小説を書くための指南書が欲しくて、タイトルに惹かれ購入しました。が、他の方の評価にもあるように、これは単純に読み物だと感じました。
作家さん毎にインタビュー形式で質問が散りばめられ、それぞれの作家さんがその質問に答えていくような掲載内容。
私のほしい本のイメージとしては、それこそ教科書や指南書の用に、丁寧な解説を求めていましたが、この本はたくさんのミステリー作家さんによるインタビュー記事を1冊にまとめたもの。
単純な読み物としては、それぞれの作家さんがどのように作品を仕上げていくのか、こうした方がいいというアドバイスが載っているのでとても楽しめますし、貴重でもあります。
しかし、タイトルにばかり目が引かれてしまうと、理想と違うものが提供されたようながっかり感は否めません。もし、純粋に『ミステリーの書き方』を求めるならば他の本を求めたほうが良いのかもしれません。
私の感想では、
『推理作家に聞く、ミステリーのいろは』
のような内容の本だったな、と。
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![[日本推理作家協会 編著, 赤川次郎, 東直己, 阿刀田高, 我孫子武丸, 綾辻行人, 有栖川有栖, 五十嵐貴久, 伊坂幸太郎, 石田衣良, 岩井志麻子, 逢坂剛, 大沢在昌, 乙一, 折原一, 恩田陸, 垣根涼介, 香納諒一, 神埼京介, 貴志祐介, 北方謙三, 北村薫, 北森鴻, 黒川博行, 小池真理子, 今野敏, 柴田よしき, 朱川湊人, 真保裕一, 柄刀一, 天童荒太, 二階堂黎人, 楡周平, 野沢尚, 法月綸太郎, 馳星周, 花村萬月, 東野圭吾, 福井晴敏, 船戸与一, 宮部みゆき, 森村誠一, 山田正紀, 横山秀夫]のミステリーの書き方 (幻冬舎文庫)](https://m.media-amazon.com/images/I/51qpwQxggxL._SY346_.jpg)
ミステリーの書き方 (幻冬舎文庫) Kindle版
日本推理作家協会 編著
(著)
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言語日本語
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出版社幻冬舎
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発売日2015/10/8
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ファイルサイズ48660 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
どうしたら小説が書けるの?アイデアはどこから生まれてくるの?プロの作家に必要なことは?―ミステリーの最前線で活躍する作家が、独自の執筆ノウハウや舞台裏を余すところなく開陳した豪華な一冊。日本推理作家協会に所属する現役作家たちが答えた貴重なアンケートも収録。作家志望者のみならず、すべてのミステリーファン必読の書。
--このテキストは、paperback_bunko版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B015ZNULBY
- 出版社 : 幻冬舎 (2015/10/8)
- 発売日 : 2015/10/8
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 48660 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 625ページ
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 9,989位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 6位直木賞受賞(150回-)作家の本
- - 21位芥川賞受賞(101-125回)作家の本
- - 26位直木賞受賞(76-100回)作家の本
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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ベスト500レビュアーVINEメンバー
Amazonで購入
斎藤孝さんが著書の中で本書を大絶賛されていたので思わず購入。
日本推理作家協会が編著をしているところがすごく重要で、もうびっくりするようなそうそうたるメンツが自らのミステリーの書き方ひいては文章の書き方を晒してくれている。
「文章とはかくたるべし」
という我々一般人としても非常に重要な要素に満ち溢れている。
「動きを言葉に置き換えるのだ。まるで~のようだという修飾語は必要ない」
「主人公の主語をなるべく外す」
「編集者の時に何百の作家志望者に会いましたが共通することはただ一つで努力を不充分にしかしていません。本気で物書きになりたいのであれば道は簡単で現在の10倍努力すればいいだけです」
「書くなら恥をかけ。他人の恥を見て読者は喜ぶんだ。いい恰好をしたかったらお前が金を払え」
もう上げだしたらキリが無いほどテクニック的なところから人生論的なところまで学ぶ箇所がある。
そして誰もがいう事は
「推敲して極力そぎ落とす」
ということ。
これは一般的なメール等でもそうあるべきだろうと思います。
重厚にして濃密。
素晴らしい本です。
日本推理作家協会が編著をしているところがすごく重要で、もうびっくりするようなそうそうたるメンツが自らのミステリーの書き方ひいては文章の書き方を晒してくれている。
「文章とはかくたるべし」
という我々一般人としても非常に重要な要素に満ち溢れている。
「動きを言葉に置き換えるのだ。まるで~のようだという修飾語は必要ない」
「主人公の主語をなるべく外す」
「編集者の時に何百の作家志望者に会いましたが共通することはただ一つで努力を不充分にしかしていません。本気で物書きになりたいのであれば道は簡単で現在の10倍努力すればいいだけです」
「書くなら恥をかけ。他人の恥を見て読者は喜ぶんだ。いい恰好をしたかったらお前が金を払え」
もう上げだしたらキリが無いほどテクニック的なところから人生論的なところまで学ぶ箇所がある。
そして誰もがいう事は
「推敲して極力そぎ落とす」
ということ。
これは一般的なメール等でもそうあるべきだろうと思います。
重厚にして濃密。
素晴らしい本です。
2020年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
作家志望ではないですが、タイトルに惹かれて買ってしまいました。
表紙デザインも最高に好みでした。
しかし、他の方も述べられている通り、ミステリーの書き方というより、作家各位の独自のやり方をインタビュー式にした本でした。
このタイトルで出版するのであれば、レイアウトと内容の整理をどうにかした方が楽しめたような気がします。
表紙デザインも最高に好みでした。
しかし、他の方も述べられている通り、ミステリーの書き方というより、作家各位の独自のやり方をインタビュー式にした本でした。
このタイトルで出版するのであれば、レイアウトと内容の整理をどうにかした方が楽しめたような気がします。
2019年10月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
電書版を買いました。
指南書というには感覚的で、作家さんがそれぞれどう考えてミステリー作品を作っているのかを知りたい人向け、という感じでした。
いろんな方法が書いてあるので、トリックをどう考えればいいかまったくわからない、何でも良いから足がかりが欲しい、という方は読んでみる価値はあるかもしれません。
要はこれという確立された方法はなく、先人達のやり方を教えるのでどのやり方を参考にするかはあなたが決めるべきという話。
内容自体は面白かったのですが、見出しでもない本文がマークアップされているのが私には非常に邪魔で読みづらい。
人によって重要に思う部分は違いますし、マークアップされていない部分は読まなくてもいいのか?とイラッとしました。せめて設定で消せるようにしてほしいです。
指南書というには感覚的で、作家さんがそれぞれどう考えてミステリー作品を作っているのかを知りたい人向け、という感じでした。
いろんな方法が書いてあるので、トリックをどう考えればいいかまったくわからない、何でも良いから足がかりが欲しい、という方は読んでみる価値はあるかもしれません。
要はこれという確立された方法はなく、先人達のやり方を教えるのでどのやり方を参考にするかはあなたが決めるべきという話。
内容自体は面白かったのですが、見出しでもない本文がマークアップされているのが私には非常に邪魔で読みづらい。
人によって重要に思う部分は違いますし、マークアップされていない部分は読まなくてもいいのか?とイラッとしました。せめて設定で消せるようにしてほしいです。
2017年8月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
単純に面白いです。
それぞれの作家が色々な目線で書いていることがわかり、物書き以外にも楽しめる作品。
ただ、熱くタメになることを語る作家とそうでない作家が激しい。
理論派作家は面白いが感覚派は正直微妙、といったところでしょうか。
でもその比較ができるのもまた楽しみかと思われます。
物書きにおいては文法ではなくストーリーテラーとしての基礎が学べるので、実はありそうでなかった一冊かと。
まず買って損はないです。
ただ、物書きの全てを学ぼうとするには微妙。
こういう本が増えたら面白いんだけどなあ。
それぞれの作家が色々な目線で書いていることがわかり、物書き以外にも楽しめる作品。
ただ、熱くタメになることを語る作家とそうでない作家が激しい。
理論派作家は面白いが感覚派は正直微妙、といったところでしょうか。
でもその比較ができるのもまた楽しみかと思われます。
物書きにおいては文法ではなくストーリーテラーとしての基礎が学べるので、実はありそうでなかった一冊かと。
まず買って損はないです。
ただ、物書きの全てを学ぼうとするには微妙。
こういう本が増えたら面白いんだけどなあ。
2016年12月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書では、日本推理作家協会に所属するプロの作家たちが、それぞれ与えられたテーマでミステリー小説の書き方について語っています。幻冬舎のPR誌『PONTOON』2003〜2008年ごろまでに掲載された記事が集められています。
〈まえがき〉東野圭吾
第1章 ミステリーとは
【はじめに人ありき】福井晴敏
【ミステリーを使う視点】天童荒太
【ミステリーと純文学のちがい】森村誠一
第2章 ミステリーを書く前に
【オリジナリティがあるアイデアの探し方】東野圭吾
【どうしても書かなければ、と思うとき】法月綸太郎
【アイデア発見のための四つの入り口】阿刀田高
【実例・アイデアから作品へ】有栖川有栖
【アイデアの源泉を大河にするまで】柄刀一
【ジャンルの選び方】山田正紀
【クラシックに学ぶ】五十嵐貴久
【冒険小説の取材について】船戸与一
【長期取材における、私の方法】垣根涼介
第3章 ミステリーを書く
【プロットの作り方】宮部みゆき
【プロットの作り方】乙一
【本格推理小説におけるプロットの構築】二階堂黎人
【真ん中でブン投げろっ!】朱川湊人
【語り手の設定】北村薫
【視点の選び方】真保裕一
【ブスの気持ちと視点から】岩井志麻子
【文体について】北方謙三
【登場人物に生きた個性を与えるためには】柴田よしき
【登場人物に厚みを持たせる方法】野沢尚
【背景描写と雰囲気作り】楡周平
【セリフの書き方】黒川博行
【ノワールを書くということ】馳星周
【会話に大切なこと】石田衣良
第4章 ミステリーをより面白くする
【書き出しで読者を摑め!】伊坂幸太郎
【手がかりの埋め方】赤川次郎
【トリックの仕掛け方】綾辻行人
【叙述トリックを成功させる方法】折原一
【手段としての叙述トリック ― 人物属性論】我孫子武丸
【どんでん返し ― いかに読者を誤導するか】逢坂剛
【ストーリーを面白くするコツ】東直己
【比喩は劇薬】小池真理子
【アクションをいかくに描くか】今野敏
【悪役の特権】貴志祐介
【性描写の方法】神崎京介
【推敲のしかた】花村萬月
【タイトルの付け方】恩田陸
【作品に緊張感を持たせる方法】横山秀夫
第5章 ミステリー作家として
【シリーズの書き方】大沢在昌
【連作ミステリの指摘方法論】北森鴻
【書き続けていくための幾つかの心得】香納諒一
〈あとがき〉大沢在昌
〈文庫版あとがき〉今野敏
評者自身はミステリー作家を志したことはおろか、小説家を目指そうと思ったことすらありません。そのため本書がどのレベルのミステリー作家志望者を想定しているのか(ミステリーを読み込んではいるけど文章経験がほとんどゼロなのか、新人賞に応募した経験くらいはあるのか、など)、指南書としてどれほど有用なのか正直わかりかねます。
ただ、心構えの話だったり、プラグマティックな話だったりと、作家によって多種多様な切り口がありますし、どれかひとつくらいは糧になるものがあると思います。数人の作家が、本格推理小説を書くうえで大切なのはトリックの斬新さよりもトリックをどれだけ効果的に演出できるかという点を力説していますが、様々なネタが出尽くした現代にあってミステリー作家をこれから志す人々には勇気づけられる証言ではないでしょうか。
個人的には、新人作家が「叙述トリック」を使うさいの注意点を挙げる折原一さん、「ジャンル」選択の重要性を説く山田正紀さんの着眼点は鋭いと感じました。多くの作家が小説の質を上げための方法論を解説するなか、彼らふたりは商業作家として勝負するうえでの戦略について語っています。間違いなく必要な観点でしょう。
ともあれ本書はミステリー小説の一読者にとっても興味深く読めるはず。小説を書くうえでの作家たちが力点をそれぞれどこに置いているのか紹介されているため、これから小説を読んでいくうえでの「読みどころ」がなんとなく理解できると思います。
また、登場する作家によって執筆スタイルが様々で、作家ごとの個性がよく伝わりますし、各作家のエッセイやインタビューとして読んでも十分楽しめます。たとえば、同じプロットの組み立て方につていて話しても、どちらかといえば感覚的に進めていく宮部みゆきさんと、ロジカルに構築していく乙一さんからは対照性がうかがえます。会話文のコツを、じっさいに掌編に仕立てて教える石田衣良さんの遊び心もきいていました。
〈まえがき〉東野圭吾
第1章 ミステリーとは
【はじめに人ありき】福井晴敏
【ミステリーを使う視点】天童荒太
【ミステリーと純文学のちがい】森村誠一
第2章 ミステリーを書く前に
【オリジナリティがあるアイデアの探し方】東野圭吾
【どうしても書かなければ、と思うとき】法月綸太郎
【アイデア発見のための四つの入り口】阿刀田高
【実例・アイデアから作品へ】有栖川有栖
【アイデアの源泉を大河にするまで】柄刀一
【ジャンルの選び方】山田正紀
【クラシックに学ぶ】五十嵐貴久
【冒険小説の取材について】船戸与一
【長期取材における、私の方法】垣根涼介
第3章 ミステリーを書く
【プロットの作り方】宮部みゆき
【プロットの作り方】乙一
【本格推理小説におけるプロットの構築】二階堂黎人
【真ん中でブン投げろっ!】朱川湊人
【語り手の設定】北村薫
【視点の選び方】真保裕一
【ブスの気持ちと視点から】岩井志麻子
【文体について】北方謙三
【登場人物に生きた個性を与えるためには】柴田よしき
【登場人物に厚みを持たせる方法】野沢尚
【背景描写と雰囲気作り】楡周平
【セリフの書き方】黒川博行
【ノワールを書くということ】馳星周
【会話に大切なこと】石田衣良
第4章 ミステリーをより面白くする
【書き出しで読者を摑め!】伊坂幸太郎
【手がかりの埋め方】赤川次郎
【トリックの仕掛け方】綾辻行人
【叙述トリックを成功させる方法】折原一
【手段としての叙述トリック ― 人物属性論】我孫子武丸
【どんでん返し ― いかに読者を誤導するか】逢坂剛
【ストーリーを面白くするコツ】東直己
【比喩は劇薬】小池真理子
【アクションをいかくに描くか】今野敏
【悪役の特権】貴志祐介
【性描写の方法】神崎京介
【推敲のしかた】花村萬月
【タイトルの付け方】恩田陸
【作品に緊張感を持たせる方法】横山秀夫
第5章 ミステリー作家として
【シリーズの書き方】大沢在昌
【連作ミステリの指摘方法論】北森鴻
【書き続けていくための幾つかの心得】香納諒一
〈あとがき〉大沢在昌
〈文庫版あとがき〉今野敏
評者自身はミステリー作家を志したことはおろか、小説家を目指そうと思ったことすらありません。そのため本書がどのレベルのミステリー作家志望者を想定しているのか(ミステリーを読み込んではいるけど文章経験がほとんどゼロなのか、新人賞に応募した経験くらいはあるのか、など)、指南書としてどれほど有用なのか正直わかりかねます。
ただ、心構えの話だったり、プラグマティックな話だったりと、作家によって多種多様な切り口がありますし、どれかひとつくらいは糧になるものがあると思います。数人の作家が、本格推理小説を書くうえで大切なのはトリックの斬新さよりもトリックをどれだけ効果的に演出できるかという点を力説していますが、様々なネタが出尽くした現代にあってミステリー作家をこれから志す人々には勇気づけられる証言ではないでしょうか。
個人的には、新人作家が「叙述トリック」を使うさいの注意点を挙げる折原一さん、「ジャンル」選択の重要性を説く山田正紀さんの着眼点は鋭いと感じました。多くの作家が小説の質を上げための方法論を解説するなか、彼らふたりは商業作家として勝負するうえでの戦略について語っています。間違いなく必要な観点でしょう。
ともあれ本書はミステリー小説の一読者にとっても興味深く読めるはず。小説を書くうえでの作家たちが力点をそれぞれどこに置いているのか紹介されているため、これから小説を読んでいくうえでの「読みどころ」がなんとなく理解できると思います。
また、登場する作家によって執筆スタイルが様々で、作家ごとの個性がよく伝わりますし、各作家のエッセイやインタビューとして読んでも十分楽しめます。たとえば、同じプロットの組み立て方につていて話しても、どちらかといえば感覚的に進めていく宮部みゆきさんと、ロジカルに構築していく乙一さんからは対照性がうかがえます。会話文のコツを、じっさいに掌編に仕立てて教える石田衣良さんの遊び心もきいていました。