詳しい解説は他のレビューを参考にしていただくとして
この本を読めば、FX業者がよく言う
「世界経済における日本のプレゼンスは今後低下するから
長期的には円安になるのは間違いない」などといった
一見もっともらしい説明に言い含められることはなくなるでしょう。
そもそも為替取引はプロの金融マンにとっても
株式や利子よりも難しくて予測が困難と考えられているものなのです。
その意味で本書は博打的な投機としてでなく、
投資として外為取引にかかわりたい人にとっては格好の入門書といえるでしょう。
また、本書で言及されている「降水確率ゼロ予報が土砂降りをもたらす?」
という相場の本質を知っておけば、
日本のバブル時代に土地は絶対に上がる、
また近年のアメリカで不動産は上がり続けるといった風潮が
いかに怪しいものであるかわかるようになると思います。
今後もこうしたことは必ず世界のどこかで形を変えて繰り返されるでしょうから。
4章、5章で各国の外為相場の歴史が分析されていますが、
これも単なる歴史を振り返っているのではなく、
例えば日本が固定相場制から変動相場制へ移行した状況を知っておけば
中国など現在固定相場制の国が今後どういった展開を見せるか
ということの指針になるという点で
将来の予測に大きな助けとなってくれるでしょう。
そういう意味では歴史は繰り返すのです。
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