著者の村田さんのメルマガを時々、拝読することがある。毎回、わかり易い文章で、その洞察
力の深さに感心していた。
その村田さんがこの新著で、少子高齢化が進むこれからの日本のあるべき姿を示唆してくれる。
「リタイア・モラトリアム」というのは、彼の造語なのだろうか? 今後のキーワードとして
定着しそうな言葉である。
なんだかんだ言っても、人間、簡単に生活を180度変えられるものではない。結局は、自分が
どう生きたいか(&逝きたいか)という問題に各人が真剣に取り組むしかない。どうしても避
けられない問題ならば、早め早めに考える方がいい。
だから私は本書を、退職を前にした団塊世代や、シニアビジネスの従事者だけでなく、今まさ
に働き盛りの世代にこそ読んで欲しいと思う。リタイア後の生活を本当に充実させたいなら、
40代くらいから現実的な計画を立て始めた方がいいのかなと、私も本書を読んでちょっと焦っているからだ。
著者の村田さんがキャッチしてくるアメリカの豊富な先進事例を見て、その海外ネットワーク
の凄さに感心する。エピローグで「豊富な人生経験を積んだ年長者に、日本という国の良さ、日本文化の素晴らしさを語っていただきたい」という旨が書かれていたが、情報やメッセージ
の発信が極端に少ない日本の今後を左右するのは、これから多くの自由時間を獲得する団塊世
代かも知れない。村田さんのような日本からの発言者が、増えていくことを願う。
最後にひとつ注文。以前、団塊世代の半分は女性であることを忘れてはいけないという発言を
されていたように思うが、本書は「サラリーマン男性」を主たる対象として書かれており、女
性の視点が欠けているように感じた。ビジネス本だから、仕方ないのかも知れないが、退職後
の家庭生活や地域生活、家族関係のあり方についても、もっと考察がされるべきではないか。
誰にとっても、一番大事なものなのだから。
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