず自分の会社の配当にまで、所得税と地方税で55％もの課税（３％以上の議決権を保有し、課税所得が1800万円以上の場合）を受け、その事業を承継させようとすると、55％もの相続税がかかる。

　しかも、相続した子どもが将来、再度の譲渡や相続を行なう際には、創業者の株式取得時価が引き継がれるという理不尽な仕組みになっている。その結果、相続税の二重課税が行われる可能性があることも広く知られている。つまり、どんなに頑張っても、ほとんどが「お上」に吸い上げられてほぼ何も残らない。それが日本だ。

　これに対して、香港・シンガポールは所得税率が17～20％と低率であり、株式譲渡益や金利収入への課税はゼロ、そして相続税もゼロだ。日本はもちろん、世界の有能な人材が、どの場所で起業しようとするだろうか。結果は火を見るより明らかだ。

　そもそも、日本の税制は全体として直接税（法人税・所得税）に過度に依存している。その直接税も、課税最低限が高く税金を払わない層が多い一方、累進度が高く、稼げる有能な人材になれば所得税と住民税で55％も課税される。ちなみに、所得税の負担がいかに偏っているかは、国税庁が公表している資料で明らかである（表１）。

（表１）給与所得者数と納税額
給与
所得者数
（％）納税額（％）
500万円以下 72.95 20.03
500万円超～
900万円以下 21.58 26.2
900万円超 5.47 53.77
出所）国税庁

　それによれば、給与所得者のわずか5.5％（給与所得900万円超）の人が、所得税全体の53.8％を負担している。さらに、給与所得500万円超に相当する約27％の人が、所得税全体の80％を負担している。逆にいうならば、給与所得者の約73％の人は、所得税をわずか20％しか負担していないのだ。国民の４人に１人が、他の３人を支えているのが今の姿だ。筆者は、税による所得の再配分機能は否定しないが、過ぎたるは及ばざるがごとしだ。

　次に、直間比率（税収の内訳に占める直接税と間接税の比率）だが、これは財務省が公表している直近の資料によると、おおむね以下のようになっている（表２）。

（表２）直間比率の国際比較
　米国・フランスは、利子・配当所得が一部（または全部）総合課税であることから直接税が高めに出るが、それでも欧州諸国と比べて日本の直間比率は直接税に偏っている。また、所得税の最高税率は、この５カ国で日本が最高の45％（地方税を入れれば55％）である。

　政治家の間では、「金持ち優遇批判」などというかけ声の下、富裕層への課税をさらに強化するような動きもあるやに聞くが、国力を支えるのはヒトである。有能な人材を日本に引き止め、逆にそうした人材を日本に呼び込むことを考えない限り、日本の将来はないことを肝に銘じ、慎重に検討してもらいたいものである。

　さらに、国税庁のホームページによれば、欠損（赤字）法人、つまり法人税を払わない可能性が高い法人の割合は、一時期よりは減ったものの、いまだ 68％もの高率になっており、要するに３社に２社は法人税を支払っていないのだ。まじめに納税している企業が、赤字法人への課税と法人税率の引き下げを要求するのは当たり前である。

　日本の直間比率が直接税に偏っていることは先ほども指摘したが、それは、言い換えれば、稼ぐ能力がある３分の１の企業と、４人に１人の個人が頑張って納めた直接税が日本の税を支えていることになる。

　税の負担は公平であるべきだ。これだけ稼げる企業や人材だけを狙い撃つように痛めつけておいて、「日本で起業してください」とか、「日本から脱出しないでください」と政府はいえるのだろうか。

　軽減税率の議論は確かに大切だ。しかし、その前にそもそも直間比率や税の公平性の問題に踏み込んで議論してほしい。その目的は、日本を再興するために必要な有能な人材と、彼らが率いる企業の確保である。

　たとえば、赤字法人への外形標準課税、法人税の大幅な引き下げ、所得税の最高税率引き下げと課税最低限の引き上げ、そして消費税率のさらなる引き上げは、直間比率を是正し、税の公平性を担保し、経済に活力を生みながら税収減を防止するために避けて通れない課題である。

　弱者対策としての軽減税率導入やセーフティーネットの拡充は当然のことであるが、それらは、本稿で述べたような課題を解決することとセットで議論されるべきものだ。政治家にとっては、納税をしていない３分の２の企業や、税負担が低いかゼロの４分の３の個人の方が圧倒的に多く票になるので、彼らにいい顔をしたいのはわからなくもないが、それではこの国の未来は暗い。

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四苦八苦

色んな意味で頭が悪い朝日

2017年4月4日に日本でレビュー済み

他の方々が指摘されているように、日本の税金の50％以上を５％程度の富裕層（給与所得者で年収1000万程度では富裕層でも何でもないですが）が支払っている事実を無視した記載。つまりほとんどの日本に住む人（日本人以外もいますね、つまりそういう人です）は高額納税者のお陰で今の公共サービスを受けていることを自覚すべきである。
またこういった新書を読むの（本書が知的かは置いておいて）は比較的知的な層で、高額納税者が多いはずですが、何でまた、高額納税者を敵に回すのかと、聞きたいところです。

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こちゃん

実際は富裕層ほど非常に重い税金を取られている。

2017年3月20日に日本でレビュー済み

実際は富裕層ほど非常に重い税金を取られている。
よく言われるが、年収１千万以上は5%だが、その税金で全体の50%をまかなわれている。
それらの声は少数なので表面に出てこないだけだ。
もしサラリーマンが開業して大成功を収めても、
結局は重い税金で贅沢なんて全くできない事に気づきます。
今の社会で節税によって税金を逃れる、ということは出来ない。
そんな抜け道は現実的にはないのです。

36人のお客様がこれが役に立ったと考えています

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弐百五拾六

知らないと損をするということ

2018年9月3日に日本でレビュー済み

税金に限らず社会保障の話にせよ、制度を理解できるだけの知識と行動力が必要とつくづく感じた。税金地獄とタイトルは言うが、そもそもひとり親には児童扶養手当の他にも奨学金制度や生活保護もある。医療費は高齢者が多くなり受診し辛くなっているからといっても保険料を払えば3割ないし、高額療養で上限が定められており他国のように破産や治療を諦めるということもない。なんとめぐまれた国だろう、とふと海外移住した富裕層がごく一部であってその他大勢が日本にすんでいるのはなぜか、住みやすいからなのかゆでがえるになっているだけなのかわからないな、そんなに日本は税金地獄で弱者にも富裕層にも住みにくい国なのか疑問に思いながら税金の複雑さ、課題の多さに一気に読みいってしまいました。

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ルポ 税金地獄 (文春新書) (日本語) 単行本 – 2017/3/17

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