私たちは今、複雑で時に抑圧的な方向に向かう時代に生きています。地球上のどこを見ても、人々は外部との間に壁を作ろうとしているように思えますが、宮崎の芸術にはそうした壁を打ち破る力があります。ナウシカの言葉を借りれば、宮崎の作品は「闇の中のまたたく光」にほかならないのです。(中略)本書が監督の芸術世界にいくらかでも「光」を当てる役に立つことを願ってやみません。その芸術性は、今後も何世代にもわたって私たちをくびきから解き放ち、刺激と勇気を与え続けてくれるはずだからです。
(「日本の読者へ――ミヤザキワールドの闇と光」より)
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米タフツ大学修辞学・日本研究コース教授。1955年生まれ。84年にハーバード大学にて博士号取得(三島由紀夫と大江健三郎研究)。84~85年テキサス大学助教授、85~86年プリンストン大学助教授、テキサス大学三菱日本学科教授をへて現職。専門はアニメーションと日本文化。著書『現代日本のアニメ――「AKIRA」から「千と千尋の神隠し」まで』で、第27回日本児童文学学会特別賞を受賞(2003年)。
■訳者略歴 仲 達志(なか・たつし)
翻訳家。主な訳書にピリング『日本‐喪失と再起の物語』『幻想の経済成長』、マーフィー『日本‐呪縛の構図』、ハリス『セガ vs. 任天堂』(以上早川書房刊)、ホーマンズ『犬が私たちをパートナーに選んだわけ』ほか。
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内容(「BOOK」データベースより)
世界を魅了しつづける巨匠の秘密とは?中・韓・ロシア・アラビア語版も刊行される決定版「宮崎駿論」。30世紀の有毒の森、神々が疲れを癒す湯屋、赤毛のさかなの女の子、ふわふわの森の精―これらに共通する要素とは?“アニメ・クイーン”の異名をとる米タフツ大学教授が、アニメーション作家・宮崎駿(1941‐)が手がけた『ルパン三世 カリオストロの城』(1979)から『風立ちぬ』(2013)まで11の長編映画と、漫画版『風の谷のナウシカ』(1982~94)を徹底解剖。その人生と芸術との知られざる関わりを解き明かす。映像作品はもとより、膨大な日本語・欧文文献を8年がかりで渉猟、宮崎監督本人とスタジオジブリ関係者への直接インタビュー、大学で教える宮崎駿ゼミでの知見も踏まえ、「闇と光」がせめぎ合う「ミヤザキワールド」の魅力に迫る。日本版オリジナルの序文を収録。
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ネイピア,スーザン
米タフツ大学修辞学・日本研究コース教授。1955年生まれ。84年にハーバード大学にて博士号取得(三島由紀夫と大江健三郎研究)。84~85年テキサス大学助教授、85~86年プリンストン大学助教授、テキサス大学三菱日本学科教授をへて現職。専門はアニメーションと日本文化。著書『現代日本のアニメ―「AKIRA」から「千と千尋の神隠し」まで』で、第27回日本児童文学学会特別賞を受賞(2003年)
仲/達志
翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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