この商品をお持ちですか?
マーケットプレイスに出品する
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません 。詳細はこちら
Kindle Cloud Readerを使い、ブラウザですぐに読むことができます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ポストキャピタリズム 単行本 – 2017/9/22
購入を強化する
英国のトップジャーナリストによるベストセラー、待望の邦訳。
人類史上初のチャンスをもたらす「プロジェクト・ゼロ」=資本主義以後の世界を探る。
【本書への賛辞】
たとえ、あなたが現在の資本主義システムを愛しているとしても、本書を無視するのは間違っている。
本書の主張は、右派と左派も分け隔てなく幅広い読者層を得るだろう。
――ジリアン・テット(ジャーナリスト・元フィナンシャル・タイムズ アメリカ版編集長)
これまでとは違う真の選択肢を導き出す独創的、魅力的、刺激的かつ活気ある明確なビジョンである。
――ナオミ・クライン(ジャーナリスト、『ショック・ドクトリン』著者)
ポストモダニズムなど、さまざまな『ポスト○○論』の流行が去った後、
メイソンは、唯一本物のポスト論である『ポスト資本主義』と恐れることなく向き合った。
――スラヴォイ・ジジェク(哲学者、精神分析家)
【「プロジェクト・ゼロ」=資本主義以後の世界とは?】
●機械や製品の製造コストはゼロ、労働時間も限りなくゼロに
●生活必需品や公共サービスも無料に
●民営化をやめ、国有化へ。公共インフラを低コストで提供し、単なる賃金上昇よりも公平な財の再分配へ
●ベーシック・インカムで、劣悪な仕事は姿を消す
●並行通貨や時間銀行、協同組合、自己管理型のオンライン空間などが出現
●経済活動に信用貸しや貨幣そのものが占める役割がずっと小さくなる etc
【本書の内容】
資本主義の変革はもはや実現不可能なユートピアではない。
市場や私有財産を基盤にした現行システムとは全く異なる未来を描き出す。
著者、ポール・メイソンは、資本主義200年の歴史を調査するなかで、ある疑問を抱いた。
「資本主義は社会全体を動かしている非常に複雑なシステムだが、資本主義自体が限界に達し、まったく新しい何かに変化しつつある一歩手前なのではないか」と。
この変化の中心にあるのが情報技術だ。
これは労働や生産、価値について私たちが当たり前に持っている概念を、完全に別の形に変化させ、市場や私有財産を基盤にした経済を崩壊させる可能性のある革命なのだ。
現に、これらの変化はすでに起きている、とメイソンは主張する。
新自由主義のルールに、もはや対応しなくなった商品やサービスが現れたのだ。
例えば、並行通貨や時間銀行、協同組合、自己管理型のオンライン空間などである。
国が後ろ盾する「株式会社資本主義」システムとは全く違い、正反対とも言えるビジネスが行われている。
本書では、昨今の経済危機の残骸から、より社会的に公平で持続可能な世界経済を構築するチャンスをどのようにつかむことができるのか、を明らかにする。
人類史上初のチャンスをもたらす「プロジェクト・ゼロ」=資本主義以後の世界を探る。
【本書への賛辞】
たとえ、あなたが現在の資本主義システムを愛しているとしても、本書を無視するのは間違っている。
本書の主張は、右派と左派も分け隔てなく幅広い読者層を得るだろう。
――ジリアン・テット(ジャーナリスト・元フィナンシャル・タイムズ アメリカ版編集長)
これまでとは違う真の選択肢を導き出す独創的、魅力的、刺激的かつ活気ある明確なビジョンである。
――ナオミ・クライン(ジャーナリスト、『ショック・ドクトリン』著者)
ポストモダニズムなど、さまざまな『ポスト○○論』の流行が去った後、
メイソンは、唯一本物のポスト論である『ポスト資本主義』と恐れることなく向き合った。
――スラヴォイ・ジジェク(哲学者、精神分析家)
【「プロジェクト・ゼロ」=資本主義以後の世界とは?】
●機械や製品の製造コストはゼロ、労働時間も限りなくゼロに
●生活必需品や公共サービスも無料に
●民営化をやめ、国有化へ。公共インフラを低コストで提供し、単なる賃金上昇よりも公平な財の再分配へ
●ベーシック・インカムで、劣悪な仕事は姿を消す
●並行通貨や時間銀行、協同組合、自己管理型のオンライン空間などが出現
●経済活動に信用貸しや貨幣そのものが占める役割がずっと小さくなる etc
【本書の内容】
資本主義の変革はもはや実現不可能なユートピアではない。
市場や私有財産を基盤にした現行システムとは全く異なる未来を描き出す。
著者、ポール・メイソンは、資本主義200年の歴史を調査するなかで、ある疑問を抱いた。
「資本主義は社会全体を動かしている非常に複雑なシステムだが、資本主義自体が限界に達し、まったく新しい何かに変化しつつある一歩手前なのではないか」と。
この変化の中心にあるのが情報技術だ。
これは労働や生産、価値について私たちが当たり前に持っている概念を、完全に別の形に変化させ、市場や私有財産を基盤にした経済を崩壊させる可能性のある革命なのだ。
現に、これらの変化はすでに起きている、とメイソンは主張する。
新自由主義のルールに、もはや対応しなくなった商品やサービスが現れたのだ。
例えば、並行通貨や時間銀行、協同組合、自己管理型のオンライン空間などである。
国が後ろ盾する「株式会社資本主義」システムとは全く違い、正反対とも言えるビジネスが行われている。
本書では、昨今の経済危機の残骸から、より社会的に公平で持続可能な世界経済を構築するチャンスをどのようにつかむことができるのか、を明らかにする。
- 本の長さ494ページ
- 言語日本語
- 出版社東洋経済新報社
- 発売日2017/9/22
- ISBN-104492315039
- ISBN-13978-4492315033
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
商品の説明
著者について
ポール・メイソン
ジャーナリスト兼ブロードキャスター
英国のジャーナリスト兼ブロードキャスター。優れたジャーナリストに贈られる「ウィンコット賞」など数々の賞を受賞。英TV局チャンネル4の経済担当編集者を経てフリーランスに転身した。主な著書にMeltdown: The End of the Age of GreedやWhy It’s Kicking Off Everywhere: The New Global Revolutionsほか多数。ガーディアン紙やニュー・ステーツマン誌などにも執筆している。
佐々 とも(ササ トモ)
翻訳者
翻訳者、ライター。環境、経済、エネルギーなどの分野で翻訳や執筆を手がける。幸せ経済社会研究所(http://ishes.org)ほかへの寄稿多数。
ジャーナリスト兼ブロードキャスター
英国のジャーナリスト兼ブロードキャスター。優れたジャーナリストに贈られる「ウィンコット賞」など数々の賞を受賞。英TV局チャンネル4の経済担当編集者を経てフリーランスに転身した。主な著書にMeltdown: The End of the Age of GreedやWhy It’s Kicking Off Everywhere: The New Global Revolutionsほか多数。ガーディアン紙やニュー・ステーツマン誌などにも執筆している。
佐々 とも(ササ トモ)
翻訳者
翻訳者、ライター。環境、経済、エネルギーなどの分野で翻訳や執筆を手がける。幸せ経済社会研究所(http://ishes.org)ほかへの寄稿多数。
登録情報
- 出版社 : 東洋経済新報社 (2017/9/22)
- 発売日 : 2017/9/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 494ページ
- ISBN-10 : 4492315039
- ISBN-13 : 978-4492315033
- Amazon 売れ筋ランキング: - 245,931位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 37位経済事情(一般)関連書籍
- - 5,892位ビジネス実用本
- - 9,587位投資・金融・会社経営 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
5つ星のうち3.4
星5つ中の3.4
20 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年12月17日に日本でレビュー済み
違反を報告する
Amazonで購入
左派ジャーナリスト?の経済分析と大胆な提言です。
役に立った
ベスト500レビュアー
本書で著者が述べたかったことを、要約してみます。
資本主義はその動きを人間の技術ではコントロールできない、複雑なシステム
である。
資本主義は、自身の生存本能で自発的に学習し、絶えず適応しながら成長し、
そしていつか死んでいく生き物のようなシステムでもある。
資本主義の最も基本になる生存本能は、技術的変化を駆り立てることだ。
しかしながら、その資本主義の適応能力が限界に達している現在、もはや
自ら駆り立てた技術的変化に適応できなくなりつつある。
資本主義は、形をどのように変化させたとしても、もはや技術的変化とは
共存することは不可能なライフサイクルに入っている。
技術的変化を利用できる適応行動と組織を持った、新しい「ポスト資本主義」
が必要となる理由だ。
現在の資本主義における主な矛盾は、
財が「無料で」社会的に潤沢に作られる可能性がでてきたことによって、
独占企業と銀行と政府というシステム間で権力と情報の統制・維持をめぐって
奪い合いの争いが起きているところに存在している
と著者は考えます。
「製品のコストがゼロ」で所有権が弱いという性質を持つ情報基盤の経済は、
資本主義経済であるはずがない、といいます。
資本主義を特徴づける人間活動である「労働」は今日、搾取と抵抗という
人間活動のどちらに対しても重要性を失いつつある、ともいいます。
「情報技術は生産から労働を追い出し、価格メカニズムを破壊し、
非市場への変換を促進している。最終的には、労働と価値のつながりを
壊すことになるだろう」(303頁)と予言もしています。
著者は「現在の経済で最も面白い」のは「無料のもの」(382頁)だといいます。
「世界中の国が完全に急成長するときに何かが起こるはずだ。
それを引き起こすのがポスト資本主義であり、これが始まりの段階となる」
(467頁)
この本は、ネットワーク時代の革命的予言の書となるかもしれません。
資本主義はその動きを人間の技術ではコントロールできない、複雑なシステム
である。
資本主義は、自身の生存本能で自発的に学習し、絶えず適応しながら成長し、
そしていつか死んでいく生き物のようなシステムでもある。
資本主義の最も基本になる生存本能は、技術的変化を駆り立てることだ。
しかしながら、その資本主義の適応能力が限界に達している現在、もはや
自ら駆り立てた技術的変化に適応できなくなりつつある。
資本主義は、形をどのように変化させたとしても、もはや技術的変化とは
共存することは不可能なライフサイクルに入っている。
技術的変化を利用できる適応行動と組織を持った、新しい「ポスト資本主義」
が必要となる理由だ。
現在の資本主義における主な矛盾は、
財が「無料で」社会的に潤沢に作られる可能性がでてきたことによって、
独占企業と銀行と政府というシステム間で権力と情報の統制・維持をめぐって
奪い合いの争いが起きているところに存在している
と著者は考えます。
「製品のコストがゼロ」で所有権が弱いという性質を持つ情報基盤の経済は、
資本主義経済であるはずがない、といいます。
資本主義を特徴づける人間活動である「労働」は今日、搾取と抵抗という
人間活動のどちらに対しても重要性を失いつつある、ともいいます。
「情報技術は生産から労働を追い出し、価格メカニズムを破壊し、
非市場への変換を促進している。最終的には、労働と価値のつながりを
壊すことになるだろう」(303頁)と予言もしています。
著者は「現在の経済で最も面白い」のは「無料のもの」(382頁)だといいます。
「世界中の国が完全に急成長するときに何かが起こるはずだ。
それを引き起こすのがポスト資本主義であり、これが始まりの段階となる」
(467頁)
この本は、ネットワーク時代の革命的予言の書となるかもしれません。
2017年11月2日に日本でレビュー済み
一例をあげます。「草木の裏に蝶が整然と並んで静止している」(264頁)という訳文があります。原書ではこうなっています。
"a neat row of butterflies pinned under glass"
明らかに標本箱のガラスの下に並んだ蝶の標本を言っているのですが、訳文ではそれが草木の裏の生きた蝶になっているのです。'glass' と'grass' の読み間違い、 英文和訳の授業で使えそうです。
この本で展開されたメイソンの問題提起の重要性を考えると、あまりに残念な訳です。すでに買われた方は、原書(訳本より安い)を入手し、脇において読むことをお勧めします(結構笑えます)。
"a neat row of butterflies pinned under glass"
明らかに標本箱のガラスの下に並んだ蝶の標本を言っているのですが、訳文ではそれが草木の裏の生きた蝶になっているのです。'glass' と'grass' の読み間違い、 英文和訳の授業で使えそうです。
この本で展開されたメイソンの問題提起の重要性を考えると、あまりに残念な訳です。すでに買われた方は、原書(訳本より安い)を入手し、脇において読むことをお勧めします(結構笑えます)。
2020年2月1日に日本でレビュー済み
コンドラチェフの第五の波は情報革命である。本来情報は伝達され、拡散されることで役割をなすものであり独占や占有を旨とする資本主義的生産様式と対立する。ゆえにネットワーク革命が十全にその効力を発揮するなら資本主義は解体され新たな生産様式が生み出されるだろう。かかる議論はインターネットが未だフロンティアと呼べた頃、ナップスターやwinMXが誕生した折にも言われたものだが、GAFAがプラットホームを占有しサービス提供の場と化した現在、やや遅きに失した論に思えなくもないが、まあそこは良いとする。問題は「本書の主張は右派、左派分け隔てなく幅広い読者層を得るだろう」ジュリアンテッド/「さまざまなポスト○○論が去った後、唯一本物のポスト論である「ポスト資本主義」と恐れることなく向き合った。」スラヴォイジジェク などと謳っている割には未来論の皮を被ったマルキストの弁論となっている点だろう。普通上記の意味で未来論(コンドラチェフ第五の波)を描くとするなら3/1はこれまでの四波の説明、3/1は新たな波の詳述、3/1は政府や個人が何をすべきかの指針となるはずだ。ところがこの本だと4/1はマルクスの恐慌論(利潤頓減で早晩滅んでいたはずの資本主義がなぜ現に繁栄してるのかのマルキストの言い訳)4/1は労働価値説はやはり正しかったとする論に宛がっているのには驚かされる。
勿論これらの章に見るべき要素がないわけでない。マルクスのこれまでの定説が覆るような読みもあった。従来のマルクス主義の解釈だと有効需要不足からくる不況という概念はない。セイの理論に基づき商品は必ず売れる。よって等価労働価値説(商品による商品の交換)が成立しその決まった価値量をめぐって資本家と労働者が分捕り合戦を行う、こういう理論だと思われていた。ところがこの本によれば「成熟した資本主義の利潤は平均に集中する傾向がある。互いに野蛮に競い合っても実際には各部門や経済全体で平均利潤率が生みだされるのでそれに対して価格を設定し、業績を評価している。(略)利潤の究極の源が労働である。仕事の場の不公平な力関係によっ雇用者を強要してもたらされるのが剰余価値だ。」と説明する。この説明だと市場の失敗(有効需要が不足)は平均の誤差になってしまう。ではどこで恐慌が発生する余地があるのかというと機械化によって労働量が減ることによってだという。勿論、機械も労働の産物だ。だが資本減耗率が労働者に比べて長く、しかも一機械あたりの産出量が労働者よりも圧倒的に多いなら、結果として生産物に含まれる労働量が減ることになる。マルクス的恐慌論だと労働量が減ったから需要が減るとケィンズ経済学とは逆の説明をする。(マルクスの議論が転倒しているのはよくあるパターンである。彼は結果と原因を常に逆転して論ずる)見てわかる通り、これはデフレ不況が長引く原因としてよく使われる論理でこれと相性がいい。つまりマルクスの議論では貨幣退蔵という発想はしないわけだ。(「商品は貨幣に変わらないといけないが貨幣にはその必要がない」と書いているにも関わらず、貨幣の特権性という考えがない)
そして労働価値説についての弁論、奇妙なことに経済のネットワーク化に伴って商品の限界生産費はどんどん安くなると考えているのに労働価値説は有効だという。そして限界革命を限界生産費の議論と不当に矮小化したうえでレオンワルラスに不当な攻撃を行っている。(ワルラスの議論は限界消費性向の議論でモノ余りの時代と相性がいい。それにワルラスが貨幣の話を一般交換理論に盛り込むのは最後の方になってからで商品の価格が0でもあっても成立できる理論構成になっている。さらに言うとワルラスの一般交換理論は本来社会主義経済を説明する理論として構成されている。)
ではこの書の要である処方箋部分はどうか、ここで問題になってくるのはマルキストによくある理想的組織と国家統制の二本の柱構成が随所に見えることだ。(「全ての権力をソビエトへ」と言いながら実際は国家を牛耳った党が官僚統制する)前半であれほど共産主義下での大量殺戮と思想統制を挙げているにもかかわらず、AIとITが十分発達した社会では社会主義経済計算論争で問題となった完全情報に基づく需要把握、生産管理が可能なのでそれにより炭素削減が可能である(サイバースターリン主義)をこと挙げたり、それとピアプロダクションとが同時に成立するという提案はどうだろう?個人の活動は必ずしも金銭の報酬のために行われるものでないし、人が生きる上で必要な金銭の問題と生きがいとして活動の問題を切り離すのはありだと自分も思う。ただ、サイバースターリン主義下のピアプロダクションは限りなく奴隷労働に近づくと思うがどうだろう?自分から見るとGAFAは営利企業だから問題で国有化は公共のためだから正しいという発想はない。どちら過ぎた官僚機構でないだろうか?ただ、投資の流れを現在の投機的なものから産業や公共性を基準としたものへ転換すべきだという論は賛成したい。ただそれは国有化という方法でないと自分は思う。
勿論これらの章に見るべき要素がないわけでない。マルクスのこれまでの定説が覆るような読みもあった。従来のマルクス主義の解釈だと有効需要不足からくる不況という概念はない。セイの理論に基づき商品は必ず売れる。よって等価労働価値説(商品による商品の交換)が成立しその決まった価値量をめぐって資本家と労働者が分捕り合戦を行う、こういう理論だと思われていた。ところがこの本によれば「成熟した資本主義の利潤は平均に集中する傾向がある。互いに野蛮に競い合っても実際には各部門や経済全体で平均利潤率が生みだされるのでそれに対して価格を設定し、業績を評価している。(略)利潤の究極の源が労働である。仕事の場の不公平な力関係によっ雇用者を強要してもたらされるのが剰余価値だ。」と説明する。この説明だと市場の失敗(有効需要が不足)は平均の誤差になってしまう。ではどこで恐慌が発生する余地があるのかというと機械化によって労働量が減ることによってだという。勿論、機械も労働の産物だ。だが資本減耗率が労働者に比べて長く、しかも一機械あたりの産出量が労働者よりも圧倒的に多いなら、結果として生産物に含まれる労働量が減ることになる。マルクス的恐慌論だと労働量が減ったから需要が減るとケィンズ経済学とは逆の説明をする。(マルクスの議論が転倒しているのはよくあるパターンである。彼は結果と原因を常に逆転して論ずる)見てわかる通り、これはデフレ不況が長引く原因としてよく使われる論理でこれと相性がいい。つまりマルクスの議論では貨幣退蔵という発想はしないわけだ。(「商品は貨幣に変わらないといけないが貨幣にはその必要がない」と書いているにも関わらず、貨幣の特権性という考えがない)
そして労働価値説についての弁論、奇妙なことに経済のネットワーク化に伴って商品の限界生産費はどんどん安くなると考えているのに労働価値説は有効だという。そして限界革命を限界生産費の議論と不当に矮小化したうえでレオンワルラスに不当な攻撃を行っている。(ワルラスの議論は限界消費性向の議論でモノ余りの時代と相性がいい。それにワルラスが貨幣の話を一般交換理論に盛り込むのは最後の方になってからで商品の価格が0でもあっても成立できる理論構成になっている。さらに言うとワルラスの一般交換理論は本来社会主義経済を説明する理論として構成されている。)
ではこの書の要である処方箋部分はどうか、ここで問題になってくるのはマルキストによくある理想的組織と国家統制の二本の柱構成が随所に見えることだ。(「全ての権力をソビエトへ」と言いながら実際は国家を牛耳った党が官僚統制する)前半であれほど共産主義下での大量殺戮と思想統制を挙げているにもかかわらず、AIとITが十分発達した社会では社会主義経済計算論争で問題となった完全情報に基づく需要把握、生産管理が可能なのでそれにより炭素削減が可能である(サイバースターリン主義)をこと挙げたり、それとピアプロダクションとが同時に成立するという提案はどうだろう?個人の活動は必ずしも金銭の報酬のために行われるものでないし、人が生きる上で必要な金銭の問題と生きがいとして活動の問題を切り離すのはありだと自分も思う。ただ、サイバースターリン主義下のピアプロダクションは限りなく奴隷労働に近づくと思うがどうだろう?自分から見るとGAFAは営利企業だから問題で国有化は公共のためだから正しいという発想はない。どちら過ぎた官僚機構でないだろうか?ただ、投資の流れを現在の投機的なものから産業や公共性を基準としたものへ転換すべきだという論は賛成したい。ただそれは国有化という方法でないと自分は思う。









