例のごとく真っ赤っかの極彩色映画。
近年稀に見るクソ映画です。これはひどい。
頑張って最後まで見ましたが、最後は怒りが沸いてきました。
象徴的なのは麻田と部下が事件について話し合っているシーンです。
あれが蜷川実花の限界をよく表していると思います。
この人、映画撮れないんだなあとわかった。
麻田のシーンは何度か挿入されますが、最初はギャグかと思ったので、
「あ、もしかして本気でこれ作ってるのか」と気づいて薄ら寒い気持ちになりました。
視覚的愉悦という映画ジャンルはあってもいいと思います。
沢尻エリカは美しい。
それを愛でるのは、別段彼女のファンでない私でも楽しいだろうと思う。
蜷川実花が本懐とばかり一番力を入れたのはそこだろう。
なのに!!それすら見せ方が下手過ぎる。
雑誌の表紙やスチールの撮影風景を連続的にしつこく見せるんだけど、全然ダメ。快感がない。
繰り返しすぎだし挿入するポイントも間違っている。
こういうシーンはそれ自体は見飽きたものです。
例えば、『ドリームガールズ』のビヨンセの結婚後のシーン。
雑誌やポスターを飾るビヨンセ、その撮影風景のビヨンセを差し挟みながら、
彼女の成功を説明しつつその美しさをたっぷりと堪能させます。
『雨に唄えば』のbeautiful girlのファッションショーも、効果としては同じでしょう。
どうだとばかり観客の目を楽しませる。
沢尻エリカの美しさなら、それは十分可能です。
なのに、演出とテンポのまずさで台無しです。
あのシーンはある程度止め絵も必要だった。動かしすぎです。
あと、言っちゃ悪いけどスタイリングも悪い(笑)。
あんなに尺とってるのに不完全燃焼って、よっぽどです。
蜷川実花の映画で期待できるのはそこだけなのに、そこ失敗する!?
驚き呆れました。周囲にはイエスマンしかいないのかな。
蜷川実花の写真は好きではありませんが、ああいう世界観の需要はわかる。
でもあれじゃただの、沢尻エリカの無駄遣いだ。
オナニーはせめて写真でやってほしい。もう動画ではやるなとしか。