原作を読んで気に入ったので観てみました。正直な感想としては、原作に大体忠実に作った上で、良い所をこそぎ落として、バイオレンスさをより際立たせた映画って感じ。グロい。とにかくグロい。
原作の魅力って「思春期特有の不安定さ」と「そこに起因した上手く行かなさ」を過大に表現した結果の「歪んだ人物像」を上手く描いてる点だと思うんですよ。つまり、主体は「思春期特有の不安定さ」であって、歪んだ人物像やそれによるバイオレンスな表現は主体ではないんですよ。
映画は正直、歪んだ人物像やバイオレンスな表現が主体に感じてしまう。少ない尺の中に情報を凝縮すると致し方ない部分はあるにせよ、「なんか違う」感は拭えませんでした。
ここまで歪み切ることはないにせよ、思春期特有の不安定さって誰もが経験するもので。だからこそ、こんなバイオレンスで救いのない作品に共感が生まれ、切なさを感じてしまう。そこを上手く表現しきれなかったのは、正直作品としてちょっと痛手に思えます。
ただ、個人的に良かったと思う点として、たえちゃんの人物像が原作よりマイルドになってる点に関しては、かなり良いと思う。
たえちゃんに共感出来るか出来ないか?によって、この作品に対する見方はかなり変わると思うんですよ。なんですけど、原作のたえちゃん、かなり暴力的なんで、アレに怒りや嫌悪感を感じる人も少なくない筈。そうなってしまうと、この作品の本質を見逃してしまう可能性がかなり高いんで、たえちゃんにしやすいように演出してる点は、かなり良いと思います。
その辺も踏まえて他人にオススメ出来るか出来ないかで言ったら、「原作ファン以外は観ないでくれ」と、言いたい。原作を読んで良さを理解してる人ならともかく、映画から入ると作品の本質を100%見誤ると思うので。
気になったら、まずは原作から入るのをオススメします。

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