他のレビュアー「メタボキラー」さんのレビューの記載に誤りがあるので、ここで訂正しておきます。
病室で「グレンシア」【 グレンより性転換したもの。後述 】と再会したのがイサムであると書いてありますが、これは明らかにイサム本人ではなく、イサムの母親「マリアラ・ダイソン」が看護婦として入院中の患者「グレンシア」〈元の「グレン」〉と " 初 ″ 対面した場面の記述ミス、あるいは読後記憶の勘違いによる誤りです。
小説ではイサムの父親は「ケンゾー」と明記されており、行方不明後の消息は飽くまでも公表された事実では不明のままです。
確かにケンゾーが行方不明となり、後に正体を隠して、あるいは記憶喪失か何かの事情により「グレン」としてイサムと戦友として「再会」、さらに謎の奇病の発症を理由として軍を除隊【しかも二階級特進の名誉除隊】、症状確定により女性に性転換して病人「グレンシア」として看護婦「マリアラ」〔かつての妻〕と「再会」したとも推測できる記載があるものの、匂わせる程度の情報量ですので閲覧者に誤解を招く表現だと思います。
ここはレビュアーとして読者に間違った先入観を与えない為にも、せめてイサムの母親「マリアラ」と「グレンシア」〔元の「グレン」、イサムの父親?〕の再会が記載されている、という程度の記述に留めるべきでしょう。
〔 その方も私と同じ Kindle 版の購入ですので、例え実体紙書籍からデータ販売となる Kindle 版へ移行時に内容に修正があったとしても、全く同一の版の小説全文を読んだものと特定可能ですから、こう断言してしまいます。〕
小説独自の登場人物「グレン」の語る、過去に死別した恋人とは、いってみれば『アクエリオン EVOL』 に登場する 呪いにより女性 ➡️ 男性へ性転換するヒロイン Mi "X" 〔ミックス〕 の Mix "Y" 〔ミクシィ〕の原型かと私は判断しています。
けだし、イサムと小説独自の登場人物「グレン」との関係性において、グレンが性転換される奇病〔女性 ➡️ 男性 〕に侵された恋人である「かつては彼女であった "彼"」を助けたいという思いを基礎にしたグレンの人生観が、本小説でのイサム、さらには後のアニメ本編でのイサムの人生観にどんな影響を与えたかについては、ほとんど描写されていない以上、信本敬子さんの勇み足だったのではないかと私には思えました。
第二章 " Alternative " 節 以降は、かつての死別した恋人と同じ奇病発症により、グレン自身も男性 ➡️ 女性へと性転換され、以後は「 グレンシア」として後半生を生きることになるのですが、本来の性自認を無視して〔「性同一性障害」でも無いのに〕、女性として生きることになったグレンシアの戸惑いが、かつての恋人〔 女性 ➡️ 男性 〕との対比として効果的なはずなのに、あっさり女性の性役割〔ジェンダー〕を受け入れてしまったかのような記載描写が気になります。
かつてジョン・マネー博士により男児「ブルース」が 〔女児〕『ブレンダ』として " 性別再指定手術" を受けた人物の悲劇的な人生観を描いたノンフィクション書籍〔「ブレンダと呼ばれた少年」を参照 〕を鑑みるに、幼年期に人為的な強制手術で女性『ブレンダ』になったブルースと、自我の完成した青年期以降に病により『グレンシア』として生きることになった「グレン」との間には条件と環境の相違があるとはいえ、葛藤すら感じられないグレンシアの描写には疑問を持ってます。
いわゆる腐女子的視点で判断しようにも、グレンの具体的な感情起伏が感じられず、なんとも物足りない緩い感じ。
いっそのこと、男子読者〔腐男子を除く一般の〕が引いてしまっても腐女子趣味全開で「それでも完全な男性の容貌になってしまった彼〔死別した恋人〕を、今でも愛している」とでもグレンに言わせてしまったほうが良かったのではと思います。
その他の描写は完全なアニメの前日譚なので、古今東西の様々な物語たちを読み重ねた身としてはアニメ本編に描かれなかった過去の出来事の内容の事前予想どおりの展開に、面白味に欠ける印象を、私は読後に感じました。
せっかく小説独自の登場人物(グレン)を出しておきながら、アニメ本編の登場人物たちの描かれなかった出来事の描写の義務感に引っ張られて、限られた文章量の中で本編と小説独自、それぞれの登場人物たちの表現がいずれも中途半端に終わったのが本当に残念至極です。
発表当時、続刊を予定しながら未刊のまま現在にまで至っている小説版の続編を、もし今からでも世に出す機会があるとすれば、新しくこの小説版の内容で全てを仕切り直して、グレンを含めた登場人物の人物像の深みを増す十分に厚みのある文章量と、斬新な新構成でリメイクして欲しいものです。
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