井上達夫「リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムのことは嫌いにならないでください」
井上達夫氏によるとリベラルは「自由主義」よりも「正義主義」と定義した方が良いそうです。リベラルの歴史的起源は「啓蒙」と「寛容」にある。
その二つを統合するのが「正義」
正義概念の規範的実質は「普遍化不可能な差別の排除」
自分の他者に対する要求や行動が、もし自分がその他者だったとしても受け容れられるかどうか。
「反転可能性」があるかどうか。自分は出来ないけど相手には強要。自分は特権、相手は厳しく制限・抑圧されるはダメなんですね。
オックスフォード大学に在籍していた政治学者のジョン・グレイは
「寛容は良いが啓蒙はダメ。何故なら理性の独断・絶対化を招いて啓蒙を台無しにする(大雑把な要約)」と主張。
井上氏は悪くはないがそこまで単純ではないと指摘。
戦争の正義の4タイプ
1、積極的正戦論 自衛以外の 悪しきものと判断した対象を亡ぼす戦争も肯定する立場
2、無差別戦争観 ルールに従いながらも国益の追求としての戦争を肯定する立場
3、絶対平和主義 自衛戦争も否定 不満は抵抗で示すが非暴力
4、消極的正戦論 自衛限定戦争
護憲派と改憲派双方の問題
井上氏は双方を批判しつつも護憲派に対してより強く言及する↓
要約「何故なら改憲派は一応正当な手段を用いて現実と憲法のズレを修正しようと試みているのに対し、護憲派はズレを認めながらも現状の防衛利益だけは享受しようという立場だから欺瞞に過ぎる」
井上達夫氏は「憲法9条削除論」を提唱。
理由の要約↓
「安全保障の問題は通常の政策として民主的プロセスの中で討議されるべきである。特定の安全保障観を憲法に固定すべきではないから」だそうです。
愚民観への抵抗
要約:リベラルや保守層の中には「民衆には安全保障問題は任せられない」と民衆を愚民として扱う風潮があるがそれは許されざるパターナリズムである。エリートも失敗ばかり重ねてきた。憲法によって暴走の歯止めを利かせつつ皆で責任を取る政治が必要。
ベトナム戦争はアメリカ民主党が始めた。下院議長も務めたティップ・オニールは各地で反戦を訴える学生達を説得しようと遊説に出かけた。しかしある学生から
「あなたの情報源は戦争をしたい人々からのみ得たものではないか。政府にも戦争反対の人々がいると思うがその人々から意見を聞いたのか」
と指摘されそこで 自らの情報源が偏っていたと気づく。
そこから実際に広く情報を集めると ベトナム戦争の大義そのものすら揺らいだ。ティップは反戦に転向。
アメリカ政界に大きな影響を与えた。
相対主義の克服
論理実証主義を批判したカール・ポパーは反証可能性を主張。
誰のいかなる主張でも可謬性を免れず徹底的な批判に曝される必要があり 批判的テストに耐えた限りで暫定的に認められるという立場
ロールズの正義論
井上氏は直接ロールズに師事し サンデルにも直接会い意見交換をしている。
ロールズの正義論は規範的倫理学の流れを取り戻し功利主義に代わる価値体系を打ち出せた事が魅力であった。
井上氏のロールズ批判は今回は割愛。
井上氏のマイケル・サンデル批判
要約:サンデルは相手に質問を投げかけるソクラテスメソッドを多用する。自らは答えず学生同士討論させる。井上氏は自らが最初に答えを提示し 学生達を一気に引き受けるスタイルを主張。サンデルは最後に自らの結論を放ち強引に終了する。フェアではない。
正統性の2条件
1、現在の敗者が次回は勝者になる可能性を保障されている。次回があると思えば現状の不満もある程度我慢できる。
2、正統的な民主プロセスを経ても救済されない人々の権利も保障されている。
ナチはユダヤ人の命を600万人分奪いました。しかし、貧困によって毎年1800万人以上が命を失っている。
これを見過ごす事は正しいのだろうか?という疑問。
法理学と法哲学。どちらも同じ意味だが 関西では法理 関東では法哲となる傾向がある。
司法中心主義に対して民主的立法を主張する人々の流れも生まれている。
フェミニズムの問題
フェミニズムは既存の意味秩序を攪乱する為に男か女か分からない格好で練り歩いたりする パロディ的に動く部分があるけれど それは一見ラディカルでも現状の構造に手をつけずにその中で茶化して遊んでいるだけと マーサ・ナスバーム(フェミ)からも批判されている。
社会を批判するエリートたちは一流大学を出て 出世の波に乗り 「頭は左。財布は右」になっている。
このままでは哲学の死となるか??井上氏は今後もまるくならず 怒れる法哲学者として活動していくとのこと。
以上。
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リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください 井上達夫の法哲学入門 Kindle版
安保法制、憲法改正、歴史問題、朝日新聞問題・・・真のリベラルは、今いかに考えるべきか。
リベラリズム論の第一人者、「怒りの法哲学者」井上達夫東大教授が、右旋回する安倍政権と、欺瞞を深める胡散臭い「リベラル」の両方を、理性の力でブッタ斬る!
【本書の内容から】
「自由主義」にあらず/「憲法九条」削除論/「護憲派」の欺瞞/「平和主義」の論理的破綻/安倍政権「集団的自衛権」の愚/リベラルからの「徴兵制」提言/「悪法」も法か/「主権国家」の必要/「白熱教室」の功罪/「世界正義論」への道/「哲学」の死
【著者「あとがき」より】
いま、「一強多弱」と言われる自民党の圧倒的優位の下で、安倍政権による政治の右旋回が急速に進む一方、野党勢力は民主党も他の諸党も党派間・党派内で右から左まで分裂し、リベラルな対抗軸は結集されていない。
それどころか、慰安婦報道問題等での不祥事を契機とする朝日新聞へのバッシングに象徴されるように、「リベラル嫌い」が、「右翼」や「ネトウヨ」の枠を超えて、一般の人々の間にも広がっている。しかし人々に迷いもある。たしかにリベラル派を気取るメディアや知識人は胡散臭い。でも強引に右旋回する安倍政権とそのシンパにも危うさがあり不安だ、と。
リベラリズムの哲学的基礎を解明し、その観点から法と政治の問題を考察してきた私には、まさにいま、この状況下でこそ、リベラリズムの原理とは何かを一般社会に対して説明し擁護する知的・実践的な責任があるのではないか。いつやるのか。いまでしょう。(中略)本書は、現下の政治状況に対する応答を動機としているが、単なる時局論ではない。時局的問題にも論及しているが、主たる狙いは、時局的問題を読者が自ら筋道を立てて原理的に考察するための哲学的視座を提供することである。
リベラリズム論の第一人者、「怒りの法哲学者」井上達夫東大教授が、右旋回する安倍政権と、欺瞞を深める胡散臭い「リベラル」の両方を、理性の力でブッタ斬る!
【本書の内容から】
「自由主義」にあらず/「憲法九条」削除論/「護憲派」の欺瞞/「平和主義」の論理的破綻/安倍政権「集団的自衛権」の愚/リベラルからの「徴兵制」提言/「悪法」も法か/「主権国家」の必要/「白熱教室」の功罪/「世界正義論」への道/「哲学」の死
【著者「あとがき」より】
いま、「一強多弱」と言われる自民党の圧倒的優位の下で、安倍政権による政治の右旋回が急速に進む一方、野党勢力は民主党も他の諸党も党派間・党派内で右から左まで分裂し、リベラルな対抗軸は結集されていない。
それどころか、慰安婦報道問題等での不祥事を契機とする朝日新聞へのバッシングに象徴されるように、「リベラル嫌い」が、「右翼」や「ネトウヨ」の枠を超えて、一般の人々の間にも広がっている。しかし人々に迷いもある。たしかにリベラル派を気取るメディアや知識人は胡散臭い。でも強引に右旋回する安倍政権とそのシンパにも危うさがあり不安だ、と。
リベラリズムの哲学的基礎を解明し、その観点から法と政治の問題を考察してきた私には、まさにいま、この状況下でこそ、リベラリズムの原理とは何かを一般社会に対して説明し擁護する知的・実践的な責任があるのではないか。いつやるのか。いまでしょう。(中略)本書は、現下の政治状況に対する応答を動機としているが、単なる時局論ではない。時局的問題にも論及しているが、主たる狙いは、時局的問題を読者が自ら筋道を立てて原理的に考察するための哲学的視座を提供することである。
- 言語日本語
- 出版社毎日新聞出版(インプレス)
- 発売日2015/7/5
- ファイルサイズ1161 KB
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
偽善と欺瞞とエリート主義の「リベラル」は、どうぞ嫌いになってください!戦後70年。第一人者によるリベラル再定義の書。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
著者について
井上達夫(いのうえ・たつお)
1954年、大阪市生まれ。東京大学法学部卒。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授(法哲学専攻)。『共生の作法――会話としての正義』でサントリー学芸賞、『法という企て』で和辻哲郎文化賞を受賞。2009~13年、日本法哲学会理事長。05~14年、日本学術会議会員。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
1954年、大阪市生まれ。東京大学法学部卒。現在、東京大学大学院法学政治学研究科教授(法哲学専攻)。『共生の作法――会話としての正義』でサントリー学芸賞、『法という企て』で和辻哲郎文化賞を受賞。2009~13年、日本法哲学会理事長。05~14年、日本学術会議会員。 --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
井上/達夫
1954年、大阪市生まれ。77年、東京大学法学部私法コース卒業。東京大学法学部・教養学部助手、千葉大学法経学部助教授、ハーバード大学哲学科客員研究員、東京大学法学部助教授を経て、95年より東京大学大学院法学政治学研究科教授。法哲学専攻。86年、『共生の作法―会話としての正義』で、(86年度)サントリー学芸賞(思想・歴史部門)受賞。2005年、『法という企て』で、第17回(04年度)和辻哲郎文化賞(学術部門)受賞。09~13年、日本法哲学会理事長。05~14年、日本学術会議会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
1954年、大阪市生まれ。77年、東京大学法学部私法コース卒業。東京大学法学部・教養学部助手、千葉大学法経学部助教授、ハーバード大学哲学科客員研究員、東京大学法学部助教授を経て、95年より東京大学大学院法学政治学研究科教授。法哲学専攻。86年、『共生の作法―会話としての正義』で、(86年度)サントリー学芸賞(思想・歴史部門)受賞。2005年、『法という企て』で、第17回(04年度)和辻哲郎文化賞(学術部門)受賞。09~13年、日本法哲学会理事長。05~14年、日本学術会議会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、tankobon_hardcover版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B011KRIYVS
- 出版社 : 毎日新聞出版(インプレス) (2015/7/5)
- 発売日 : 2015/7/5
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 1161 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 181ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 179,099位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 351位法学
- - 1,292位法律 (Kindleストア)
- カスタマーレビュー:
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2022年1月13日に日本でレビュー済み
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日本のリベラル勢力はなぜか全体主義に近しいところに位置して自由主義者としての矛盾を感じないのかなと思っていたので、リベラルの本質は今問われるべきかなと。
生き物としてのハードに収まった人間の精神が無限なわけはないが、観念的にちくちく考えてみるという思考実験は無駄にはならない。
理想的な観念は観念に過ぎずそのまま現実化することはできない。そのギャップを感じながら人は社会システムを作り直しながら運営することになる。私は心のGPSと読んでいるが、そのギャップを感じるということがまず重要なのかなと思っていますね。中心になるものを突き詰める、それと現実の間で考える、この行為を今のリベラルは忘れているのではと思う。
生き物としてのハードに収まった人間の精神が無限なわけはないが、観念的にちくちく考えてみるという思考実験は無駄にはならない。
理想的な観念は観念に過ぎずそのまま現実化することはできない。そのギャップを感じながら人は社会システムを作り直しながら運営することになる。私は心のGPSと読んでいるが、そのギャップを感じるということがまず重要なのかなと思っていますね。中心になるものを突き詰める、それと現実の間で考える、この行為を今のリベラルは忘れているのではと思う。
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対話形式になっているとはいえ、法哲学や政治思想史を常識としてわきまえていないと全くついていけない箇所は少なからずある。
それでも非常に眼が開かれる思いがした。
「徴兵制だからこそ反戦運動は起こった」
にはなるほど唸りましたね。
更に一番分かりやすくかつ心に響いたのは
「貧困から起こる死は年間1800万人、全体の3分の1の死因が貧困。そのうちの約6割が5歳未満の子ども。1日2.9万人の子供が貧困で死んでしまう。大人は自己責任だとしても子供に責任は無い。ホロコーストの犠牲者をはるかに上回る人々が貧困が原因で毎年死んでいる。豊かな先進国の消費の70分の1をまわせば貧困は救えるのにやれることすらやらない」
という一節。
確かにこの現状に対して何の責任もないような態度をとるのはおかしいですよね。
アメリカが3兆ドルを投じてイラクに攻め入り10万~15万の非戦闘員を殺した。
月間50億ドルをこのために使う。
その一方で世界中の貧困で救える60億ドルちょっとを年間ですら一切出さない。
環境保護団体の、アカウンタビリティを負っている人々と、自分たちの行動によって負の結果を負わされる人々とがずれている
という指摘も素晴らしかったです。
また、挑戦的な試みだと思うのがこの対話形式の文体をとったところ。
よくよく見ると聞き手と著者の会話の色分けがしてあるわけでもなくカッコでくくっているわけでもないのに何の違和感もなくするすると読めるのは編集の力だろうと思う。
全てを理解できたとはとても言えないが新しい視点を手に入れることはできたと思える一冊。
それでも非常に眼が開かれる思いがした。
「徴兵制だからこそ反戦運動は起こった」
にはなるほど唸りましたね。
更に一番分かりやすくかつ心に響いたのは
「貧困から起こる死は年間1800万人、全体の3分の1の死因が貧困。そのうちの約6割が5歳未満の子ども。1日2.9万人の子供が貧困で死んでしまう。大人は自己責任だとしても子供に責任は無い。ホロコーストの犠牲者をはるかに上回る人々が貧困が原因で毎年死んでいる。豊かな先進国の消費の70分の1をまわせば貧困は救えるのにやれることすらやらない」
という一節。
確かにこの現状に対して何の責任もないような態度をとるのはおかしいですよね。
アメリカが3兆ドルを投じてイラクに攻め入り10万~15万の非戦闘員を殺した。
月間50億ドルをこのために使う。
その一方で世界中の貧困で救える60億ドルちょっとを年間ですら一切出さない。
環境保護団体の、アカウンタビリティを負っている人々と、自分たちの行動によって負の結果を負わされる人々とがずれている
という指摘も素晴らしかったです。
また、挑戦的な試みだと思うのがこの対話形式の文体をとったところ。
よくよく見ると聞き手と著者の会話の色分けがしてあるわけでもなくカッコでくくっているわけでもないのに何の違和感もなくするすると読めるのは編集の力だろうと思う。
全てを理解できたとはとても言えないが新しい視点を手に入れることはできたと思える一冊。
2019年9月16日に日本でレビュー済み
全体的にようわからんかった。
著者はこれでもだいぶ一般目線にまで柔らかくしたつもりらしく、まあたぶん努力はしたのだろう。タイトルにそれは現れているが、正直あまりうまくいっているようには思えない。
法哲学の本ということで、正義とかなんとか論じているが、そもそも私のようなど一般には法哲学ってのがなんなのかよくわからんだろう。
早稲田とかで講義が終わったらあかねとかで一杯ひっかけながら政治とかの話をギャーギャーやるような自意識高いようなのならいざ知らず、そうではないようなのには難しいだろうし、タイトルから連想すれば、そういう意識高いようなのじゃなくて私みたいにサンデルとサンダルの区別も付かないような意識低そうなのこそが本来想定すべき読者層だったのではないだろうか。サンデルでさえ何している人なのかよくわからんような連中にロールズとか正義の諸構想とかアナリティカルマルキシズムとかまくし立てても仕方がないではないか。
この本を理解が出来ないのはお前がバカだからだというのならば、残念ながらそれは事実だしその評価は甘んじて受ける。しかしそれならこんないかにもなタイトルをつけること自体が一種詐欺的だし、そもそも人をして馬鹿だと言い切ること自体が一種のエリート主義であり本書の批判したいところであろう。失礼ながら著者自身がこの種のよくわからん術語を弄して意識の低いようなのを切り捨てていくエリート主義に飲まれているのではないだろうか。
文意がこれ以上やさしくならなかったにしても、巻末に用語集を用意するなり索引をつけて初出のページを示すなりすればフォローできたはずだ。卑しくも天下の毎日新聞様に出来ないとは言わせない。
たぶん、著者は安保絡みの世の中の流れにだいぶ危機感を持っているんじゃないだろうか。だからこそ広く一般に自分の思想を知ってほしくて柔らかそうなタイトルを付けたのだろう。しかし、本の意図がそれこそサンデルもロールズも知らないようなど一般に伝わらなければ何の意味もないではないか。そうでないなら意識高そうな連中たちであかねなり朝生なりで保守vsリベラル論争を楽しくやっていればいい。
私のようなど一般には本書を買うお金などあまりにも貴重すぎるし、こんな本のために忍耐強く構ってるヒマなどそれこそない。そもそも忍耐強く読まなければならない時点でこの本の意図は失敗したと自ら主張してやまない。タイトルのつけ方の時点でこの本が井上達夫が誰なんだか知らない人向けの本であることは間違いないだろうし、そういう人たちに忍耐を求めてどうする。忍耐は一般論的には美徳ではあるかもしれないが、ここで求められるべきことではないし、この井上さんって人も、この本が想定しているであろう読者層に対して求めるべきでもない。私自身、この本が話題らしいから手に取ってみようかと思っただけで、そもそもこの井上さんって人がどこの誰なのか知らない。
とはいえ、第一部は徴兵制度云々あたり私などはどうなんだとは思うものの、既存のリベラルのインチキをボロクソにぶっ叩いている様は痛快であった。いたずらに保革云々言うのは私の趣味とするところではないが、こういう本を見るにつけ、それがいいかどうかはともかくとして結局自民党は選ばれるべくして選ばれているんだと思う。(2015年7月12日に他サイトに投稿した記事を、Amazon向けに一部修正して投稿しました)
著者はこれでもだいぶ一般目線にまで柔らかくしたつもりらしく、まあたぶん努力はしたのだろう。タイトルにそれは現れているが、正直あまりうまくいっているようには思えない。
法哲学の本ということで、正義とかなんとか論じているが、そもそも私のようなど一般には法哲学ってのがなんなのかよくわからんだろう。
早稲田とかで講義が終わったらあかねとかで一杯ひっかけながら政治とかの話をギャーギャーやるような自意識高いようなのならいざ知らず、そうではないようなのには難しいだろうし、タイトルから連想すれば、そういう意識高いようなのじゃなくて私みたいにサンデルとサンダルの区別も付かないような意識低そうなのこそが本来想定すべき読者層だったのではないだろうか。サンデルでさえ何している人なのかよくわからんような連中にロールズとか正義の諸構想とかアナリティカルマルキシズムとかまくし立てても仕方がないではないか。
この本を理解が出来ないのはお前がバカだからだというのならば、残念ながらそれは事実だしその評価は甘んじて受ける。しかしそれならこんないかにもなタイトルをつけること自体が一種詐欺的だし、そもそも人をして馬鹿だと言い切ること自体が一種のエリート主義であり本書の批判したいところであろう。失礼ながら著者自身がこの種のよくわからん術語を弄して意識の低いようなのを切り捨てていくエリート主義に飲まれているのではないだろうか。
文意がこれ以上やさしくならなかったにしても、巻末に用語集を用意するなり索引をつけて初出のページを示すなりすればフォローできたはずだ。卑しくも天下の毎日新聞様に出来ないとは言わせない。
たぶん、著者は安保絡みの世の中の流れにだいぶ危機感を持っているんじゃないだろうか。だからこそ広く一般に自分の思想を知ってほしくて柔らかそうなタイトルを付けたのだろう。しかし、本の意図がそれこそサンデルもロールズも知らないようなど一般に伝わらなければ何の意味もないではないか。そうでないなら意識高そうな連中たちであかねなり朝生なりで保守vsリベラル論争を楽しくやっていればいい。
私のようなど一般には本書を買うお金などあまりにも貴重すぎるし、こんな本のために忍耐強く構ってるヒマなどそれこそない。そもそも忍耐強く読まなければならない時点でこの本の意図は失敗したと自ら主張してやまない。タイトルのつけ方の時点でこの本が井上達夫が誰なんだか知らない人向けの本であることは間違いないだろうし、そういう人たちに忍耐を求めてどうする。忍耐は一般論的には美徳ではあるかもしれないが、ここで求められるべきことではないし、この井上さんって人も、この本が想定しているであろう読者層に対して求めるべきでもない。私自身、この本が話題らしいから手に取ってみようかと思っただけで、そもそもこの井上さんって人がどこの誰なのか知らない。
とはいえ、第一部は徴兵制度云々あたり私などはどうなんだとは思うものの、既存のリベラルのインチキをボロクソにぶっ叩いている様は痛快であった。いたずらに保革云々言うのは私の趣味とするところではないが、こういう本を見るにつけ、それがいいかどうかはともかくとして結局自民党は選ばれるべくして選ばれているんだと思う。(2015年7月12日に他サイトに投稿した記事を、Amazon向けに一部修正して投稿しました)





