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カスタマーレビュー

5つ星のうち4.7
39
ペリリュー・沖縄戦記 (講談社学術文庫)
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VINEメンバー2017年8月15日
今月に入り、特に「8月」ということは意識もせずDVDで『ザ・パシフィック』を観て、その余りの迫力と数々の挿話のインパクトに圧倒され、原作本の一である本書(前から買ってあったのに積ん読状態であった)を本格的に読み始め読了。噂に違わぬ名著(といってもいいでしょう)でした。具体的な戦闘状況や戦友・民間人の死や精神錯乱、をはじめとする「戦記」部分はもちろんのこと、著者の深い内省(自省)を経て到達した戦争を見つめる境地や結論、そして(言葉はよくないものの)自らの自叙伝あるいは成長譚としても読める複奏性など、非常に懐の深い一書で、二日で読み上げました。おそらく戦闘シーンの激しさや惨さは本書からだけでは伝わらないように思いますので、読むのであれば『ザ・パシフィック』のペリリュー編(全3話)と沖縄編(全1話)を観てからの方が、理解や感興も間違いなく倍加するかと思います。

「つまり上官たちの計算はこうだ。おれたちを気が触れんばかりの状態にしておけば、敵前上陸したとき、日本兵相手に鬱憤を晴らすだろうとな。ガダルカナルの前もグロスターの前も同じだった。後方部隊の連中にはこんないじめはしない。連中はおれたちを残忍な気分にさせ、爆発寸前で、悪意に満ちた状態にしておきたいのさ。これはおれがつかんだ内部情報だから間違いない。おれの経験から言っても、作戦の前はかならずこうなるんだ」(68頁)
「人間の苦しみを少しでも癒すために脳の神秘に挑みたいと、オズワルトは脳外科医を志していた。その明晰な頭脳が、ちっぽけな金属の塊によって無残にも破壊されてしまったのだ。こんな無駄があっていいものか。国民の最も優秀な人材を台なしにしてしまうとは。組織的な狂気とも言うべき戦争は、何と矛盾した企てだろうか。」(132頁)
「ヒルビリーは教えてくれた-恐怖心は誰の心にも巣食っていること、そして勇気とは怖がらないことではなく、その恐怖心を克服して任務を果たすことであると。」(142頁)
「戦闘の深淵から這い出し、シー・ランナー号の手すりを乗り越えながら、思い知ったことがある。他者の苦しみに共感する力は、その力を持つ者にとって重荷になる。・・・ 他者のために深く感じる者こそ、戦争にあってもっとも苦しむのだ。」(248頁)
「たいていの兵士はなぜか自分だけは死なないと思っている」(358頁)
「首里を前にしたここハーフムーンでは、泥と豪雨のなか、ウジ虫と腐りゆく死体に囲まれている。兵士たちがもがき苦しみ、戦い、血を流しているこの戦場は、あまりに下劣であまりに卑しく、地獄の汚物のなかに放り込まれたとしか思えなかった。」(381頁)
「あんなに帰国を望んでいた戦友が、海外戦線にふたたび志願することを考えているなどと書いてよこす気がしれなかった(実際、何人かはほんとうに志願した)。戦争にはうんざりしていても、ふつうの社会生活や安楽な国内の軍務に順応することのほうがむずかしかったのだ。その気持ちがようやく納得できるようになったのは、自分たちも帰国してからのことだった。この国には欠点があると言っては、やれコーヒーがぬるいの、駅やバス停で並んで待たされるのが許せないのと、つまらないことに不平を並べたてる人間がいかに多いことだろう。」(403頁)
「自分たちと戦争を知らない人々のあいだには永遠の溝がある、われわれにはそう思えた。」(同頁)
「あいつは立派な海兵隊員だ、スレッジハンマー。そうじゃないやつがいたら、誰だろうとただじゃすまさん。ただ、限界を超えたんだ。そういうことだ。限界を超えてしまったんだよ」(447頁)
「戦争は野蛮で、下劣で、恐るべき無駄である。戦闘は、それに耐えることを余儀なくされた人間に、ぬぐいがたい傷跡を残す。そんな苦難を少しでも埋め合わせてくれるものがあったとすれば、戦友たちの信じがたい勇敢さとお互いに対する献身的な姿勢、それだけだ。海兵隊の訓練は私たちに、効果的に敵を殺し自分は生き延びよと教えた。だが同時に、互いに忠誠を尽くすこと、友愛をはぐぐむことも教えてくれた。そんな団結心がわれわれの支えだったのだ。やがて「至福の千年紀」が訪れれば、強国が他国を奴隷化することもなくなるだろう。しかしそれまでは、自己の責任を受け入れ、母国のために進んで犠牲を払うことも必要となる-私の戦友のように。われわれはよくこう言ったものだ。「住むに値する良い国ならば、その国を守るために戦う価値がある」。特権は責任を伴う、ということだ。」(466~7頁)
「本書は、一人の学徒がどのようにして兵士となっていくのか、兵士とはどういう感情に支配されるのか、さらには自らの精神のバランスをどこで保とうとしているのか、そのことを丹念に明かしている。」(474頁、保坂正康氏解説)
「日本軍の将校、下士官、兵士からこのような内省的な作品が書かれなかったことに、私は改めて複雑な思いをもったのである。」(476頁、同上)

思えば、ジョージア工科大学を「一学期が終わると成績不良で退学処分とな」った(16頁)著者が、戦争経験を経て大学の生物学教授(アラバマ州モンテヴァロ大学)になったという人生の歩みにおけるある意味「落差」そのもののなかに、著者の激しい回心(人間転換)とこの世に生きるものへの畏敬が繁栄されているものと推察します。(『ザ・パシフィック』のラスト・シーンにも繋がってくる。)なお、『ザ・パシフィック』の中に登場するもう一人の主人公であるロバート・レッキーにも『南太平洋戦記-ガダルカナルからペリリューヘ』(原題: Helmet for My Pillow、中央公論新社刊、2014年)という著作のあることを知りました。こちらも読んでみようと思います。
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2016年11月27日
アメリカも多くの命と血を犠牲して死闘をくぐり抜けて勝ち取った戦さだったことが、美談無しに語られた戦記大作。敵軍(ニップ)は、祖国日本や故郷の家族や景色を想いながら闘った我々の先祖の方々。太平洋戦争や戦争そのものに対するいかなる評価を超越し、このような死闘を知ると、直ぐにでも靖国神社にお参りしたくなる衝動に駆られるのは私だけだろうか。
読んだ人がどの様に感じようが、真実を知る為に一人でも多くの老若男女に読んで欲しい貴重です一冊。
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2016年2月29日
戦争とはこんな事で戦争の最前線に行ってない人には多分理解できない事なのだと(読者も含めて)思います。祖父に良くトラック諸島での出来事を聞いたのを思い出します。
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2014年5月5日
1.まず何と言っても、著者の記述が非常に詳細かつ具体的な点が評価される。著書からは自らの体を敵の銃弾がかすめたり、砲弾の爆風で吹き飛ばされそうになったり、戦死した遺体の腐臭をかいだり、といった臨場感をたっぷり味わうことになる。
 天気や温度、音や匂い、著者や戦友の息遣い等戦場を疑似体験できる程の迫力に圧倒されずにいられない。
2.戦いの大義名分・イデオロギーや武士道、騎士道といった観念論や行動規範のようなことについてはほとんどふれられていない。これは著者が最前線で戦う海兵隊員であって、政治家や軍の高官ではないということにもよるのだろう。何より著者は共に戦う部隊の尊敬できる上官や戦友との信頼や友情を心の支えとしていたようである。
 同じ頃、東部戦線(対ソ連)で戦う多くのドイツ兵もヒトラーやナチスの教義のために戦うのではなく、何より戦友のために戦っていたそうだ。最前線の兵士の心情はどこでも同じなのだなと興味深く思った次第である。
 また、大義名分・イデオロギー等に深く立ち入らないことで、結果的に文章全体が押しつけがましかったり説教臭くなったりしていないことは、多くの読者に支持されやすい一因かもしれない。
3.沖縄戦について言えば、一般に日本軍の人的損害は米軍の数倍、多くの沖縄県民も犠牲になった反面、米軍は常套手段の圧倒的物量作戦で(あまり苦労せずに)勝つべくして勝ったという、いわゆる「鉄の暴風」に基づくイメージがあると思う。
 確かに、米軍は勝利したが、この著書を読めば決して楽勝というわけではなかったことが理解できる。それは、米軍全体の人的物的損害を数値化したものからではなく、著者のような最前線の米兵の体験談として語られることで鮮明になったと言ってよい。
 例えば、「14〜15日も(水浸しの)軍用ブーツを脱いで靴下を替えることのできない不潔さや苦痛」(p400〜401)、シャベルで穴を掘ると「…(シャベルの)刃先は腐った(日本兵の死体の)下腹部にずぼっとめりこんでいた。ものすごい腐臭に圧倒され、ふらふらとあとずさった。…」(p418)といった記述を読めば、個々の兵士が何もかも放り出して逃げ出したいような艱難辛苦を克服することなしに米軍の勝利はなかったことがわかると思う(注・米軍の肩をもつわけではない。戦争とは、敗者だけではなく勝者にとっても辛いものだということ。念のため)。
4.「殺さなければ殺される」という過酷な状況下で著者も日本兵を殺すことを何とも思わなくなっていく。これは戦場という非日常的環境下では自ら生き残るためにやむを得ないことだろう。
 しかし、著者は米兵の死体に猟奇的なふるまいをした日本兵に怒りや憎しみを感じる(p233〜234)と同時に日本兵の死体の口に放尿する上官を嫌い、軽蔑する気持ちも持ち合わせており(p308)、日本軍なら全て×、米軍なら全て○といった軽薄さや単純さはない。
 この点は、著者が知性・品性を具備した人物であることによるだろうが、そのことがこの著書を単に血生臭いだけの事実を羅列するだけのものではなく、時にユーモアあふれる事例なども引き合いに出すなど内容に深みと面白味を出す理由になっており、ひいては読者に最後まで読ませる原因になっていると思われる(読後感も決して悪くない)。
5.最後にこの著書は以上の点から戦記として価値の高いものと評価できる。この著書の価値は著者の文章力の高さがベースになっていることはもちろんだが、日本語の文章として違和感なくこなれていて、自然で読みやすい。
 「われわれは、…うつろな目をして、『つくねん』と座り続けた」(p199)といった表現もあり、大柄な米兵が体を縮めてぼんやり座っている様が想像でき、一瞬微笑ましい気分になった。訳者の力量も評価したい。
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2017年5月5日
レビューの中には圧倒的優位にある、アメリカ軍は、などのかんそうもあったが、米軍もかなりの死傷者がでていた。

「私はまた、つい先刻、遺体となって海から引き上げられた日本兵のことにも思いを馳せていた。あの日本兵も、さまざまな希望や志を抱いていたことだろう。しかし、荒々しい戦闘の渦中にあるわれわれは敵兵に哀れみを抱くことはなかった。パウブ島で訓練中、撃たれた日本兵をかわいそうに思いますかと、新兵が下士官に聞いたことがある。下士官は答えた―「馬鹿を言うな!やるかやられるかたんだぞ!」

「そうたな。どっかの見えっ張りの士官がもうひとつメダルでも欲しいんだろうよ。おれたち歩兵はそのために戦場で倒れるんだ。士官が勲章をもらって国へ帰って、大いに英雄扱いされる。英雄なんで馬鹿馬鹿しいにもほどがある。部下の兵士を殺されておいて、どこが英雄なんだ。」

「非戦闘員や戦闘の周辺の周辺にいる者にとっては、戦争とはひたすら退屈なもの、あるいはときに気分の高揚するものに過ぎない。しかし、人肉粉砕機に放り込まれた者にとって戦争は恐怖の地獄であり、死傷者が増え、戦いが延々と長引くにつれて、二度とここからは逃れられないと言う思いが募る。時間は意味をもたない。命は意味をもたない。ペリリュー島と言う地獄の深淵で、生き延びるための激戦を続けていると、文明という薄皮が朽ち果てて、誰もが野蛮人になる。われわれは後方にいる人々―非戦闘部隊や民間人―には全く理解出来ない状況に生きていた。」 

著者は帰還後PTSDに苦しんだ。その後生物学に没頭出来るようになった。

敵味方を問わず、戦場の本質を垣間見るようだった。
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2011年4月19日
はじめは海兵隊のブートキャンプから始まり、訓練の意味や兵士の感情を、まるで自分がそこにいるかのように描いているので、読み始めからぐっと本の中に引き込まれる。初めての戦場で経験する仲間の死、上官のリーダーシップ観(バンドオブブラザーズのウィンターズ中尉みたいな感じの士官や、リーダーに値しない士官も一般兵の視点から評価されている。)、敵にたいする感情の変化なども刻々と描かれており、単に戦闘の描写にとどまらない。また、ちまたでは日本兵だけが残虐な行為を行っていたような情報ばかりだが、アメリカ兵も結構日本兵や住民に対して同じような行為をしていたことが正直に語られており、戦場における狂気は人間だれでも同じだということを感じさせる。また、太平洋戦線ではアメリカ軍が圧倒的な戦いを進めていたような感じだったが、兵士個人レベルでみると日本兵は精強で、あなどれない存在だったということがわかる(敗戦のせめてもの慰め・・・)。この本から読みとれることは、とにかく戦争は、個人レベルでみれば機械を使った人間同士の、憎しみが憎しみを生む理由のない果てしない殺し合いであること。「バンドオブブラザーズ」や「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」「プライベートライアン」などDVDを観る前にぜひ一読してほしい一冊である。戦争映画の見方も違ってくると思う。
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2013年4月8日
衛星放送番組の原作なので、興味があり読みました。
読む人の想像力もあるかもしれませんが、私は、TV番組よりこちらのほうが現場の方々の体験された事がストレートに伝わるように感じます。
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2014年9月15日
NHKスペシャルを見てこの本を買った。NHKの映像は、戦闘を美化することも話を盛ることも許さない圧倒的な現実を見せつけた。その映像が第三者的な視点なのに対し、この作品は兵士本人の言葉で語られる。映像で得たインパクトの隙間を更に信じがたいほどの現実できっちりと埋めていく印象。

沖縄戦は米軍の圧倒的な戦力で日本軍が壊滅したと言われる。しかし、圧倒的な戦力を持つ戦勝国といえど前線の兵士は敗戦国の兵士と変わらぬ恐怖と狂気の中に居る。『西部戦線異状なし』を彷彿とさせる文章で、いつの戦争でも勝とうが負けようが「戦争は野蛮で、下劣で、恐るべき無駄」なのだと心から思った。
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2012年6月8日
熱帯のペリリューでは、極限の渇きと恐怖にさらされながらも何とか生き延びた著者。
亜熱帯の沖縄でもシュガーローフなどで厳しい戦いに巻き込まれながら、沖縄戦の勝利に貢献する。

印象に残ったのは沖縄戦終結後、やっと帰れると思った矢先に

「荷物をまとめて、武器を点検しろ。散兵線を強いて北へ戻っていく。
 まだ降伏していないニップが一人でもいないか、しらみつぶしに調べていくんだ。
 敵の死体は全部埋めていく。
 日米両軍の装備類は回収する。50口径以上の薬莢も、すべて回収して、きちんと整理する。
 出発の用意をせよ。以上」

と最後の仕事を上官に命令される場面。

不発弾や人骨がいまだに街中や住宅地で見つかる沖縄の歴史の1ページを知ることとなった。
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2012年2月16日
戦争の体験は伝わりづらいものです。小説を読んでも映画を見ても、臭いや温度まで伝わってくる作品は少ない中、この本は米海兵隊の一兵士が体験した事実だけを淡々と正確に伝えています。ペリリュー島で死んだ日本兵から金歯を抜く米兵。逆に死んだ米兵の死体にいたずらする日本兵。どっちが正義でどっちが悪か、そんなくだらない評価が意味をなさないほど、戦争の地獄を思い知らされます。梅雨の沖縄の泥の中で這いずり回る両軍。腐った死体ごとシャベルで塹壕を掘らされ、殺してくれと頼む老婆を撃ち殺す米兵。勇ましい戦闘シーンだけを再現した戦争小説など、もう読めなくなります。
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