学生時代にこの問題をちょっとかじった。私の専門は多変数複素解析で、リーマン予想は一応1変数複素関数論の範囲内で意味は分かる問題なのであるが、一般化されたζ関数というのがあって、これは2変数なんである。それを使ってやれるならやってみたいと常々思っている。
私はフーリエ変換は大学で学ばなかったが、ある大学でフーリエ解析を教えることになり、にわか勉強をした。ζ関数の特殊値をフーリエ解析を使って求めることを講義したりして、おやっと思ったのであるが、今回この本の訳者による注を読んで、素数全体とζ関数の自明でない零点全体がフーリエ変換で結ばれていることを知った。
およよ!!!
1億円の賞金がかかっているそうである。ちょっと真面目に考えてみようかと考えている。
机の上に2007年に出た
In search of the Riemann Zeros
という本が置いてあるが、今のところ飾りに過ぎない。
ちんちらぽっぽ。
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リーマン博士の大予想 数学の未解決最難問に挑む 単行本 – 2004/12/2
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「フェルマーの最終定理」を超える、100万ドルの懸賞金つき超難問とは?
1900年のヒルベルトの「23の難問」に上げられ、2000年の世界数学者会議で「7つの未解決問題」にも上げられ、100万ドルの懸賞金がつけられた「リーマン予想」とは?
150年も未解決の、この超難問に挑戦する数学者たちの肉声に迫る。
数学上の最難問をめぐって進行するドラマを再現し、こうした難問の壁に挑むことで進歩してきた数学の不思議な世界を生き生きと描く。
書評から
「数論の聖杯をもとめて奮闘する数学者たちの、心惹かれる物語。数に興味があれば、誰にでも楽しく、すらすらと読める。」
―――イアン・スチュアート(『自然の中に隠された数学』、『二次元より平らな世界』などの著者)
「数学者が最も解決を望んでいる問題について、なぜ解決したいのか、なぜ重要なのかがわかりやすく書かれている。」
―――キース・デブリン(『興奮する数学――世界を沸かせる七つの未解決問題』の著書)
1900年のヒルベルトの「23の難問」に上げられ、2000年の世界数学者会議で「7つの未解決問題」にも上げられ、100万ドルの懸賞金がつけられた「リーマン予想」とは?
150年も未解決の、この超難問に挑戦する数学者たちの肉声に迫る。
数学上の最難問をめぐって進行するドラマを再現し、こうした難問の壁に挑むことで進歩してきた数学の不思議な世界を生き生きと描く。
書評から
「数論の聖杯をもとめて奮闘する数学者たちの、心惹かれる物語。数に興味があれば、誰にでも楽しく、すらすらと読める。」
―――イアン・スチュアート(『自然の中に隠された数学』、『二次元より平らな世界』などの著者)
「数学者が最も解決を望んでいる問題について、なぜ解決したいのか、なぜ重要なのかがわかりやすく書かれている。」
―――キース・デブリン(『興奮する数学――世界を沸かせる七つの未解決問題』の著書)
- 本の長さ410ページ
- 出版社紀伊国屋書店
- 発売日2004/12/2
- ISBN-10431400973X
- ISBN-13978-4314009737
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
「フェルマーの最終定理」を超える、100万ドルの懸賞金つき超難問とは?150年も解けない証明に挑む数学者たちの肉声に迫る。
著者について
著者紹介
カール・サバー(Karl Sabbagh)
ケンブリッジ大学卒業(自然科学)。BBCの科学ドキュメンタリーのプロデューサーとなる。現在は独立して数学・物理学、医学・心理学、工学、人類学にまたがる幅広い分野でサイエンス・ライター、ジャーナリスト、テレビ・プロデューサー(BBCおよびPBC)として活躍。著書には本書以外に「The Living Body」「Skyscraper」「21ST Century Jet: The Making and Marketing of the Boeing 777 」「A Rum Affair:A True Story of Botanical Fraud」などがあり、「サンデータイムズ」「ニューサイエンティスト」「ガーディアン」「サンデーテレグラフ」「サイエンティフィック・アメリカン」などの雑誌に記事を執筆している。
監修者紹介
黒川 信重
東京工業大学理学部数学科卒業。東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻教授。専門は数論・ゼータ関数論。国内の研究者と一緒にゼータ研究所を主宰。著書に『数学の夢 素数からのひろがり』『絶対カシミール元』『ゼータの世界』『ゼータ研究所だより』などがある。
訳者紹介
南條 郁子
お茶の水女子大学理学部数学科卒業。主な訳書に『なぜ牛は狂ったのか』などがある。
カール・サバー(Karl Sabbagh)
ケンブリッジ大学卒業(自然科学)。BBCの科学ドキュメンタリーのプロデューサーとなる。現在は独立して数学・物理学、医学・心理学、工学、人類学にまたがる幅広い分野でサイエンス・ライター、ジャーナリスト、テレビ・プロデューサー(BBCおよびPBC)として活躍。著書には本書以外に「The Living Body」「Skyscraper」「21ST Century Jet: The Making and Marketing of the Boeing 777 」「A Rum Affair:A True Story of Botanical Fraud」などがあり、「サンデータイムズ」「ニューサイエンティスト」「ガーディアン」「サンデーテレグラフ」「サイエンティフィック・アメリカン」などの雑誌に記事を執筆している。
監修者紹介
黒川 信重
東京工業大学理学部数学科卒業。東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻教授。専門は数論・ゼータ関数論。国内の研究者と一緒にゼータ研究所を主宰。著書に『数学の夢 素数からのひろがり』『絶対カシミール元』『ゼータの世界』『ゼータ研究所だより』などがある。
訳者紹介
南條 郁子
お茶の水女子大学理学部数学科卒業。主な訳書に『なぜ牛は狂ったのか』などがある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
サバー,カール
ケンブリッジ大学卒業(自然科学)。BBCの科学ドキュメンタリーのプロデューサーとなる。現在は独立して数学・物理学、医学・心理学、工学、人類学にまたがる幅広い分野でサイエンス・ライター、ジャーナリスト、テレビ・プロデューサー(BBCおよびPBC)として活躍。「サンデータイムズ」「ニューサイエンティスト」「ガーディアン」「サンデーテレグラフ」「サイエンティフィック・アメリカン」などの雑誌に記事を執筆している
黒川/信重
1952年栃木県生まれ。東京工業大学理学部数学科卒業。現在、東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻教授。専門は数論・ゼータ関数論。国内の研究者有志でゼータ研究所を主宰
南条/郁子
お茶の水女子大学理学部数学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ケンブリッジ大学卒業(自然科学)。BBCの科学ドキュメンタリーのプロデューサーとなる。現在は独立して数学・物理学、医学・心理学、工学、人類学にまたがる幅広い分野でサイエンス・ライター、ジャーナリスト、テレビ・プロデューサー(BBCおよびPBC)として活躍。「サンデータイムズ」「ニューサイエンティスト」「ガーディアン」「サンデーテレグラフ」「サイエンティフィック・アメリカン」などの雑誌に記事を執筆している
黒川/信重
1952年栃木県生まれ。東京工業大学理学部数学科卒業。現在、東京工業大学大学院理工学研究科数学専攻教授。専門は数論・ゼータ関数論。国内の研究者有志でゼータ研究所を主宰
南条/郁子
お茶の水女子大学理学部数学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 紀伊国屋書店 (2004/12/2)
- 発売日 : 2004/12/2
- 単行本 : 410ページ
- ISBN-10 : 431400973X
- ISBN-13 : 978-4314009737
- Amazon 売れ筋ランキング: - 526,116位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 958位数学一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
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2013年2月20日に日本でレビュー済み
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2005年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
-
作者のねらいは
「数学の楽しさと重要性を素人にかいま見てもらう」(謝辞より)
ことにあり、「リーマン予想」が何であるか「具体的に」よくわかった、のも事実だけれど「数学」特に「抽象的な数学」がどんなものであるか可能な限りわかりやすく述べようと努力している。
そのために「算数」「数学」のなかで初心者がつまずきやすい点についても触れており、正と負の数の掛け算についてのたとえ話は「あっ」と思わされた。「虚数」についても1章を割いて解説を試みている。
リーマン予想をめぐる人々の人間模様も、この本の特徴であろう。数学者の「数学への入信」の動機が比較的年少の時期にあり、しかも互いに似ているのに興味を引かれた。また「数学界のドロドロしたところ」も描かれており、人によってはこちらの方が面白いかもしれない。
私が一番ショックを受けたのは「要するに何なんです?」の章で「リーマン予想が決定的に間違っているとも決定的に間違っているとも決められない」可能性が排除できないことが示されていた事である。ユークリッドの「原論」が巨大であるからといって「非ユークリッド幾何学」を否定できないのと同じ事が巨大な「古典解析」の体系についても起こるかもしれない、というのだ。
残念なのは作者が「ド・ブランジュ」という人物に「傾倒」しており、その記述がいささかわずらわしい点であろう。
理系だが、今まで「抽象数学」を避けてきた、という方向けである。
作者のねらいは
「数学の楽しさと重要性を素人にかいま見てもらう」(謝辞より)
ことにあり、「リーマン予想」が何であるか「具体的に」よくわかった、のも事実だけれど「数学」特に「抽象的な数学」がどんなものであるか可能な限りわかりやすく述べようと努力している。
そのために「算数」「数学」のなかで初心者がつまずきやすい点についても触れており、正と負の数の掛け算についてのたとえ話は「あっ」と思わされた。「虚数」についても1章を割いて解説を試みている。
リーマン予想をめぐる人々の人間模様も、この本の特徴であろう。数学者の「数学への入信」の動機が比較的年少の時期にあり、しかも互いに似ているのに興味を引かれた。また「数学界のドロドロしたところ」も描かれており、人によってはこちらの方が面白いかもしれない。
私が一番ショックを受けたのは「要するに何なんです?」の章で「リーマン予想が決定的に間違っているとも決定的に間違っているとも決められない」可能性が排除できないことが示されていた事である。ユークリッドの「原論」が巨大であるからといって「非ユークリッド幾何学」を否定できないのと同じ事が巨大な「古典解析」の体系についても起こるかもしれない、というのだ。
残念なのは作者が「ド・ブランジュ」という人物に「傾倒」しており、その記述がいささかわずらわしい点であろう。
理系だが、今まで「抽象数学」を避けてきた、という方向けである。
2005年2月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
朝日新聞の書評欄で好意的に紹介されていたので読んで見たが,何も分からないので驚いた.リーマンも,リーマンの素数計算法も,そこに導入されるゼータ関数も,そうしてその値がゼロになる複素数についてのリーマンの予想も.この本は,初めから終りまでリーマン予想に取り組んでいる数学者たちの語ったゴシップを集めたもので,なにか纏まった知識を伝えるものではない.何かを知りたい場合には,ダービーシャーの 素数に憑かれた人たち を読むことをお勧めする.
2013年10月13日に日本でレビュー済み
「リーマン予想」というすごいものがある。
そしてその問題の意味は数学者にしかわからない。
というとこまでは知ってました。
しかし。
この本を読めば「リーマン予想」の意味がわかるよ。
そしてそれだけではない。
リーマン予想が数学世界に与えているものすごい影響もわかるよ。
そしてそれだけではない。
物理学がリーマン予想に与えている影響もわかる!
書き間違いではない。
数学が物理学に与えている影響、ではなく、
「物理学」が「数学」に影響を与えるだなんて!
私は、第11章途中まで読んで、驚きのあまりこの本を最初から読み返してしまいました。
えーと、読む前に「ゼータ関数」のことは知っていた方が良いと思います。
私はたまたま「数学ガール」読んでたんで知ってました。
この本を読んだおかげでわかった。
リーマン予想とは。
予想1)素数の分布の仕方はゼータ関数の値が0であるという特殊なゼータ関数の集合と深く関わっている!
予想2)その関数の集合の「ゼータ」は「a+bi」という複素数のかたちをしているが、なんと、実部は必ず1/2となっている!
ということなのです。
詳しくはこの本を読んでください。
そしてその問題の意味は数学者にしかわからない。
というとこまでは知ってました。
しかし。
この本を読めば「リーマン予想」の意味がわかるよ。
そしてそれだけではない。
リーマン予想が数学世界に与えているものすごい影響もわかるよ。
そしてそれだけではない。
物理学がリーマン予想に与えている影響もわかる!
書き間違いではない。
数学が物理学に与えている影響、ではなく、
「物理学」が「数学」に影響を与えるだなんて!
私は、第11章途中まで読んで、驚きのあまりこの本を最初から読み返してしまいました。
えーと、読む前に「ゼータ関数」のことは知っていた方が良いと思います。
私はたまたま「数学ガール」読んでたんで知ってました。
この本を読んだおかげでわかった。
リーマン予想とは。
予想1)素数の分布の仕方はゼータ関数の値が0であるという特殊なゼータ関数の集合と深く関わっている!
予想2)その関数の集合の「ゼータ」は「a+bi」という複素数のかたちをしているが、なんと、実部は必ず1/2となっている!
ということなのです。
詳しくはこの本を読んでください。
VINEメンバー
リーマン予想というのは、フェルマー予想みたいに一目で分かるわけではない。しかも、本書では数学をあまりやらないのだから、リーマン予想の本というよりは、リーマン予想をネタにした数学者群像といったところだ。数学者だって霞を食って生きているのではなく、個性があって人間的で、まあ、生臭い人間だというはなし。やってることは、基本的には「一人でただただ考える」ですから、その辺は普通のひととはかなり違うのかもしれない。
付録に数学の簡単な紹介があるのだが、これが対数とは何かから書いてあって(しかも、短く書くもんだから知らない人が読んでも分からない)ひどく中途半端。行列の固有値について10行の書いたって自己満足以外の何物でもない。
で、リーマン予想については、私には定義について辛うじて分かった程度だった。知りたい人にとってはフラストレーションがたまるだけだ。私は数学が不得手で物理から地球科学へと逃げて来た人なので、これ以上踏み込むつもりはないけど、ひどく中途半端に感じた。
フェルマー予想の本は、フェルマー予想自身が初等的で分かりやすいし、証明された直後で書くべき焦点がはっきりしていた。それと比べると、面白さはかなり落ちる。むしろ、数学者が読むとゴシップも沢山あって面白いだろうなあと思う。
付録に数学の簡単な紹介があるのだが、これが対数とは何かから書いてあって(しかも、短く書くもんだから知らない人が読んでも分からない)ひどく中途半端。行列の固有値について10行の書いたって自己満足以外の何物でもない。
で、リーマン予想については、私には定義について辛うじて分かった程度だった。知りたい人にとってはフラストレーションがたまるだけだ。私は数学が不得手で物理から地球科学へと逃げて来た人なので、これ以上踏み込むつもりはないけど、ひどく中途半端に感じた。
フェルマー予想の本は、フェルマー予想自身が初等的で分かりやすいし、証明された直後で書くべき焦点がはっきりしていた。それと比べると、面白さはかなり落ちる。むしろ、数学者が読むとゴシップも沢山あって面白いだろうなあと思う。
2005年1月11日に日本でレビュー済み
リーマン予想というのはヒルベルト問題(23問)のなかでも最も難問とされ
ると言われているそうだ。四色問題やフェルマー予想が比較的身近な話題であ
ったのに比べ、リーマン予想は設問そのものが高級で近寄りがたかったので、
私の場合理解しようという気もおこらなかった。この本は、ガウスが素数の現
れる頻度を実際に数え上げるエピソードから始めることで、この世紀の難問の
由来が実は素朴な疑問からきていることを教えてくれる。ガウスの素数定理ー
今回初めて馴染むことができた。オイラーのゼータ関数ー今回初めて馴染む
ことができたし、その美しさに感動した。そしてリーマンのゼータ関数。
ゼータ関数の名前くらいは昔から知っていたが、それが何を意味するかさっぱ
り分からなかっただけに、今回この本でその意味することを(自分なりに)
理解できた(ような気がした)ことは驚きであった。これまで私はこの手の
書物でこれだけ高級な事が理解できたためしが無かっただけに、とても驚い
ている。構成が実に丁寧である。記述も実に丁寧である。素人にわかるわけが
ないので、手を抜く・・という箇所が全くない。曖昧な書き方の部分があると、
素人にはさっぱりわからなくなる・・というのがこの手の書物の欠点であるが、
この本にはそのような手抜きが全くないのである。わかりやすい解説書の見本
のような本だと思った。
訳がとてもわかりやすい。惜しむらくは、最後の監訳者の解説がわかりにくい
ことと原本の一部が訳されていないこと。
ると言われているそうだ。四色問題やフェルマー予想が比較的身近な話題であ
ったのに比べ、リーマン予想は設問そのものが高級で近寄りがたかったので、
私の場合理解しようという気もおこらなかった。この本は、ガウスが素数の現
れる頻度を実際に数え上げるエピソードから始めることで、この世紀の難問の
由来が実は素朴な疑問からきていることを教えてくれる。ガウスの素数定理ー
今回初めて馴染むことができた。オイラーのゼータ関数ー今回初めて馴染む
ことができたし、その美しさに感動した。そしてリーマンのゼータ関数。
ゼータ関数の名前くらいは昔から知っていたが、それが何を意味するかさっぱ
り分からなかっただけに、今回この本でその意味することを(自分なりに)
理解できた(ような気がした)ことは驚きであった。これまで私はこの手の
書物でこれだけ高級な事が理解できたためしが無かっただけに、とても驚い
ている。構成が実に丁寧である。記述も実に丁寧である。素人にわかるわけが
ないので、手を抜く・・という箇所が全くない。曖昧な書き方の部分があると、
素人にはさっぱりわからなくなる・・というのがこの手の書物の欠点であるが、
この本にはそのような手抜きが全くないのである。わかりやすい解説書の見本
のような本だと思った。
訳がとてもわかりやすい。惜しむらくは、最後の監訳者の解説がわかりにくい
ことと原本の一部が訳されていないこと。