本書は、謂わば、「ユビキタスキャプチャー」を勧め、それをMOLESKINEで実現させる方法
を書いた本、と云えば伝わるだろうか(システム手帳化の項目もあるが)。
本書に書かれている事は、「MOLESKINEでなくても出来る」と、他の方のレビューでも頻繁
に書かれているが、全くその通りである。
「MOLESKINEを愛用しているから、これでやる!」というようなスタンスではなく、寧ろ、「MOL
ESKINEでなければ出来ない」という凝り固まったスタンスは、MOLESKINEへの愛があるよう
に見せかけて、その実、視野狭窄であると云わざるを得ない。
MOLESKINEの魅力は、「自由に使える事」ではなかったか?
本書で、紹介されるMOLESKINEの使い方は、結構ガチガチで、寧ろ、普通の一般的なユーザ
ーにとっては「使いにくい」と感じるのではないだろうか?
もっと地味に、もっと自由にMOLESKINEを使いたいユーザーには、窮屈に感じる部分が多いと
思われる。
私個人としては、MOLESKINEが好きなので、普段、日記兼手帳のような使い方をしている。
そこに、変なハックが入り込む事はないし(せいぜい付箋を貼るくらい)、それで十分なのだ。
デコレーションをしなくても、多数の色ペンを使わなくても、それで十分役に立っている。
MOLESKINEは、それを好む人達がそれぞれ、もっと自由に使っていいと思う。
中途半端なハックに惑わされる事なく、地味に黒ボールペンとたまに赤ボールペンを使う、くらい
でもいいのではないか?
本書の現物を見る機会があれば、まずはページをめくってみて、自分に合うか合わないか、確認
して欲しい。「かえって使いにくい」と感じるならば、恐らく本書は不要だろう。
MOLESKINEの強烈なファンであれば、『モレスキン 人生を入れる61の使い方』のレビューでも書
いたが、ファングッズとして持っていてもいいだろう。
だが、普通にMOLESKINEが好きで、日常生活の中でそれを活用しよう、と思う人に、本書乃至、
『モレスキン 人生を入れる61の使い方』は不要である。使っていく中で、自分なりの使い方を見い
だしていけばいい。
兎に角、この手の本に云いたいのは、「もっと地味に普通に使ってもいいじゃないか」という事である。
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