2011年公開の米大リーグ、オークランド・アスレチックスを経営不振から建て直した球団GM(ゼネラルマネージャー)の奮闘記。
最近で言えばTBS日曜劇場のラグビー版「ノーサイド・ゲーム」で大泉洋が演じたポストの野球版だと思えば良く、池井戸潤の原作小説の恐らく元ネタと思われる傑作。若干の脚色は在るらしいが、大筋は2001年の実話に基づいるので、此方も真剣に観てしまう。
強気でマッチョで向こう見ずなブラピの演技は作品によって時々浮くことがある。しかし本作のブラピの役柄ビリー・ビーンは実にしっくり来るのだ。
セイバーメトリクスによってデータ統計学に基づいて選手を補強し起用しながら、老獪なベテラン・スカウト達を向こうに回してブッタ切る大鉈の采配がとても嵌まっている。
独自の論理を打ち立てたにも関わらず他球団で埋もれていたピーター・ブランドをいきなり要職に抜擢する胆力には見習いたいもの。責任を取るトップの覚悟とは如何に大事か、孤独に耐えて決断できるかどうかを非常に上手く表現している。
周りの意見を聞いて、それを丸めただけで毒にも薬にも成らない何の変哲の無い企画を出して「組織の総意です」なんて宣うボスに革新が起こせようか?誰がそんな枯れた夢に着いていくのか?非常事態にこそ求められる破天荒タイプのリーダー像はなかなか見応えがある。
また、単なる感覚値を堂々と理論のように語るベテラン・スカウトの演出も素晴らしい反面教師となっていて、経験と勘で仕事をアートの如く飾り立てるベテラン程、手を焼く存在はない。「改革の抵抗勢力は身内」と言う心理をこれまた上手く表現していた。
ピーター役に風貌がオタク系のジョナ・ヒルを置いたのが面白い。たとえ社交性や共感性に欠けていても、知的で博学で探求心の強い彼等のような人種が世の中を変えていく。ブラピとの組み合わせこそ、特に日本人にとっても参考になる組織の未来を象徴する存在感を放っていた。
会社組織の在り方を思いきって変えたいとお思いの方は、本作を観れば実話から軋轢を恐れない凄みを理解でき、たった二時間余りで疑似体験できる意外に少ない万人向きの教科書は、やはり傑作です。
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