『シンドラーのリスト』や『プライベートライアン』からかなり遅れてのブルーレイ化。どれだけ待ち望んだことか!
ブルーレイ化が遅れたのは権利の問題か、それともラストの『アレ』がいけなかったのか分からない。
パレスチナの『黒い9月』によるイスラエル選手団襲撃事件を描いた政治サスペンス。スピルバーグの黒現代史3部作(今のところ)完結編。1972年と言えば日本では連合赤軍による『あさま山荘事件』があり、テロルの嵐が吹き荒れる最中に行われたミュンヘン・オリンピック。
内容は暗い。黒スピルバーグの十八番である人体破壊描写(イスラエルのレスリングコーチ、ワインバーグ氏が銃撃されるシーンはゾッとします)も満載、性的な意味は皆無だが男女の全裸シーンもあり(あれでPG12とは映倫のいい加減さに呆れると同時に感心もした)、暴力には暴力という際限ない報復の連鎖をグロ映像をふんだんに使い徹底的に描く。
発端となる『黒い9月』による暴挙を回想形式にし細切れで見せて何も知らない観客に「なんでイスラエルはこんなに怒り狂ってるんだ?」と思わせる手法がうまい。時の首相ゴルダ・メイアにより下された『黒い9月』メンバー、幹部の暗殺命令。テロにはテロ、報復には報復を。
平和ボケした日本人には到底理解できない。建国以来常に近隣国やテロリストによる攻撃に晒されナメられたら終わりというのが骨身に滲みている、イスラエルらしいやり方だ。
半沢直樹ではないが「やられたら、やり返す」がイスラエルだと後年のエンテベ空港人質奪還作戦でも見せ付けられる。
暗殺チームはモサドの精鋭、ではなくエリック・バナー演じる主人公アヴナー。妻が妊娠中という難しい時期での秘密任務。彼の目を通して描かれる凄惨かつ残酷な世界の現実。報復の大義を得て大量殺戮に手を染め徐々に精神を病んでいく普通の男だ。
ジェームズ・ボンド感ゼロで悪人面のダニエル・クレイグ、映画監督でもあるマチュー・カソビッツ、悪役がメインのキーラン・ハインズ、あんた誰?のハンス・ジシュラーが揃い、そして彼らに指令を伝達するモサドの担当官をジェフリー・ラッシュが演じる。
フランス側の協力者ルイ役を『潜水服は蝶の夢を見る』のマチュー・アマルリックが敵か味方か分からない雰囲気を出しながら演じています。
俳優の髪形から衣装、小道具や自動車、風俗、美術セット至るまで70年代を完璧に再現していてそれだけでも一見の価値がある。
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過去12ヶ月にわたって92%が好意的
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ミュンヘン スペシャル・エディション [DVD]
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フォーマット | 色, ドルビー, ワイドスクリーン |
コントリビュータ | ジェフリー・ラッシュ, ダニエル・クレイグ, キアラン・ハインズ, エリック・バナ, トニー・クシュナー, マチュー・カソヴィッツ, ハンス・ジシュラー, エリック・ロス, スティーブン・スピルバーグ |
言語 | 英語, 日本語 |
稼働時間 | 2 時間 43 分 |
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商品の説明
Amazonより
1972年のミュンヘン五輪。パレスチナ人ゲリラが11人のイスラエル選手を人質にとる。結局、人質は全員死亡。スピルバーグ監督が歴史の暗部を直視した本作は、その後、イスラエル側による報復作戦にフォーカスが当てられている。暗殺グループとして組織された5人の工作員が、事件に関与したとされるパレスチナの重要人物を標的に、ヨーロッパ各国で暗躍。次々と彼らを暗殺していく。
スピルバーグの視点は、あくまでもニュートラルな立場を貫き、イスラエル、パレスチナのどちらかに肩入れすることはない。実際のニュース映像も挿入した五輪の事件や、前半の暗殺シーンは、徹底してリアルで、ときには過剰なまでのグロテスクな描写もある。中盤からは、立場が変わって命を狙われる工作員の心理ドラマが観る者を圧倒。報復の虚しさが伝わる展開になっている。工作員のリーダーを演じるエリック・バナが、その葛藤を全身全霊で体現。ラストシーンはニューヨークなのだが、その風景に追加された「あるもの」の映像もまた、終わらない報復の悲劇を訴えているようだ。(斉藤博昭)
登録情報
- アスペクト比 : 2.35:1
- Is Discontinued By Manufacturer : いいえ
- 言語 : 英語, 日本語
- 梱包サイズ : 18.03 x 13.76 x 1.48 cm; 83.16 g
- EAN : 4582194840601
- 監督 : スティーブン・スピルバーグ
- メディア形式 : 色, ドルビー, ワイドスクリーン
- 時間 : 2 時間 43 分
- 発売日 : 2006/8/18
- 出演 : エリック・バナ, ダニエル・クレイグ, キアラン・ハインズ, マチュー・カソヴィッツ, ハンス・ジシュラー
- 字幕: : 日本語, 英語
- 言語 : 日本語 (Dolby Digital 5.1), 英語 (Dolby Digital 5.1)
- 販売元 : 角川エンタテインメント
- ASIN : B000EGCTWM
- ディスク枚数 : 2
- Amazon 売れ筋ランキング: - 2,971位DVD (の売れ筋ランキングを見るDVD)
- - 66位外国のミステリー・サスペンス映画
- - 202位外国のドラマ映画
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.1
星5つ中の4.1
207 件のグローバル評価
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いい映画です、人生の糧になります、絆、祖国愛、そんな物を想う作品です、一度観て損なしです。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年11月19日に日本でレビュー済み
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20人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
ベスト500レビュアー
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殺し、殺されるのが普通になると、自身も警戒と恐怖と信じない疑心暗鬼に陥る。それがこの映画には特と描かれています。スピルバーグもそんな経験があるのでしょう。翻ってそんな空気を正確に感じ取り、取るべく方策やすべき教育を考え直す日本人はいるのかというのが、私にはこの映画の真のテーマだと思えます。
この映画からも分かる疑問の1つに「こんな攻撃を仕掛けたい時に、どうしてこうも簡単に爆弾や武器が迅速に手元に届くのか」というものがあります。この映画でその役を担うのはフランス人という事になっている。しかしこれがまたスピルバーグの目であり、世界の通例でもある。今アジアでは中国のほぼ奥地と言って良さそうな武漢で肺炎が蔓延してその波及スピードは凄まじい。そこにフランス政府は恐らくどの国よりも迅速に「自国フランス人の当地からの退去を支援する」飛行機や外交、交通ルートを確立させてあっという間に脱出させている。それにアメリカが続いている。韓国もこの伝染病においての策を発表している。日本では???
つまり平和な目的の行動もその逆も全ては一緒なのでしょう。目が及んでいるか、行動がスタンダード化しているか。これに日本は全く劣っているとしか言い様がないです。たまたま陸続きではないから?。東京五輪でテロが起こるなら?、今ならこの「ミュンヘン」はそう感じて見るでしょうが、市民へのアナウンスはどうでしょうか。
私のいる名古屋市では1度ですがテロに関する無料の市民講座が医師会の発案で行われました。国でも何でもなくて。事が起こるとその帰結は医療に行き着くからです。「ターニケット」と呼ばれる止血帯がどれだけ早く「居合わせた市民が巻けるか」がその生命線になるとその講座では締め括っていました。救急車には今完全携帯されていそうですが、元々このターニケットは軍隊の軍人が1人ずつ肩にくっ付けて歩いている物の汎用型なのだそう。軍と国民が近くなる事を厭う日本人の国民性と現実が、国民を危険から守る事を疎遠にさせていると言っても良さそう。
つまり「やるのは私じゃない」式日本人感覚も浮き彫りになっていると感じます。沖縄に基地を押し付けている実態とも重なります。武力行使の場面だけでなく、日本語試験の資格証明書の偽造も日本は防げるのか、まともに勉強している外国人にも失礼、日本の信憑性が問われる問題でもあります。
この映画「ミュンヘン」から教わる事、した方が私達自身やこれからの子供たちの為にもなる事、考え方や態度や視点は計り知れないです。時が勝手に解決はしない。東京五輪に何も起こらない様に祈るのではなく、もっと知る事、世界と正しく共存する為にもそこから始めるのが良いと思えます。そして行動に繋がる様に。私の映画からの気付きもこのレビューの形で示しておきたいです。
この映画からも分かる疑問の1つに「こんな攻撃を仕掛けたい時に、どうしてこうも簡単に爆弾や武器が迅速に手元に届くのか」というものがあります。この映画でその役を担うのはフランス人という事になっている。しかしこれがまたスピルバーグの目であり、世界の通例でもある。今アジアでは中国のほぼ奥地と言って良さそうな武漢で肺炎が蔓延してその波及スピードは凄まじい。そこにフランス政府は恐らくどの国よりも迅速に「自国フランス人の当地からの退去を支援する」飛行機や外交、交通ルートを確立させてあっという間に脱出させている。それにアメリカが続いている。韓国もこの伝染病においての策を発表している。日本では???
つまり平和な目的の行動もその逆も全ては一緒なのでしょう。目が及んでいるか、行動がスタンダード化しているか。これに日本は全く劣っているとしか言い様がないです。たまたま陸続きではないから?。東京五輪でテロが起こるなら?、今ならこの「ミュンヘン」はそう感じて見るでしょうが、市民へのアナウンスはどうでしょうか。
私のいる名古屋市では1度ですがテロに関する無料の市民講座が医師会の発案で行われました。国でも何でもなくて。事が起こるとその帰結は医療に行き着くからです。「ターニケット」と呼ばれる止血帯がどれだけ早く「居合わせた市民が巻けるか」がその生命線になるとその講座では締め括っていました。救急車には今完全携帯されていそうですが、元々このターニケットは軍隊の軍人が1人ずつ肩にくっ付けて歩いている物の汎用型なのだそう。軍と国民が近くなる事を厭う日本人の国民性と現実が、国民を危険から守る事を疎遠にさせていると言っても良さそう。
つまり「やるのは私じゃない」式日本人感覚も浮き彫りになっていると感じます。沖縄に基地を押し付けている実態とも重なります。武力行使の場面だけでなく、日本語試験の資格証明書の偽造も日本は防げるのか、まともに勉強している外国人にも失礼、日本の信憑性が問われる問題でもあります。
この映画「ミュンヘン」から教わる事、した方が私達自身やこれからの子供たちの為にもなる事、考え方や態度や視点は計り知れないです。時が勝手に解決はしない。東京五輪に何も起こらない様に祈るのではなく、もっと知る事、世界と正しく共存する為にもそこから始めるのが良いと思えます。そして行動に繋がる様に。私の映画からの気付きもこのレビューの形で示しておきたいです。
2017年12月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
発売元であるNBCユニバーサルのサイトでも商品仕様の記載が間違っているため、商品を見るまで不安でした
以下に実際の内容を書いておきます
ディスク:片面2層
音声:英語/5.1ch DTS-HD MA 日本語/5.1ch DOLBY DIGITAL
映像特典(全て既発売DVDと同内容):スピルバーグ監督によるイントロダクション
撮影現場での体験
暗殺チーム
時代背景
インターナショナル・キャスト
編集 音響 音楽
事件の回想
本編の画質・音質についてはblu-ray.comを参照するといいと思いますが、良好に感じます。
以下に実際の内容を書いておきます
ディスク:片面2層
音声:英語/5.1ch DTS-HD MA 日本語/5.1ch DOLBY DIGITAL
映像特典(全て既発売DVDと同内容):スピルバーグ監督によるイントロダクション
撮影現場での体験
暗殺チーム
時代背景
インターナショナル・キャスト
編集 音響 音楽
事件の回想
本編の画質・音質についてはblu-ray.comを参照するといいと思いますが、良好に感じます。
2020年3月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』で、白人のジェフ・ゴールドブラムの娘役を黒人少女に演じさせるなど、間違ったポリティカル・コレクトネスの発揮ぶりに映画ファンを唖然とさせてきた、ハリウッドの勘違いリベラル=スピルバーグだけあって、本作でも後半の女性暗殺者のトンデモない扱い方など、イスラエルからの抗議だけでなく、ミソジニー的問題も露わにしてくれる、なんとも忙しい限りの映画である。また、主人公の描写(本編)は、時系列通りに進行するのに対して、「ミュンヘンオリンピック事件」は分割して前後に配置しているのだが、その効果が全く感じられないどころか、そのクライマックスを妻とのセックスシーンとシンクロさせるという、これまたジェンダー周辺をざわつかせるような露悪的な趣味の悪さは相変わらずで、ラストのツインタワーの挿入も含め、政治的になんともトンチンカンな映画である。
2018年12月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
観ていて、とても悲しくなりました。なぜここまで迫害を受けなければいけないのか・・・・
2006年6月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私個人として、実話を題材にした映画・小説をそうではない作品と別の基準で捉えるような見方が好きではない。
が、あえて言えば、この映画から受け取るべきメッセージ性は「復讐は復讐しか生まない」ではなく、「世界から戦争・貧困がなくならないのは、すべての民衆の責任である」ではないかと思う。
だから、この作品は重いのだ。
現在も各地で続く悲惨な状況と、我々の日常生活が密接に関連しているということ。
自分たちが肥えられればそれでよく、勝ち組だなんだと浮かれている者、どうせ負け組だからとすべてを諦めている者、両者は同等にこの状況に加担しているのだ。
そして、それを煽るメディアの行いは、まさにここで描かれているような「痛みを伴わず、空虚で、グロテスクな暴力」と同質なものである。
「ミュンヘン」が活劇という形式の中で表現しているのは、そのような苦悶・重苦しさ・子供じみた暴力性ではないだろうか。
またこの映画は、食事とセックスを繰り返し描くことで、人間の身体的営みにも迫っている。
つまり、社会派という枠組みを飛び越えたアクション映画でもあり、演出技術も総じて物語に貢献しているので分かりにくいこともない。
スピルバーグのキャリアの中でも屈指の傑作かと思う。
が、あえて言えば、この映画から受け取るべきメッセージ性は「復讐は復讐しか生まない」ではなく、「世界から戦争・貧困がなくならないのは、すべての民衆の責任である」ではないかと思う。
だから、この作品は重いのだ。
現在も各地で続く悲惨な状況と、我々の日常生活が密接に関連しているということ。
自分たちが肥えられればそれでよく、勝ち組だなんだと浮かれている者、どうせ負け組だからとすべてを諦めている者、両者は同等にこの状況に加担しているのだ。
そして、それを煽るメディアの行いは、まさにここで描かれているような「痛みを伴わず、空虚で、グロテスクな暴力」と同質なものである。
「ミュンヘン」が活劇という形式の中で表現しているのは、そのような苦悶・重苦しさ・子供じみた暴力性ではないだろうか。
またこの映画は、食事とセックスを繰り返し描くことで、人間の身体的営みにも迫っている。
つまり、社会派という枠組みを飛び越えたアクション映画でもあり、演出技術も総じて物語に貢献しているので分かりにくいこともない。
スピルバーグのキャリアの中でも屈指の傑作かと思う。