心の底から読書を楽しんだという気分になれた作品だった。毎日少しずつ読んでいくのだが、次の展開を楽しみに待っていられる。
今は深夜バスの運転手をしている高宮利一とその家族の物語。この家族に横たわっているのが、16年前、妻 美雪が家族を置いて家を出ていったこと。
息子 玲司は仕事を辞めて故郷美越に戻って来る。そんな折、利一は客として乗ってきた元妻と偶然再会し、物語が動き始める。
16年前には言えなかった思い、理解できなかった苦しみ、かけてあげられなかった言葉への悔恨、そうしたものが、小さな出来事の積み重ねで、ほつれていた糸が解けていくように、少しずつ少しずつわかり合えていく。
一方、利一の恋人 志穂との関係も絡み合いながら物語は進行していく。優しさゆえに、沢山のものを抱え込んでしまう利一。ただ一途に利一に尽くそうとする志穂が、健気で愛おしい。
また作者は、各章ごとに本編とは直接関係のないサイドストーリーを挿入している。この話がまたイイのである。このサイドストーリーによって、物語が重層的なふくらみを持つことになる。
読後、明日への希望を感じさせてくれる作品だった。
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ミッドナイト・バス (文春文庫) 文庫 – 2016/8/4
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壊れた「家族」という時計は再び動き出すのか
映画化決定! 出演:原田泰造 山本未來 小西真奈美 葵わかな 七瀬公 長塚京三
東京での、忙しすぎるデベロッパーの仕事を辞め、故郷の新潟で、深夜バスの運転手をしている利一。ある夜、バスに乗ってきたのは、16年前に別れた妻だった━━。
会社を辞め、家に戻ってきた理由を言い出せずにいる長男、結婚と夢の間で揺れる長女、再婚した夫の浮気と一人暮らしの父の介護で悩む元妻、そして、利一も、若い恋人との結婚に踏み出せずにいる……人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。 家族の崩壊で、一度止まった時を、それぞれが進めることができるのか━━。
物語は、そんな家族たちの葛藤と再出発の姿と、各々の理由で深夜バスを利用する乗客たちの姿を交互に描いていく。
今はどんなに大変でも、明けない夜はない。
家族の再出発とさまざまな人生を丁寧な筆致でを描いた感動長篇。
解説は、吉田伸子さん
映画化決定! 出演:原田泰造 山本未來 小西真奈美 葵わかな 七瀬公 長塚京三
東京での、忙しすぎるデベロッパーの仕事を辞め、故郷の新潟で、深夜バスの運転手をしている利一。ある夜、バスに乗ってきたのは、16年前に別れた妻だった━━。
会社を辞め、家に戻ってきた理由を言い出せずにいる長男、結婚と夢の間で揺れる長女、再婚した夫の浮気と一人暮らしの父の介護で悩む元妻、そして、利一も、若い恋人との結婚に踏み出せずにいる……人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。 家族の崩壊で、一度止まった時を、それぞれが進めることができるのか━━。
物語は、そんな家族たちの葛藤と再出発の姿と、各々の理由で深夜バスを利用する乗客たちの姿を交互に描いていく。
今はどんなに大変でも、明けない夜はない。
家族の再出発とさまざまな人生を丁寧な筆致でを描いた感動長篇。
解説は、吉田伸子さん
- 本の長さ496ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2016/8/4
- 寸法14.8 x 10.5 x 2 cm
- ISBN-104167906716
- ISBN-13978-4167906719
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
故郷に戻り、深夜バスの運転手として働く利一。子供たちも独立し、恋人との将来を考え始めた矢先、バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。会社を辞めた長男、結婚と仕事で揺れる長女。人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。バスの乗客の人間模様を絡めながら、家族の再出発を描いた感動長篇。
著者について
伊吹/有喜 1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。2008年『風待ちのひと』(「夏の終わりのトラヴィアータ」より改題)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、デビュー
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
伊吹/有喜
1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。2008年『風待ちのひと』(「夏の終わりのトラヴィアータ」より改題)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1969年三重県生まれ。中央大学法学部卒。2008年『風待ちのひと』(「夏の終わりのトラヴィアータ」より改題)で第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2016/8/4)
- 発売日 : 2016/8/4
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 496ページ
- ISBN-10 : 4167906716
- ISBN-13 : 978-4167906719
- 寸法 : 14.8 x 10.5 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 36,228位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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2021年12月2日に日本でレビュー済み
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2018年11月10日に日本でレビュー済み
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私は新潟県民なので少し贔屓目にみているかもしれませんが、実にたくさんの登場人物が出てくる群像劇で、新潟の冬を舞台に実に丁寧に心理描写が出来ています。主人公はバスの運転手利一ですが、ほかの人物もそれぞれの葛藤を抱え、またしっかりと完結もしていて読後感もよいです。映画を見た方も原作がまだならぜひ読んでください!
ちなみに全く関係がない話ですが、最近kindle版の表紙が文庫の挿絵から文字だけのシンプルなものになってしまったのが残念です。
ちなみに全く関係がない話ですが、最近kindle版の表紙が文庫の挿絵から文字だけのシンプルなものになってしまったのが残念です。
2018年5月26日に日本でレビュー済み
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この本、2日かかって、まだ半分しか読めてない。 原因は、1 ぶ厚い、2 主人公と、話の本流と関係ない人が、突然でてくる。全部読み終われば、なんでこの人がでてきたのか理解できるのかもしれないが。3 私自身の人生と重なって、不快感になってる。
このままだと、もしかしたら、積んどくだけの本の仲間入りするかもしれない。
本来なら、こんな状況でレビューは、書かない。でも不快になるということは、それだけ彼、彼の家族の人生が、心のありようが伝わってくるからだろう。
ほかの本に、興味が移ってしまうか微妙。
このままだと、もしかしたら、積んどくだけの本の仲間入りするかもしれない。
本来なら、こんな状況でレビューは、書かない。でも不快になるということは、それだけ彼、彼の家族の人生が、心のありようが伝わってくるからだろう。
ほかの本に、興味が移ってしまうか微妙。