現代日本のクラシック音楽の分野には、多くの音楽大学で教育を受けた人や耳のこえた分厚いファン層がいる。評者はその末席にも及ばないのだが、クラシック音楽ではベートヴェンの作品が好きだ。交響曲はもちろんだが、弦楽4重奏曲は全集を買って聴いたこともある。ただし、演奏の良し悪しを聞き分けるほどには多くの演奏を聞き込んでもいないし、聞いたことのない曲も多い。だが、生誕250年でもあり、素人の参加も歓迎されるのだろう、と考えたい。
ベートーヴェンは、音楽を貴族からの注文で作曲し演奏されるその場限りのものから芸術に変えた。彼の手紙によれば、芸術を目指す意思は明確だ。その背景には市民階級の勃興があった。彼の生きた時代は、日本では寛政から文化文政期に当たる。聴覚障碍に加えて、56歳で死亡した際には、肝硬変が進んでいたらしいし、生涯腸の不調に悩まされていたらしい。毎日ワインを1本飲んでいたらそうもなるだろう。部屋は片付けられず尋常でなく荒れ放題で、結婚はしたかったと手紙にあるが独身を通した。貴族の令嬢ばかり好きになり、身分違いを乗り越えられなかったからだ。例の永遠の恋人は架空の話と思っていたが、誰であるかは特定されているとある。性格は難しいものだったらしいし、いわゆる芸術家のイメージを形作った何人かの一人だろう。その性格には遺伝的なものもあったと思うが、アルコール依存症でかつ才能に乏しい音楽家であった父親による、子供の頃の無理無体な音楽教育にも求められるのではないか。
なお著者は、89歳である。その年で著作をものすることができる健康状態は素晴らしいことで、是非あやかりたいものだ。
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ベートーヴェン 音楽の革命はいかに成し遂げられたか (文春新書) Kindle版
不世出の巨匠の人生と作品の凄みとは
生誕250周年――他の音楽家の創作意欲を失わせるほど、すべてのジャンルにおいて史上最高の傑作を作り上げた、その偉業を振り返る
生誕250周年――他の音楽家の創作意欲を失わせるほど、すべてのジャンルにおいて史上最高の傑作を作り上げた、その偉業を振り返る
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2020/11/20
- ファイルサイズ33917 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
クラシック音楽の世界には、「常人では達成不可能」な偉業を成し遂げた巨匠が何人かいる。その一人であるベートーヴェンは、どのジャンルにおいても史上最高の傑作を生み出してきた。生誕250周年を機に、この不世出の人物の生涯と芸術作品の特徴を紐解く。 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
中野/雄
1931年、長野県松本市生まれ。音楽プロデューサー。東京大学法学部卒業。日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)を経て、オーディオ・メーカーのトリオ(現・ケンウッド)役員に就任、代表取締役、ケンウッドU.S.A.会長を務めた。昭和音楽大学・津田塾大学の講師、映像企業アマナなどの役員も歴任。ピアニスト宮沢明子を起用して、日本初の『モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集』を企画制作(1973年)。「ウィーン・モーツァルト協会賞」など、内外で受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
1931年、長野県松本市生まれ。音楽プロデューサー。東京大学法学部卒業。日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)を経て、オーディオ・メーカーのトリオ(現・ケンウッド)役員に就任、代表取締役、ケンウッドU.S.A.会長を務めた。昭和音楽大学・津田塾大学の講師、映像企業アマナなどの役員も歴任。ピアニスト宮沢明子を起用して、日本初の『モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集』を企画制作(1973年)。「ウィーン・モーツァルト協会賞」など、内外で受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B08NPKC8VV
- 出版社 : 文藝春秋 (2020/11/20)
- 発売日 : 2020/11/20
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 33917 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効にされていません
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 238ページ
- Amazon 売れ筋ランキング: - 200,909位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
- - 773位文春新書
- - 1,136位音楽 (Kindleストア)
- - 9,570位歴史・地理 (Kindleストア)
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作品の背景として、楽聖の生活や社会状況が紹介され、芸術家ベートーベンをより立体的に理解できた。
ベスト100レビュアー
今年はベートヴェン生誕250周年という事で、数々の企画が催されています。
またベートヴェンに関する出版物もかなりの数に上ります。
本書もそうした流れの中で企画されたものと思いますが、
ベートヴェンの生涯を簡潔に紹介すると同時に、
彼の功績、そして、作られた様々な作品を紹介するものになっています。
ともかくベートーヴェンは、クラシック音楽界に燦然とそびえる偉大な存在で、
後世の音楽家は、大なり小なり彼の影響を受けているといって過言ではないと思います。
ベーとベンの活動は、初期、中期、後期に分けられますが、
ピアノソナタ、交響曲、ピアの協奏曲、弦楽四重奏の概念を確立させ、
ともかく飛び切りの作品ぞろいで、
クラシックの音楽家は、ベートーヴェンの作品なしでは、生活が成り立たないのではと思います。
唯一、成功していないのは、やはり生真面目な性格のためなのか、オペラではないでしょうか!
また、ベートヴェンの時代は、経済的に潤った民衆が力を持ち始め、
貴族から、一般民衆に音楽が広まった時期、
さらに、ピアノなど楽器に進歩が著しい時期でもあったことも、
ベートヴェンにとって幸運だったのではないでしょうか。
なお、巻末に映像で鑑賞するベートヴェンのリストがついています。
CD,アナログに関しては、関連書が沢山出ていますので、それらを参照するといいのではないでしょうか!
またベートヴェンに関する出版物もかなりの数に上ります。
本書もそうした流れの中で企画されたものと思いますが、
ベートヴェンの生涯を簡潔に紹介すると同時に、
彼の功績、そして、作られた様々な作品を紹介するものになっています。
ともかくベートーヴェンは、クラシック音楽界に燦然とそびえる偉大な存在で、
後世の音楽家は、大なり小なり彼の影響を受けているといって過言ではないと思います。
ベーとベンの活動は、初期、中期、後期に分けられますが、
ピアノソナタ、交響曲、ピアの協奏曲、弦楽四重奏の概念を確立させ、
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クラシックの音楽家は、ベートーヴェンの作品なしでは、生活が成り立たないのではと思います。
唯一、成功していないのは、やはり生真面目な性格のためなのか、オペラではないでしょうか!
また、ベートヴェンの時代は、経済的に潤った民衆が力を持ち始め、
貴族から、一般民衆に音楽が広まった時期、
さらに、ピアノなど楽器に進歩が著しい時期でもあったことも、
ベートヴェンにとって幸運だったのではないでしょうか。
なお、巻末に映像で鑑賞するベートヴェンのリストがついています。
CD,アナログに関しては、関連書が沢山出ていますので、それらを参照するといいのではないでしょうか!





