秋田の山奥にある村の一年あまりの生活を、短編連作の形で緻密かつ繊細に描いた名著。いずれの短編も、意図的に断片的なドラマとして語られていて、それだけに詩情豊かで味わい深い。
特筆すべきなのは、自然に囲まれた山村の魅力だけにとどまらず、その中で生きる人たちの醜い一面、あるいは残酷な一面も、ウソ偽りなく描き出しているところ。たとえば、激しい吹雪に襲われたら、人は立ち往生したまま凍死することもあったり、あるいは、閉鎖的なムラ社会ゆえに冷たい差別やイジメも存在したりといったことが、淡々と綴られていくのだ。つまり、けっして「豊かな自然の中の暮らしはいいね」なんて、ノンキで牧歌的な話ばかりではないということ。この何気ないリアルさがたまらないのだ。
あとがきによれば、本書は昭和48年から50年にかけて、雑誌に連載されたものらしい。これは、平成や令和的な価値観や倫理観(たとえば人権意識)とは無縁だということを意味する。当然、読んでいて心理的な抵抗感を抱く方もいらっしゃるだろうが、昭和30年代の秋田の山村をひとつの歴史的な過去として、その事実をきちんと丹念に書き残した「記録」と考えれば、本書の価値がわかろうというものだ。
ヤマケイ文庫 おらが村 Kindle版
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言語日本語
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出版社山と溪谷社
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発売日2019/6/17
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ファイルサイズ349705 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
漫画家矢口高雄が描く“東北の厳しい自然で暮らす村人たち”のヒューマンドラマ。昭和時代の貴重な記録集が復刊。
--このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
著者について
矢口 高雄(ヤグチ タカオ)
1939年秋田県生まれ。漫画家。
1974年『釣りキチ三平』『幻の怪蛇・バチヘビ』により講談社文化賞児童まんが部門賞、
1976年『マタギ』により第5回漫画家協会賞大賞を受賞。
1992年東京書籍の小学生向け教科書に初めて採用された漫画家としても有名 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
1939年秋田県生まれ。漫画家。
1974年『釣りキチ三平』『幻の怪蛇・バチヘビ』により講談社文化賞児童まんが部門賞、
1976年『マタギ』により第5回漫画家協会賞大賞を受賞。
1992年東京書籍の小学生向け教科書に初めて採用された漫画家としても有名 --このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B07SX8BSM6
- 出版社 : 山と溪谷社 (2019/6/17)
- 発売日 : 2019/6/17
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 349705 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効になっていません。
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 803ページ
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カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2019年7月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
物語の舞台は昭和30年代、東北は奥羽山脈の山間にある雪深い村。
この村のなかでは比較的裕福な部類にあたる、ある農民の一家をフォーカスした生活ドラマです。
この漫画のなかで描かれるのは「圧倒的なリアル」です。
四季の移り変わり、季節のごちそう、過酷な豪雪、都会に抱く想い、
虫に鳥に獣や魚、農作業、土地の習俗、人間関係、村の将来への不安など、
これらすべてが自然の強大さと共に活き活きと描かれる。
特に季節の草や花、空飛ぶ鳥、天候の激しさ、囲炉裏の火などの描写は、
田舎生まれではない私にすら、思慕とでも言うべきなのか
正体のわからない何らかの感情に強く強く訴えかける魅力があります。
独特の時間の流れというか、まるで土の匂いまで香ってきそうな圧倒的リアル。
(ただし物語の最後については、読者の願望を叶えてあげるための漫画になっている様子です)
私は皆様に本書の一読を強くお勧めいたします。
きっと魅入られるように次から次へと読み進めてしまうであろうことを予言しておきます。
この村のなかでは比較的裕福な部類にあたる、ある農民の一家をフォーカスした生活ドラマです。
この漫画のなかで描かれるのは「圧倒的なリアル」です。
四季の移り変わり、季節のごちそう、過酷な豪雪、都会に抱く想い、
虫に鳥に獣や魚、農作業、土地の習俗、人間関係、村の将来への不安など、
これらすべてが自然の強大さと共に活き活きと描かれる。
特に季節の草や花、空飛ぶ鳥、天候の激しさ、囲炉裏の火などの描写は、
田舎生まれではない私にすら、思慕とでも言うべきなのか
正体のわからない何らかの感情に強く強く訴えかける魅力があります。
独特の時間の流れというか、まるで土の匂いまで香ってきそうな圧倒的リアル。
(ただし物語の最後については、読者の願望を叶えてあげるための漫画になっている様子です)
私は皆様に本書の一読を強くお勧めいたします。
きっと魅入られるように次から次へと読み進めてしまうであろうことを予言しておきます。
2019年8月21日に日本でレビュー済み
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1)登場するキャラクターに魅力がある。
2)そのキャラクターに説得力(好悪はともかく)がある。ですから主人公は殺し屋でも構わないのです。「劇画」と称しようがなんだろうが。
3)描写に手を抜かない。
4)やはり「物語」は重要。事実だろうが虚構だろうが。
…「神様」手塚治虫さんに心酔し、白土三平さんが大好きで、水木しげるさんと直接お話しした著者ならではですね(笑)。
なお、僕の父は千葉県の農家出身(元・満蒙開拓団)で、母は群馬県の農家出身でした。
2)そのキャラクターに説得力(好悪はともかく)がある。ですから主人公は殺し屋でも構わないのです。「劇画」と称しようがなんだろうが。
3)描写に手を抜かない。
4)やはり「物語」は重要。事実だろうが虚構だろうが。
…「神様」手塚治虫さんに心酔し、白土三平さんが大好きで、水木しげるさんと直接お話しした著者ならではですね(笑)。
なお、僕の父は千葉県の農家出身(元・満蒙開拓団)で、母は群馬県の農家出身でした。
2019年7月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ここまで田舎じゃなかったけども、似たようなところだったのでシンパシーがすごい。
東北の出の人にはシンパシーが感じられる。
他所の地方の人にはどういうところだったか知ってもらえる素晴らしい作品
東北の出の人にはシンパシーが感じられる。
他所の地方の人にはどういうところだったか知ってもらえる素晴らしい作品
2020年4月22日に日本でレビュー済み
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秋田の山奥の暮らしを生き生きと丁寧に描いてゆく矢口高雄の名作。いま読むと、自由や個人の尊重や両性の平等を定めた新しい憲法の価値観と、昔ながらの家父長的な暮らしの価値観の対立が随所に見られる。矢口高雄はどちらを否定することもしない。自由に都会で暮らした末に傷つき、故郷の地で吹雪の中で命を落とす女性のエピソードは、都会の生活、自然の生活のいずれにもリスクが伴うことを示している。個人の力は自然の前では微力であり、そんな自然の中で人々は肩寄せ合って生きてきたのだった。しかし、田舎の根強い障害者差別の中で自ら命を断つ男性のエピソードは、そんな「肩の寄せ合い方」にも不条理があることを示している。自然の描写や、登場人物の描写が素晴らしいが、文庫サイズだとその描写がやや伝わりにくい気がするのはたまにキズか。そういえば、ぼくは、最初にこの作品に触れた中学の頃、かつみチャンに恋したもんだったなぁ…。
2019年6月26日に日本でレビュー済み
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田舎・都会を問わず、礼和を生きる我々がなおざりにしてしまった日常が描かれる。
若年から年老いた者まで、お互いを認め合い尊重するからこそ成り立つ「おらが村」の暮らし。
一度立ち止まって考えたいテーマに満ちている。
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一度立ち止まって考えたいテーマに満ちている。





