一聴して分かる優秀録音。ピアノも流石だが、パガニーニの主題による狂詩曲ではカサリ・オラモ指揮のバーミンガム市交響楽団の演奏も上手い。表現力、音色、響きの深さ、透明感、迫力など、どこからみても優れた演奏だ。これまではアシュケナージ/ハイティンク指揮フィルハーモニア管弦楽団のパガニーニ(1986年の録音)を聴いていたが、音の明瞭さや臨場感、立体感、ダイナミックレンジの広さなど多くの点で、このCDの方が優っている。多くの録音でオケのフォルテの部分では音が歪んだり濁ったり団子になったりするが、このCDに関してはそのようなことは皆無。音がどこまでも澄んでいる。録音エンジニアも優秀。この名曲を素晴らしい演奏・録音で聴けて嬉しい。
ピアノソロとして収録されているコレルリとショパンの主題による変奏曲もルガンスキーが切れ味のある繊細なタッチが楽しめる。一音一音に輝きがある。2003年から2004年にかけての録音。