最初に断っておきますが、素晴らしいベイズ統計の入門書 (でも分厚い洋書) が日本語で読めるのはとてもありがたいことです。翻訳された方々の労力には本当に敬意を払います。さらに断っておきますが、amazonの「翻訳が駄目」というレビューのほとんどは、自分が理解できないのを翻訳のせいにしているだけで、翻訳者がお気の毒だと思います。翻訳調の訳文自体は悪くないと思います。
でも、本書の一部に関しては本当に翻訳あるいは校正が酷いです。例えばp.100で、コイン投げの表が出る確率を「p(表)」と書いた1行下で「p(H)」と書くなど、読解に無駄な労力が必要になります。誤訳ではないですが、表5.4 (p.107) では、行のヘッダに書いてあるシンボル (病気有り→ :) , 病気なし→ :( ) と、セル中のシンボル (病気有り→ :( , 病気なし→ :) と考えないとおかしい) で意味が逆になっており、混乱を招きます (原典は正しく表記されていました)。さらに細かいところをあげればキリがないですが、p.109の真ん中あたりで文章と次の式の関係が明示されていないところがあり、何かなと思って原典を見たら、"given the data: " と書いてあり、さすがにここを飛ばしたら意味わからないだろうというようなツッコミどころが頻繁に出てくる章があります。「何らかの」という意味の "some" を「いくつかの」と訳していて、これも混乱しました (p.101)。いくつもあったら困ると思う。。
それでも大半は、自分が不慣れな数学用語に四苦八苦しながら原典を読むより楽だと思います。でも原典 (第2版です。第1版とはかなり変わっています) は意味がわからないときのために必須かなという気がします。5章がかなり難物で苦労していてそこまでしか読めていませんが、以降の章はもっと良いと信じたいです。
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