けやぐと親友の事を呼ぶんだそうです。でも、木村さんの語るけやぐは親友よりもぐ〜んと心の距離近い感じです。幼馴染だったら長じても心が通い合うか、と言うと必ずしもそうではない。男女に関係なく、順風満帆の時は人が寄って来ますが、艱難辛苦を味わっている時は人は避けて通るものです。だから、けやぐとは真の友の事なんでしょうね。
この本には三人のけやぐが出て来ます。けやぐの方達に対する木村さんの思いを込めた文章とけやぐの方達の文章が登場。
一人目は中学時代の後輩、太田昭雄さん、けやぐ率は純粋で限りなく100%に近いです。『わのもの、なのもの、なのもの、わのもの』でべったり仲良しです。無農薬リンゴに取り組み、“かまどけし”となった木村さんから離れずに応援し続けた方です。
二人目のけやぐはレストラン山崎のオーナーシェフの山崎隆氏。木村さんのリンゴを食べて始まった、リンゴの木村さんの広報役です。しかし、単なる広報役では有りません。美味しそうな完成型リンゴスープは、郷土の産物を如何にフランス料理の中に溶け込ませるか、と言う発想の中、プロの山崎さんでも試行錯誤の連続だった様だ。何年も諦めず、りんごを丸ごと使えるスープと言うレシピを考案。正に相互研鑽、お互いを磨いて行く間柄の様にお見受けしました。
山'崎さんもこの本ではサラリと書かれていますが、“奇跡のリンゴのスープ”を読むと山崎(正しい字が出ないので)さんも類は類を以って集まる、必然の出会いのけやぐだと分ります。独立を果たした辺りから木村さんと同じ様な苦労をしていらっしゃる。その中でも木村さんのリンゴを広める為、弘前市をフレンチの街にする為、一所懸命に努力をしていらした。
三人目は木村さんの厳しい人事考査(?)を潜り抜け、奇跡のリンゴの流通を担当する河名秀郎氏。『日本の農業を変える』を合言葉に同士でもあります。木村さんが成功してからだから三人の中では時間的に一番短い付き合いかも知れませんが、成功した人間に対してはとかく魑魅魍魎も何処からと無く寄せ集まるもの。流石の木村さん!リンゴと林檎が結ぶご縁を眼光鋭く見守っていました。
誰でも一人で事を為せる人は居らず、必ず陰日向となり支えて呉れる人達が居るものですが、寒い時のコタツみたいに何時でも温もりがある仲、信頼して自分の仕事を分かち合える人、そしてわが子を託す事が出来る人。中々バリエーションよろしく揃わないものですが、揃っちゃった。しかし、三人が三人とも自分の事はあっさりとしか表現しないので、山崎さんと河合さんに関しては自らが書かれたものを読まれると人となりが良く分ります。
木村さんはきっと『あら〜、私は何も本当にしていないのですが、皆さんがやって下さって…』なんて仰りそうですが、どうして、どうして、本当は相当のビジネスマンと見ました。人は引き寄せられるものなんですね。チーム・木村のベースは出来ましたね。
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