魂を揺さぶられた一冊~人類の未来を創ってきた勇者の物語でひも解く人生の戦略論
燃えてきた。熱くて冷徹な本だと思う。当代の戦略家が21世紀に生まれた子供たち向けに語っている形式だが、なじみの深い名前の偉人について「こんなに知らなかったかことがあるのか?」「この人の背景にはこんな人がこんな経緯があったんだ?!」と目からうろこだった。
生きていくことは妥協を重ね、不条理に慣れていくことでもあると思うが、「日常で感じる違和感を大切する」というのは実は子供たちだけでなく、我々大人にもとても大切なことだと思う。
ベアテ・シロタ・ゴードン。彼女の名前を知っている日本人が何人いるだろうか?彼女の物語を通じて知った日本国憲法制定時の裏話は永田町の人間ももっと正確に知るべきだろう。世界最新の男女同権をうたった条文が日本国憲法に書きこまれた経緯は胸を打つ。
日本中を歩いて正確な測量を行った伊能忠敬が本当にやりかたったことにも感動した。その背景にいた人物にも。2015年にノーベル化学賞を受賞した大村智さんの人生にも感動した。彼が、高校の夜間教師から一念発起して超一流の研究者になる経緯も感動的だ。ハーバードやMITを蹴ってウェズリアン大学に進んで充実した研究をされた選択はなかなかの戦略家をおもわせる。
ココシャネルの生い立ちを知る人は多いかもしれないが、あのファッションの裏にある彼女の想いはこの本を読んで深く伝わってきた。
ニュートンやコペルニクスの時代との戦いも胸を打つが、ナイチンゲールが戦場で本当にやりたかったこと、そのために取った行動には心揺さぶられた。「こんな人たちが人類を一歩づつ前に進めてきたんだ」と感涙しながら。
唯一何度もあったことあるのが緒方貞子さん。本当に小柄でびっくりしたが、清楚なたたずまいの中に強い意志を常に我々政治家相手に粘り強くみせていただいた。
「私がたくさんLearnしてSave the Worldするよ」と常にキラキラ光る眼でわれわれ父兄に訴えながら遊びの延長のような勉強に打ち込む娘とそのクラスメート。瀧本さんのこの講演ほど具体的ではないだろうが、幼児から「人類を課題から救い、前に進める」ことを任務として叩き込まれて、そのために遊びながら勉強を続けている子供たち。瀧本さんの講演やこういう学校での学びを受けた子供たちをうらやましくも思うが、伊能忠敬や大村先生の事例を想えば、人生に遅すぎることなし!私も娘たちに負けないように「地球を救う」旅に出よう!
素晴らしい本をありがとうございました。
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