書名には生還者の証言とありますが、純粋な噴火に関する体験談は一章のみです。その他は、災害予防、減災に関する著者の考えや主張、報道への不満等から構成されています。
大部分は主観的に意見を語るもので、事実や証言を淡々と述べる事故レポートのような文章を期待されると期待外れかもしれません。
また、本書は著者の一人称で心情と共に語られますが、所々に他の方の体験談が混ざっていたり、冗長な表現が多く読みにくい部分があります。
書名と内容のニュアンスや、文章の完成度の点から星2つです。
![[小川 さゆり]のヤマケイ新書 御嶽山噴火 生還者の証言](https://m.media-amazon.com/images/I/51CetcdBCaL._SY346_.jpg)
ヤマケイ新書 御嶽山噴火 生還者の証言 Kindle版
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新書
¥968
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言語日本語
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出版社山と溪谷社
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発売日2016/9/16
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ファイルサイズ16507 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
2014年9月27日午前11時52分、それまでの和やかな雰囲気は激変した。笑顔は消え、笑い声は悲鳴に包まれた。剣ヶ峰周辺には、250人ほどの登山者で賑わっていたが、火山ガスに覆われ、巨大な噴石が飛び交い、一瞬にして生死の境に放り込まれてしまった。御嶽山噴火とはなんだったのか―、頂上付近で被災しながらも生還した著者が、2年たった「あのとき」を振り返る。
--このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小川/さゆり
1971年、中央アルプス、南アルプスが映えるまち、長野県駒ヶ根市生まれ。南信州山岳ガイド協会所属の信州登山案内人、日本山岳ガイド協会認定ガイド、中央アルプス地区遭対協救助隊員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
1971年、中央アルプス、南アルプスが映えるまち、長野県駒ヶ根市生まれ。南信州山岳ガイド協会所属の信州登山案内人、日本山岳ガイド協会認定ガイド、中央アルプス地区遭対協救助隊員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B01LZSU1SG
- 出版社 : 山と溪谷社 (2016/9/16)
- 発売日 : 2016/9/16
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 16507 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 194ページ
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カスタマーレビュー
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2016年10月30日に日本でレビュー済み
私もあの日御嶽山にいました。あの日の出来事が忘れなくていました。私は何か言いたくても何も言えずに、そしてずっと自分に何か出来たのではないかと自責の念にさいなまれていました。この本を読んで前を向くきっかけになりました。
本書のなかに、生かされた命。これからどう生きるではないか。何かできるとすればそれしかない。という言葉が心に刺さりました。そしてあの状況のなか、自分の命を守ること以外何かできたと思うなら、それは人間の思い上がりではないか。とありました。あの状況を知る人でしか言えない言葉です。その言葉は私がずっと誰かに言って欲しかった言葉だと思いました。この言葉を読んだ時なぜか涙が溢れました。
私はあの日以来山に行くことごが出来ずにいますが、来年山に行ってみようかと思います。
著者の熱い思いが伝わる本です。あの場所にいた私には思いを代弁してくれてる部分が多く心に残る本でした。
本書のなかに、生かされた命。これからどう生きるではないか。何かできるとすればそれしかない。という言葉が心に刺さりました。そしてあの状況のなか、自分の命を守ること以外何かできたと思うなら、それは人間の思い上がりではないか。とありました。あの状況を知る人でしか言えない言葉です。その言葉は私がずっと誰かに言って欲しかった言葉だと思いました。この言葉を読んだ時なぜか涙が溢れました。
私はあの日以来山に行くことごが出来ずにいますが、来年山に行ってみようかと思います。
著者の熱い思いが伝わる本です。あの場所にいた私には思いを代弁してくれてる部分が多く心に残る本でした。
殿堂入りベスト50レビュアー
著者はあの日、ガイドの下見のため、御嶽山にいた。晴天、紅葉、土曜日という絶好の登山日和で、御嶽山は多くの登山客でにぎわっていた。
剣ヶ峰のお鉢の外輪手前で、突如、一回目の噴火が起きた。噴煙を見た著者は一瞬、「あれ、噴火の対処法ってなんだっけ」と思ったが、生きるための思考回路に切り替わり、身体が勝手に動いた。落石から身を守るため、登山道路の岩に張りつき、できるだけ小さくなった。数十秒後、強烈な腐卵臭のするガスに巻かれ、「もうダメだ」と思った瞬間、風向きが変わり、何とか息ができるようになった。
その直後、噴煙を見てから2分近くたってから、噴石が降り出した。時速200キロとも300キロとも言われる凄まじい破壊力で大量に降ってきた。6分ほどたって噴石が止み、場所を変えたとたん、二回目の爆発が起き、あたりは真っ暗闇になる。目の前にかざした手のひらさえ見えない「漆黒の闇」だった。
「ドーン」という爆発音の後、噴石が雨のように降ってきて、隠れていない右足にバチバチ当たった。後で見てみると、右足の外側はアザだらけだった。噴石と一緒に石の粒がざんざんと降り出し、あっという間にしゃがんでいる腰まで埋まった。「何で今日なの」という悔しさが「生きる」ことへの執着心となった。生きて帰ることだけを強烈に意識し続けた。
メモ帳に遺書みたいなものを書こうかと考えたがやめた。書いたら本当に死ぬんじゃないかと思った。それにズボンのポケットにあるメモ帳を出すのには、隠れている小さな穴から肘が出てしまう。噴石が当たるかもしれない。「今はするべきことではない」と判断した。それから三回目の爆発が起きた。
三回目の爆発はお寺の鐘の中に頭を突っ込み、鐘を鳴らされたようなものだった。噴石の飛んでくる音と量が今まで以上に凄まじく、「殺される」山の本気を感じた。
他の生存者の証言も生々しい。暗闇のなか、噴石、熱風、火山ガスが容赦なく登山者を襲い、誰もが死を覚悟したという。
最初の噴火から一時間後、噴火は止み、著者は女性1人と男性3人の登山者に会う。女性は怪我をしていたが、男性3人は無傷だった。彼らが身を隠すだけの大きな岩があったので、著者は自分のすべきことは「自分の身を守ること」と判断し、単独で登山道でないところを突っ切って小屋にたどり着き、無事下山できた。
後日、著者はその女性と男性1人が死亡したことを知る。あの後、再び噴石が飛んできたのである。
著者はその後、何度か取材を受けて報道の恐ろしさを知ることとなる。編集されたテレビと記者のセンスのみで書かれた新聞のどちらも事実を伝えていなかった。言葉だけ切り取られ、こちらが意図していないことを繋ぎ合わされ、あたかもそう言っているようになる。おかげで著者は、お客を置いて自分だけ助かったガイドだと思われ、非難された。
他の生存者も噴火直後は取材を受けていたが、その後皆取材を受けなくなった。自分の意図しないことを書かれたりしたからだろう。
著者は多くの記者から「なぜ1人で逃げたのですか。4人の登山者と一緒にいようと思わなかったのですか」と聞かれた。それは状況による。「一緒に行きましょう」、それは一見優しい言葉に聞こえるかもしれない。だが、あの状況でこれほど無責任な言葉はない。あの時、この先どうなるのかも分からないなかで、どれほどの技術、体力、精神力を持っているか分からない登山者の命を預かることなどできるわけがない。彼らに会ったとき、噴火が終わったとは思っていなかった。だから自分の命を守ることを最優先した。その判断、決断は間違っていないと信じている、と述べている。
一番印象に残った話は、動けない重傷者を見捨てざるを得なかった生存者が、一年後、その重傷の女性が生きていたことを知って自責の念から解放された話である。その女性は左腕がちぎれるほどの重傷を負っており、女性の止血をしたSさん自身、足の甲の骨が三本折れるケガを負っていたため、歩けない女性を山荘まで連れていくことはできなかった。
女性は取材で「装備の大切さ」を語っていた。女性は初心者でも気軽に登れる山でも、ツェルトとダウンジャケットを準備しており、夜の寒さを凌ぎ命を繋いだ。女性の周りには同じような負傷者がいたが、夜を越せずに命を落としたという。
著者は生還できた理由を幾つか挙げ、突然の噴火から生死を分けたのは、「どこにいたのか」「噴煙を見てからどれだけ早く危険と判断でき、命を守る行動に移れたのか」、そして最後に「運」で、この三つが揃わなければ、生きて帰るのは難しかったのではないか、と述べている。
あの日、突然の噴火から命を守ろうと行動しなかった登山者は誰一人いない。誰もが生きて帰るために、目の前の非情な現実の中で精一杯抵抗したはずである。その生き様を「運が悪い」という言葉で終わりにすることはできない。生かされた自分にできることは、「噴火の恐ろしさとそこから学んだ教訓」を伝えることである。その教訓を伝え生かすことができるのなら、噴火で傷つき、命を落とす登山者は今回が最後になると信じていると、著者は述べている。
剣ヶ峰のお鉢の外輪手前で、突如、一回目の噴火が起きた。噴煙を見た著者は一瞬、「あれ、噴火の対処法ってなんだっけ」と思ったが、生きるための思考回路に切り替わり、身体が勝手に動いた。落石から身を守るため、登山道路の岩に張りつき、できるだけ小さくなった。数十秒後、強烈な腐卵臭のするガスに巻かれ、「もうダメだ」と思った瞬間、風向きが変わり、何とか息ができるようになった。
その直後、噴煙を見てから2分近くたってから、噴石が降り出した。時速200キロとも300キロとも言われる凄まじい破壊力で大量に降ってきた。6分ほどたって噴石が止み、場所を変えたとたん、二回目の爆発が起き、あたりは真っ暗闇になる。目の前にかざした手のひらさえ見えない「漆黒の闇」だった。
「ドーン」という爆発音の後、噴石が雨のように降ってきて、隠れていない右足にバチバチ当たった。後で見てみると、右足の外側はアザだらけだった。噴石と一緒に石の粒がざんざんと降り出し、あっという間にしゃがんでいる腰まで埋まった。「何で今日なの」という悔しさが「生きる」ことへの執着心となった。生きて帰ることだけを強烈に意識し続けた。
メモ帳に遺書みたいなものを書こうかと考えたがやめた。書いたら本当に死ぬんじゃないかと思った。それにズボンのポケットにあるメモ帳を出すのには、隠れている小さな穴から肘が出てしまう。噴石が当たるかもしれない。「今はするべきことではない」と判断した。それから三回目の爆発が起きた。
三回目の爆発はお寺の鐘の中に頭を突っ込み、鐘を鳴らされたようなものだった。噴石の飛んでくる音と量が今まで以上に凄まじく、「殺される」山の本気を感じた。
他の生存者の証言も生々しい。暗闇のなか、噴石、熱風、火山ガスが容赦なく登山者を襲い、誰もが死を覚悟したという。
最初の噴火から一時間後、噴火は止み、著者は女性1人と男性3人の登山者に会う。女性は怪我をしていたが、男性3人は無傷だった。彼らが身を隠すだけの大きな岩があったので、著者は自分のすべきことは「自分の身を守ること」と判断し、単独で登山道でないところを突っ切って小屋にたどり着き、無事下山できた。
後日、著者はその女性と男性1人が死亡したことを知る。あの後、再び噴石が飛んできたのである。
著者はその後、何度か取材を受けて報道の恐ろしさを知ることとなる。編集されたテレビと記者のセンスのみで書かれた新聞のどちらも事実を伝えていなかった。言葉だけ切り取られ、こちらが意図していないことを繋ぎ合わされ、あたかもそう言っているようになる。おかげで著者は、お客を置いて自分だけ助かったガイドだと思われ、非難された。
他の生存者も噴火直後は取材を受けていたが、その後皆取材を受けなくなった。自分の意図しないことを書かれたりしたからだろう。
著者は多くの記者から「なぜ1人で逃げたのですか。4人の登山者と一緒にいようと思わなかったのですか」と聞かれた。それは状況による。「一緒に行きましょう」、それは一見優しい言葉に聞こえるかもしれない。だが、あの状況でこれほど無責任な言葉はない。あの時、この先どうなるのかも分からないなかで、どれほどの技術、体力、精神力を持っているか分からない登山者の命を預かることなどできるわけがない。彼らに会ったとき、噴火が終わったとは思っていなかった。だから自分の命を守ることを最優先した。その判断、決断は間違っていないと信じている、と述べている。
一番印象に残った話は、動けない重傷者を見捨てざるを得なかった生存者が、一年後、その重傷の女性が生きていたことを知って自責の念から解放された話である。その女性は左腕がちぎれるほどの重傷を負っており、女性の止血をしたSさん自身、足の甲の骨が三本折れるケガを負っていたため、歩けない女性を山荘まで連れていくことはできなかった。
女性は取材で「装備の大切さ」を語っていた。女性は初心者でも気軽に登れる山でも、ツェルトとダウンジャケットを準備しており、夜の寒さを凌ぎ命を繋いだ。女性の周りには同じような負傷者がいたが、夜を越せずに命を落としたという。
著者は生還できた理由を幾つか挙げ、突然の噴火から生死を分けたのは、「どこにいたのか」「噴煙を見てからどれだけ早く危険と判断でき、命を守る行動に移れたのか」、そして最後に「運」で、この三つが揃わなければ、生きて帰るのは難しかったのではないか、と述べている。
あの日、突然の噴火から命を守ろうと行動しなかった登山者は誰一人いない。誰もが生きて帰るために、目の前の非情な現実の中で精一杯抵抗したはずである。その生き様を「運が悪い」という言葉で終わりにすることはできない。生かされた自分にできることは、「噴火の恐ろしさとそこから学んだ教訓」を伝えることである。その教訓を伝え生かすことができるのなら、噴火で傷つき、命を落とす登山者は今回が最後になると信じていると、著者は述べている。
2017年9月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
火山弾で死亡された方が多かったのは事実でしょうが、過去の火山災害(雲仙)では、火砕流で大勢が死亡されています。そんなに大規模噴火でなかったことが生存者が比較的多かった理由でしょう。
すぐに逃げる、というのは確かに役に立つ話ではあります。大規模災害に遭遇した時、しばらく眺めてしまう、ということは良くあることです。
基本的には、登山は遊びなので、活火山には近づかないのが一番かな、と思います。
なお、私は、中学、高校、大学と山岳部に所属していました。山で遭難・死亡した友人は一人もいません。
すぐに逃げる、というのは確かに役に立つ話ではあります。大規模災害に遭遇した時、しばらく眺めてしまう、ということは良くあることです。
基本的には、登山は遊びなので、活火山には近づかないのが一番かな、と思います。
なお、私は、中学、高校、大学と山岳部に所属していました。山で遭難・死亡した友人は一人もいません。
2017年11月11日に日本でレビュー済み
貴重な体験をまとめたことには敬意を払いたい。噴火の翌日のガイドの仕事もきちんと遂行されたということで、登山のプロとしての矜持を感じた。
しかし、書籍としての完成度は低い。同じ文言の繰り返しが多すぎて、正直読みづらい。
p201からp202では「正常性バイアスにならずにスイッチを切り替え」というような表現が6回も繰り返される。全体に繰り返しが多すぎ整理されていない。推敲があまりに不足している。
これはご本人ではなく、編集者の責任である。緊急レポートではないのだから、もっと練り上げてから世に出すべきであった。
しかし、書籍としての完成度は低い。同じ文言の繰り返しが多すぎて、正直読みづらい。
p201からp202では「正常性バイアスにならずにスイッチを切り替え」というような表現が6回も繰り返される。全体に繰り返しが多すぎ整理されていない。推敲があまりに不足している。
これはご本人ではなく、編集者の責任である。緊急レポートではないのだから、もっと練り上げてから世に出すべきであった。
ベスト500レビュアー
2014年の御嶽山噴火の現場に居合わせ、奇跡的に生還した登山ガイドが2年後に教訓を記す一冊。噴火直後の噴煙にカメラを向ける登山者の写真があまりに突然の災害であったことを残酷に物語ります。
著者が生き残ったのは、とっさの判断と行動で迫り来る死の影を振り切り、たまたま運が味方をしたからだといいます。苦い思いを繰り返して反省することで危機を正しく認識できる能力が身につく。安全が保証されない自然に踏み込むときは自己責任という強い意識と覚悟を持ちたい。
犠牲者や遺族に配慮しながら、あの場に居合わせた者にしか語れないことを誤解を恐れずに伝えようとします。
著者が生き残ったのは、とっさの判断と行動で迫り来る死の影を振り切り、たまたま運が味方をしたからだといいます。苦い思いを繰り返して反省することで危機を正しく認識できる能力が身につく。安全が保証されない自然に踏み込むときは自己責任という強い意識と覚悟を持ちたい。
犠牲者や遺族に配慮しながら、あの場に居合わせた者にしか語れないことを誤解を恐れずに伝えようとします。
2017年1月23日に日本でレビュー済み
最近、ご遺族が国と県を相手に訴訟をおこすとというニュースを見て違和感を覚え、御嶽山噴火について知ろうと本書を手に取りました。
確かに警戒レベルがあがっていれば誰も犠牲にはなっていなかったのかもしれません。しかし自然の営みを人間がどうこうできるわけもなく、ご遺族の大切な家族を亡くされた悲しみはお察しいたしますが噴火は自然災害だと改めて思いました。
登山にはリスクは付き物です。そのリスクをどれだけの登山者が認識していたのでしょうか。
山岳ガイドの著者も活火山に登っていながら噴火のリスクは想定外だったと言っています。その事を踏まえ自身への戒めも込め、著者は誰が悪いわけでもなく、御嶽山噴火について語っています。あの噴煙の中何が起きていたのか知ってもらい、生死を分けた教訓をなんとかくみ取り伝えようとしています。特に登山者の山に踏みこむ意識について語っています。「運」で終わりにしてはいけないという必死さが伝わってきます。
著者が書くドキュメントは圧巻です。プロの物書きではないはずですが、その場にいた人にしか書けない臨場感をもって読んでいる自分には何が出来たか、場面場面で問いかけてきます。そして暗闇の中、生きようとした登山者の思いが伝わってきました。それと同時に助からなかった人への自責の念も伝わってきました。自分には何が出来たのか読み終えた時深く考えてしまいました。報道で御嶽山噴火をそれとなく見ていただけでしたが、この本を読んで噴火だけではなく災害から命を守るために出来ることを考えさせられました。
確かに警戒レベルがあがっていれば誰も犠牲にはなっていなかったのかもしれません。しかし自然の営みを人間がどうこうできるわけもなく、ご遺族の大切な家族を亡くされた悲しみはお察しいたしますが噴火は自然災害だと改めて思いました。
登山にはリスクは付き物です。そのリスクをどれだけの登山者が認識していたのでしょうか。
山岳ガイドの著者も活火山に登っていながら噴火のリスクは想定外だったと言っています。その事を踏まえ自身への戒めも込め、著者は誰が悪いわけでもなく、御嶽山噴火について語っています。あの噴煙の中何が起きていたのか知ってもらい、生死を分けた教訓をなんとかくみ取り伝えようとしています。特に登山者の山に踏みこむ意識について語っています。「運」で終わりにしてはいけないという必死さが伝わってきます。
著者が書くドキュメントは圧巻です。プロの物書きではないはずですが、その場にいた人にしか書けない臨場感をもって読んでいる自分には何が出来たか、場面場面で問いかけてきます。そして暗闇の中、生きようとした登山者の思いが伝わってきました。それと同時に助からなかった人への自責の念も伝わってきました。自分には何が出来たのか読み終えた時深く考えてしまいました。報道で御嶽山噴火をそれとなく見ていただけでしたが、この本を読んで噴火だけではなく災害から命を守るために出来ることを考えさせられました。