プログラミング言語Lispの初歩を扱った薄い小冊子。前書きに「本書の目的は、入手しやすいEmacs Lispを使って、リストの操作と再帰的なプログラミングを学ぶことです」とある。実際その通りの本で、Lisp全般を解説した入門書ではなく、「リスト操作と再帰処理」の基礎的理解のために必要となる最小限のみを重点的に解説している。しかし、Lispの入門書の多くが分厚く難しそうな本である中、初心者向けに簡潔にまとめられた(しかもとても安価な)入門書であると言って良いと思う。
対象読者としては、Emacsをエディタとして常用しており、「仮引数」「ポインタ」「式の評価」といったプログラミング用語にまごつかない程度のプログラミング経験者が想定されている。となると、UNIX/Linuxユーザー向けかとも思ったが、Emacsなんて触ったことがないというWindowsユーザーでも(試行錯誤を楽しむ余裕さえあれば)充分対応可能な内容。厳選された内容の構成もよく考えられており、薄い本だが見た目以上に内容は濃い。
Emacs(やMule、Meadow、xyzzy、等)あるいはCommon Lisp等の処理系を用いて、実際にプログラムを1行1行打ち込み試しながら読み進めるのが良いと思う(私自身は初めてxyzzyを試してみた。xyzzy LispはEmacs Lispとは異なるので本の通りにいかない例も数箇所あったが、大きな障壁にはならなかった)。新しいプログラミング言語を学び始めるときに、インタプリタで対話的に試行錯誤することほど楽しく、かつ基礎固めに役立つ方法はないのではないかと思う。
ちなみに、著者は次に読むべき本として『Scheme手習い』(フリードマン・フェライセン(著) 元吉・横山(訳) 1990年 マグロウヒル出版)を挙げている。
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