今は和解し平和だが、かつて人間と吸血鬼が激しく争った歴史を持つ公国を舞台にする話。吸血
鬼に対抗するため人間が作り出した「絡繰騎士(オートマタ)」、その傑作が≪白檀式≫と命名され
たシリーズ。天才博士により公的には5体作られ実戦投入されたが、1体が暴走し人間も吸血鬼も
見境無く殺戮したために、今は忌むべき絡繰騎士。その6体目が主人公だ。
帯には『主人公♂可愛すぎ』とか書いてあるが、自分と同シリーズの≪白檀式≫に貼られたレッテ
ルと、戦争が終わり戦う場が無いこと、『不適合』と博士に断ぜられ戦場から離れて博士の娘に贈
られた経緯から、どうにも陰気でやる気が無さそうで、そのくせ無駄に戦いたがるのが、終盤手前
まで気に入らなくて★減点の理由となった。
終盤では己の存在価値を見いだし、主人公らしくキメるので不満は払拭された。感情で動ける絡繰
騎士なんて怖くて使えないとかいうツッコミはあるが。一方でダブル?ヒロインは天真爛漫と申し
ますか可愛らしく、日常パートにおける主人公を挟んだ遣り取りも面白く、小気味よい文章と最後
に主人公の記憶をのぞき見て我に返る部分まで総なべて面白かった。
以下続刊ということで、次巻は最初から積年の?悩みの晴れた主人公が見られるハズだと期待して
お待ち申し上げております。
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