今巻はリンド・ヴルムの街の議会代表の火竜スカディ・ドラーゲンフェルトの心臓病の手術がメインテーマです。火竜の手術という前例のない治療のため、手術器具や薬を新たに作り出すだけでなく、執刀者もクトゥリフとグレンの二人では足りず、助っ人を養成しなければなりません。何より患者であるスカディを説得し、治療を受けることに合意させるのが難題で、グレンは大変な思いをします。第3巻を全部かけるだけの大仕事なのです。
でも、その合間に新キャラ、キュクロ工房の徒弟として働くサイクロプスの女の子メメ・ルドンの様子とサイクロプスの特性・得意仕事がしっかり描かれています。メメがとても可愛い。
また、今巻の特別な趣向は「サーフェの診療記録」の名の日記から、アラクネのアラーニャの本音をサーフェ、ティサリア3人で掘り下げた2度にわたる女子会の様子が知れることです。グレンには見せられません。
メメとルララの会話、苦無とケイとローナの会話も短いですが、互いの本音を知り自分の隠れた願いを見つめて、互いに友達になっていく良いシーンです。
グレンの活躍もさることながら、スカディ、クトゥリフも含めてモンスター女子(少女、娘から熟女まで)が跳ね回るところがとても面白く、心理も掘り下げられているので。これまでの巻の内で一番面白かったです。
アラーニャはクトゥルー神話が元ネタの某ラブクラフトコメディに登場する銀アト子を思い出します。彼女も略奪愛体質で宇宙アパレルメーカーの会長令嬢ですから。厄介ではありますが、読者から見ても強烈に魅力的ですね。
モンスター娘のお医者さん 3 (ダッシュエックス文庫) (日本語) 文庫 – 2017/6/23
折口 良乃
(著)
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本の長さ324ページ
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言語日本語
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出版社集英社
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発売日2017/6/23
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ISBN-104086311887
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ISBN-13978-4086311885
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
季節はめぐるも医師グレンの人外診察は通常運転。ラミア族のサーフェの治療で口に指を突っ込んで喘がせたり、スキュラ族のクトゥリフ師匠には触手攻めされたり…。そんなある日、メロウ水路街の記念式典で議会代表たるドラゴン娘のスカディが倒れる事件が発生。原因不明の腫瘍が心臓にできており、一刻を争う状況だがその切除は困難を極める。グレンは手術用の特別な道具をサイクロプス族の卑屈少女・メメに依頼し、さらには意外な人物を新たな外科医として抜擢。かくして竜の街、リンド・ヴルムを揺るがす世紀のドラゴン大手術が始まる―。最強タッグがフェチ感満載で贈る“モン娘”診察奮闘記、第3弾!!
登録情報
- 出版社 : 集英社 (2017/6/23)
- 発売日 : 2017/6/23
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 324ページ
- ISBN-10 : 4086311887
- ISBN-13 : 978-4086311885
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- - 87,710位文庫
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カスタマーレビュー
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2017年7月15日に日本でレビュー済み
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モンスターと人間が入り混じって暮らす街を舞台に活躍する人間の青年医師の物語・第三幕。
毎度診察・治療のシーンの度に何やら妖しげな雰囲気になり「これは医療行為だ、これは医療行為だ」と
自分に言い聞かせながら読まなきゃならない作風に「けしからん。いいぞ、もっとやれ」と色々期待しつつ拝読。
物語はラーミアの薬師サーフェが風邪をひいた冬が過ぎ迎えた春、メロウ水路街の改装落成式典への招待状が
主人公の青年医師・グレンの下に届く場面から始まる。
迎えた式典の日、議会の代表であるスカディ・ドラーゲンフェルトの護衛を務めるフレッシュゴーレム・苦無に
出迎えを受けるグレンたちだったが、肝心のスカディはスピーチの舞台である大橋に向かうも尻尾が垂れ下がり
どうにも元気がない様子。普段からヴェールで顔を覆い、表情が窺い知れないスカディの不調を尻尾から察するグレンだったが、
その判断の正しさはスピーチが重要な部分に差し掛かった瞬間、倒れ伏したスカディの急変によって裏付けられる事に。
スカディと旧知の仲であり、中央病院の院長を務めるグレンの師匠にしてスキュラのクトゥリフが主治医である事から
スカディの容体を確認するべく師を訪ねたグレンとサーフェだったが、グレンを猫可愛がりしサーフェの妬心を煽るなど
のらくらと追究を躱すクトゥリフがやっと教えてくれたスカディの容体は非常に稀有な症例で「奇病」と呼ぶべき状態らしい。
「奇病」は心臓に絡むものでありスカディの命を脅かすものらしいが、最大の障害はスカディ自身にまったく治療するという
意思が見られない事だとクトゥリフは明かす。
その数日後、手出しのし様がなくやきもきするグレンの下を訪ねてきたスカディの護衛・苦無は主の意思に反しても
治療を受けさせてくれないかとグレンに頼み込んでくる。苦無の手引きで議会の中にあるスカディの寝所に潜入したグレンだったが
衣服を脱ぎ捨てたスカディの肋骨の上で青く輝き心臓の様に脈打つ腫瘍を目にする事に。
心臓が二つある様な状態で執務を続けてきたスカディの竜族としての生命力の強さを思い知らされるグレンだったが、
スカディは「これは私の業」として手術を拒否する構えを解かず…
折口良乃は電撃文庫で発表した「シスターサキュバスは懺悔しない」シリーズもそうだけど
モン娘が本当に好きなんだなあ、と改めて思い知らされた。
そしてその「好きなものを書いている」という作者の精神状態の良さがキャラクターの活き活きとした動きに
非常によく反映されている、とも感じた。
とにかくこの三巻、全ての登場人物がまるで目の前に立っているかの様に素晴らしい存在感を放っている。
物語の方は過去の二巻がどちらかと言えば各エピソードが独立した様な連作短編的色彩の強い物だったのに対し、
シリーズの舞台であるリンドブルムの議会の代表で竜族の少女・スカディの肉体を蝕む腫瘍と
その治療を「私の業」だからと拒絶するスカディの姿勢に苦悩する主治医にして主人公の師・クトゥリフ、
腫瘍の外科的な治療に臨もうとする若き医師・グレン、そしてその手術の為に必要な技術や道具を提供する為に動く
様々な種族のモン娘たちの力が結集されていく姿を追っている。
新しいモン娘の登場回数はそれほど多くなく、グレンの姉弟子的存在であるサーフェや前巻で登場した
蜘蛛型魔族であるアラクネのアラーニャなど、既出のキャラクターの更なる掘り下げが中心となっているのだけど、
その掘り下げによって既存のキャラクターのこれまで描かれなかった別の顔が描かれる事で「キャラクター」に重層性が生まれ、
より人間臭く(モン娘にこういう表現を使う事が妥当かどうかは別として)、複雑な人格を持った登場人物として
キャラ造形を深化させている。
特にサーフェやケンタウロスが営む運送会社の令嬢・ティサリア、アラーニャが「女子会」を開く三話は
通常の三人称から一人称に表現方法を変え、モン娘視点で語られるのだけど、普段はグレンを巡ってぎくしゃくしている
三人娘が互いをどう思っているかという部分に焦点を当てているのが非常に興味深い。
物語中で一人称という表現法を利用したちょっとした「仕掛け」が施されているのだけど、普段は語られる事のない
「内面」が描かれる事で彼女たちが仮面の下に隠した本音や、それが露呈した上で描かれる女同士の本音の関係の描写は
「ファンタジー系の作品でここまで人間関係の深い所を語るのか」と驚かされた。
モン娘たちの人間臭さ(改めて変な表現だとは思うが)は二話のグレンがスカディの手術に必要な道具の作成を依頼した
サイクロプスたちの工房で働く職人たちの「矜持」にもよく表れている。
特にやたらと自虐的で卑屈な性格の工房の紅一点・メメが倒れるまで依頼された品の作成に打ち込んだ姿を通じて
「人の命を奪う道具ではなく、人の命を救う道具を作る事で胸を張って生きたい」というサイクロプスたちの悲願ともいえる
自分たちの技術を誇りたいという想いを描いた部分は「職人の魂」の表現としてライトノベルの枠を超えている。
…今回割と真面目な話なので「けしからん部分」は冒頭のサーフェの口内炎の治療や、寝所でのスカディの触診、
おっちょこちょいなメメが工房の道具で巻き起こすストリップもどきと割と抑え目(普段に比べれば、という話です)
終盤で描かれたスカディのロリキャラっぷりなんかはもう「あざといなあ」以外の言葉が思いつかない。
そういう意味で折口良乃は読者の期待を裏切らないw
キャラクターの掘り下げ、登場人物の持つ顔の重層化という点で作者のキャラ造形能力の高さを徹底的に見せ付けたこの巻、
「好きな物を書く事でここまで筆は活き活きと踊るのか」と改めて作家というのは書いてる作品によって本当に化けるんだなあと
驚嘆させられた。このノリに乗った状態で折口良乃という作家がどれだけキャラ造形能力を見せ付けてくれるのか、本当に楽しみである。
毎度診察・治療のシーンの度に何やら妖しげな雰囲気になり「これは医療行為だ、これは医療行為だ」と
自分に言い聞かせながら読まなきゃならない作風に「けしからん。いいぞ、もっとやれ」と色々期待しつつ拝読。
物語はラーミアの薬師サーフェが風邪をひいた冬が過ぎ迎えた春、メロウ水路街の改装落成式典への招待状が
主人公の青年医師・グレンの下に届く場面から始まる。
迎えた式典の日、議会の代表であるスカディ・ドラーゲンフェルトの護衛を務めるフレッシュゴーレム・苦無に
出迎えを受けるグレンたちだったが、肝心のスカディはスピーチの舞台である大橋に向かうも尻尾が垂れ下がり
どうにも元気がない様子。普段からヴェールで顔を覆い、表情が窺い知れないスカディの不調を尻尾から察するグレンだったが、
その判断の正しさはスピーチが重要な部分に差し掛かった瞬間、倒れ伏したスカディの急変によって裏付けられる事に。
スカディと旧知の仲であり、中央病院の院長を務めるグレンの師匠にしてスキュラのクトゥリフが主治医である事から
スカディの容体を確認するべく師を訪ねたグレンとサーフェだったが、グレンを猫可愛がりしサーフェの妬心を煽るなど
のらくらと追究を躱すクトゥリフがやっと教えてくれたスカディの容体は非常に稀有な症例で「奇病」と呼ぶべき状態らしい。
「奇病」は心臓に絡むものでありスカディの命を脅かすものらしいが、最大の障害はスカディ自身にまったく治療するという
意思が見られない事だとクトゥリフは明かす。
その数日後、手出しのし様がなくやきもきするグレンの下を訪ねてきたスカディの護衛・苦無は主の意思に反しても
治療を受けさせてくれないかとグレンに頼み込んでくる。苦無の手引きで議会の中にあるスカディの寝所に潜入したグレンだったが
衣服を脱ぎ捨てたスカディの肋骨の上で青く輝き心臓の様に脈打つ腫瘍を目にする事に。
心臓が二つある様な状態で執務を続けてきたスカディの竜族としての生命力の強さを思い知らされるグレンだったが、
スカディは「これは私の業」として手術を拒否する構えを解かず…
折口良乃は電撃文庫で発表した「シスターサキュバスは懺悔しない」シリーズもそうだけど
モン娘が本当に好きなんだなあ、と改めて思い知らされた。
そしてその「好きなものを書いている」という作者の精神状態の良さがキャラクターの活き活きとした動きに
非常によく反映されている、とも感じた。
とにかくこの三巻、全ての登場人物がまるで目の前に立っているかの様に素晴らしい存在感を放っている。
物語の方は過去の二巻がどちらかと言えば各エピソードが独立した様な連作短編的色彩の強い物だったのに対し、
シリーズの舞台であるリンドブルムの議会の代表で竜族の少女・スカディの肉体を蝕む腫瘍と
その治療を「私の業」だからと拒絶するスカディの姿勢に苦悩する主治医にして主人公の師・クトゥリフ、
腫瘍の外科的な治療に臨もうとする若き医師・グレン、そしてその手術の為に必要な技術や道具を提供する為に動く
様々な種族のモン娘たちの力が結集されていく姿を追っている。
新しいモン娘の登場回数はそれほど多くなく、グレンの姉弟子的存在であるサーフェや前巻で登場した
蜘蛛型魔族であるアラクネのアラーニャなど、既出のキャラクターの更なる掘り下げが中心となっているのだけど、
その掘り下げによって既存のキャラクターのこれまで描かれなかった別の顔が描かれる事で「キャラクター」に重層性が生まれ、
より人間臭く(モン娘にこういう表現を使う事が妥当かどうかは別として)、複雑な人格を持った登場人物として
キャラ造形を深化させている。
特にサーフェやケンタウロスが営む運送会社の令嬢・ティサリア、アラーニャが「女子会」を開く三話は
通常の三人称から一人称に表現方法を変え、モン娘視点で語られるのだけど、普段はグレンを巡ってぎくしゃくしている
三人娘が互いをどう思っているかという部分に焦点を当てているのが非常に興味深い。
物語中で一人称という表現法を利用したちょっとした「仕掛け」が施されているのだけど、普段は語られる事のない
「内面」が描かれる事で彼女たちが仮面の下に隠した本音や、それが露呈した上で描かれる女同士の本音の関係の描写は
「ファンタジー系の作品でここまで人間関係の深い所を語るのか」と驚かされた。
モン娘たちの人間臭さ(改めて変な表現だとは思うが)は二話のグレンがスカディの手術に必要な道具の作成を依頼した
サイクロプスたちの工房で働く職人たちの「矜持」にもよく表れている。
特にやたらと自虐的で卑屈な性格の工房の紅一点・メメが倒れるまで依頼された品の作成に打ち込んだ姿を通じて
「人の命を奪う道具ではなく、人の命を救う道具を作る事で胸を張って生きたい」というサイクロプスたちの悲願ともいえる
自分たちの技術を誇りたいという想いを描いた部分は「職人の魂」の表現としてライトノベルの枠を超えている。
…今回割と真面目な話なので「けしからん部分」は冒頭のサーフェの口内炎の治療や、寝所でのスカディの触診、
おっちょこちょいなメメが工房の道具で巻き起こすストリップもどきと割と抑え目(普段に比べれば、という話です)
終盤で描かれたスカディのロリキャラっぷりなんかはもう「あざといなあ」以外の言葉が思いつかない。
そういう意味で折口良乃は読者の期待を裏切らないw
キャラクターの掘り下げ、登場人物の持つ顔の重層化という点で作者のキャラ造形能力の高さを徹底的に見せ付けたこの巻、
「好きな物を書く事でここまで筆は活き活きと踊るのか」と改めて作家というのは書いてる作品によって本当に化けるんだなあと
驚嘆させられた。このノリに乗った状態で折口良乃という作家がどれだけキャラ造形能力を見せ付けてくれるのか、本当に楽しみである。
2017年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
記載のあらすじの通り、今回は街の有力者であるドラゴンさんの大手術に関わる諸問題を縦軸に
その協力者となったスキュラさん、、サイクロプスさん、アラクネさんたちの抱えるもろもろを同時に解決しつつ、最終的に手術に挑む話となっている。
その為、前巻までのキャラクターごとの疾患を短章で完結していく、章ごとの独立性が高い型とは少し趣が異なったものとはなっているが
しかしキャラクターへの踏み込みが甘くなっているということはなく
むしろ今回登場する疾患は精神的な要因を持つものがほとんどのため
うまく登場キャラの内面をつつくことに成功していると言えるだろう。
ただ心の問題だからといって過度に重い描写にはせず、あくまでライトに読めるように出来ているので、そこは安心だ。
そして精神的な要因が多いからといって、モンスター娘の体幹に関わる考察が疎かになっているわけでもないので、そこも安心だ。
私的には、やはり今回のメインキャラであるスカディさんの独白が気にいった。
以下少々ネタバネになってしまうが。
スカディは1000年以上もの時を生きてきたドラゴンである。
そこで罹った生命に関わる重篤な病気に対し、彼女はそれを天命であると考え、治す気がないという。
その理由を語る彼女の言葉には、人とは桁違いの世界に生きる彼女の心中と価値観がぐっと滲み出ていて、灰色をしていた。
これをグレン医師はどう解決したか。
そしてもちろん手術に関わる問題はこれだけではなく、そのそれぞれに対し、どう対処を打ったか。
気になった方はぜひ購入して読んでいただきたい。
彼女が最後どうなったかを見て、私はすこし瞳を潤ませてしまった。
その協力者となったスキュラさん、、サイクロプスさん、アラクネさんたちの抱えるもろもろを同時に解決しつつ、最終的に手術に挑む話となっている。
その為、前巻までのキャラクターごとの疾患を短章で完結していく、章ごとの独立性が高い型とは少し趣が異なったものとはなっているが
しかしキャラクターへの踏み込みが甘くなっているということはなく
むしろ今回登場する疾患は精神的な要因を持つものがほとんどのため
うまく登場キャラの内面をつつくことに成功していると言えるだろう。
ただ心の問題だからといって過度に重い描写にはせず、あくまでライトに読めるように出来ているので、そこは安心だ。
そして精神的な要因が多いからといって、モンスター娘の体幹に関わる考察が疎かになっているわけでもないので、そこも安心だ。
私的には、やはり今回のメインキャラであるスカディさんの独白が気にいった。
以下少々ネタバネになってしまうが。
スカディは1000年以上もの時を生きてきたドラゴンである。
そこで罹った生命に関わる重篤な病気に対し、彼女はそれを天命であると考え、治す気がないという。
その理由を語る彼女の言葉には、人とは桁違いの世界に生きる彼女の心中と価値観がぐっと滲み出ていて、灰色をしていた。
これをグレン医師はどう解決したか。
そしてもちろん手術に関わる問題はこれだけではなく、そのそれぞれに対し、どう対処を打ったか。
気になった方はぜひ購入して読んでいただきたい。
彼女が最後どうなったかを見て、私はすこし瞳を潤ませてしまった。
2018年1月27日に日本でレビュー済み
2巻が微妙だったので長いこと放置していたが、今巻はとても面白く、あっという間に読み終えた
リンド・ヴルムの代表である竜娘スカディの奇病を救うため、新登場のサイクロプス娘をはじめ、既存の登場人物が総出で大手術に挑む
サイクロプス娘の「瞳」に関する考察、お師匠様であるスキュラ族の生態など、相変わらずマニアックで説得力があるようなないような解説はとても面白い
そこに上手くサービスシーン(※マジメな医療行為)を織り交ぜているのもよい
2巻では全体としてのストーリー重視で「お医者さん」らしさがあまり感じられなかったが、この3巻では1巻のように医師としての本道を邁進していて、文句なしの内容だった
今までの集大成のような3巻だったが、しっかり次巻への伏線が張られており、次巻ではモン娘愛好者にお馴染みのモンスター娘が登場する様子
予定ではもうすぐ(2月)発売のようなので、楽しみに待ちたい
リンド・ヴルムの代表である竜娘スカディの奇病を救うため、新登場のサイクロプス娘をはじめ、既存の登場人物が総出で大手術に挑む
サイクロプス娘の「瞳」に関する考察、お師匠様であるスキュラ族の生態など、相変わらずマニアックで説得力があるようなないような解説はとても面白い
そこに上手くサービスシーン(※マジメな医療行為)を織り交ぜているのもよい
2巻では全体としてのストーリー重視で「お医者さん」らしさがあまり感じられなかったが、この3巻では1巻のように医師としての本道を邁進していて、文句なしの内容だった
今までの集大成のような3巻だったが、しっかり次巻への伏線が張られており、次巻ではモン娘愛好者にお馴染みのモンスター娘が登場する様子
予定ではもうすぐ(2月)発売のようなので、楽しみに待ちたい
VINEメンバー
兼ねてより登場していた街の長である竜の「スカディ」と、主人公グレンの師であるスキュラの「クトゥリフ」に大きくスポットが当たった第3巻。1冊を通してスカディの治療に臨む内容となっていますが、今までは謎の多かった彼女たちの内面が描かれ、「そう来るかー!」と読み手を悶えさせること請け合いです。
Zトン氏のイラストがまたたまりません。スカディかわいいよスカディ。
前巻では影のあるヒロインとしてグレンたちを引っ掻き回したアラクネの「アラーニャ」は今回も出番が用意されていましたが、思いがけない展開にニヤッとしてしまった人も多いはず。彼女の親友であり、グレンの姉弟子でもある「サーフェ」の奮闘ぶりと健気さがいい味を出しています。
そして、今回新たに登場したサイクロプスの「メメ」は自虐癖のあるちょっと変わった少女。本人の意思に反して、時にコミカルですらある立ち振舞いは見ていて微笑ましいです。
2巻ではドタバタ劇という印象が強かったですが、今巻はスカディの大手術に加え、モン娘の風邪の治療や、サイクロプスの特性など医療的に踏み込んだ話が多く、この作品らしさが出ているなと感じました。
着実に整いつつあるグレン包囲網とサーフェの苦渋顔に頬を緩めつつ、新たな事件を予感させる終わり方に早くも続きが待ち遠しいです。
Zトン氏のイラストがまたたまりません。スカディかわいいよスカディ。
前巻では影のあるヒロインとしてグレンたちを引っ掻き回したアラクネの「アラーニャ」は今回も出番が用意されていましたが、思いがけない展開にニヤッとしてしまった人も多いはず。彼女の親友であり、グレンの姉弟子でもある「サーフェ」の奮闘ぶりと健気さがいい味を出しています。
そして、今回新たに登場したサイクロプスの「メメ」は自虐癖のあるちょっと変わった少女。本人の意思に反して、時にコミカルですらある立ち振舞いは見ていて微笑ましいです。
2巻ではドタバタ劇という印象が強かったですが、今巻はスカディの大手術に加え、モン娘の風邪の治療や、サイクロプスの特性など医療的に踏み込んだ話が多く、この作品らしさが出ているなと感じました。
着実に整いつつあるグレン包囲網とサーフェの苦渋顔に頬を緩めつつ、新たな事件を予感させる終わり方に早くも続きが待ち遠しいです。