フィンランド生まれの天才ハッカーが開発、インターネットでボランティア活動によって育てられ、現在ではビジネス市場でも認知され急成長を遂げているユニックス系のフリーOS、「リナックス(Linux)」。本書は、このリナックスのオリジナル開発者として有名なリーナス・トーバルズと28歳にしてカリフォルニア大学バークレー校の客員教授を務めるペッカ・ヒマネン、全米の情報社会学の重鎮マニュエル・カステルの3人によってハッカーのスピリッツがつづられた、ネットエイジ必携のバイブルだ。
IT化が急速に進む社会で、リナックスに代表されるオープンソースの思想を軸に、どんな変化が起きているか、ポスト資本主義の精神を分析する。終身雇用、大企業の神話が崩れた社会では、自分が何のために働き、何のためにお金を得て、何のために生きるべきかという新しい哲学が必要とされている。ハッカーたちが社会に挑戦する動機として、何かを新たに作りだすことや、それがもたらす結果を楽しむためなどがある。本書では、常に時代の基盤となるテクノロジーを生みだしてきたハッカーたちのこういった視点や倫理観のなかに、新しい時代にふさわしい新しい哲学を求めている。
速くて大きな変化に満ちた情報化社会のなかで、どのようにして新しい枠組みを作っていくか、そしてその新しい枠組みのなかでどうやって生きていくかを考えるための1冊。(近藤大介)
インターネットとコンピュータの普及により、今、多くの変化が起こっている。従来の資本主義をささえてきた企業的な価値観や規範とは、まったく違う何か―仕事やお金に対する倫理観、時間に対する考え方―が近年急速に一般化し、拡大している。今日のいわゆるネット社会でどんな変化が実際に起きているのか、また、いかに変化してきたのかをまとめた、画期的な本。
内容(「MARC」データベースより)
「楽しくなくちゃ、仕事じゃない」という価値観をもって発展してきたリナックス=「ハッカーたち」。リナックスに代表されるオープンソースの思想を軸に、ハッカー倫理とポスト資本主義の精神を徹底分析。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ヒマネン,ペッカ
1973年、フィンランド生まれ。20歳でヘルシンキ大学哲学博士号取得。現在、ヘルシンキ大学教授、カリフォルニア大学バークレー校客員教授。4冊の本を出版しており、’98年には哲学学習CDロムで、ECの学習用マルチメディアの年間最優秀賞であるEuroPrix賞を受賞。また、インターネット大学のプロジェクト「ネットアカデミー」のディレクターでもある。本国フィンランドでは自分のテレビ番組を持ち、教育庁にコンピュータ教育のアドバイスを行っている才人
トーヴァルズ,リーナス
1969年、フィンランド生まれ。ヘルシンキ大学在学中の’91年に、Linuxを開発、世界中にオープンソース運動を巻き起こした。コンピュータ界で最も崇められているカリスマ的存在
カステル,マニュエル
カリフォルニア大学バークレー校社会学部教授。情報社会学の第一人者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)