Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。

  • Apple
  • Android
  • Windows Phone
  • Android

無料アプリを入手するには、Eメールアドレスを入力してください。

Kindle 価格: ¥ 520
Kindle Unlimitedのロゴ
100万冊以上を読み放題でお読みいただけます。 詳細はこちら
読み放題で読む
または

これらのプロモーションはこの商品に適用されます:

Kindle または他の端末に配信

Kindle または他の端末に配信

[川上真理子]のプロメテウス達よ
Kindle App Ad

プロメテウス達よ Kindle版


その他()の形式およびエディションを表示する 他のフォーマットおよびエディションを非表示にする
Amazon 価格
新品 中古品
Kindle版
¥ 520

商品の説明

内容紹介

原子力開発に関して欧米で今までに発刊された書物は千冊を超えると言われる。その内訳は原子爆弾開発であるのか原子力発電であるのか、「千冊を超える」という漠然とした数字ではただ発刊された書物の数が多いというだけで何も掴むことができない。ただ、それらの書物の中で優れていると思われる数冊を読破し、それらの日本語訳がどれほど日本で読まれているかを調べてみて販売ランキングなどの数字にはがっかりさせられた。世界で唯一の被爆国であり、今や世界でトップクラスの原子力発電大国となり、そして世界でも有数の地震国として東北大地震に続く福島第一原子力発電所の未曾有の事故に直面して原子力に対する姿勢の是正を迫られている、その国の国民が原子力開発の過程に関して最初に努力した国々の人達と一般的な知識を共有しないでいてよいはずがない。

思えば欧米で今までに発刊された千冊を超える原子力関連の書物はそれぞれの著者が同じ言語を共有する人々に向け、同じ言語を共有する人々の疑問に答える形で出版されたものである。それらが日本語に翻訳されても日本で、日本語によって事の次第を知ろうとする人々の関心に応えることは難しいと思われる。また千冊という数はそれらから価値が薄いものを除いたとしても一人の人間が読みきれる数ではない。まして全部を翻訳することは不可能であり、無意味でもある。わたしはここにわたしの興味に任せて読んだ英語で書かれた関連書物の中で優れたものだけでも紹介し、かつその内容を誰にでも理解できるような物語に凝縮しようと試みたつもりである。

「前言」より
人類にとっての第二の火である原子力をもたらしたプロメテウス達は当然のことながらギリシア神話に登場するような神の眷属ではない。プロメテウス達の誰を取ってみても並外れた知力を持つという以外は他と変らない、感情を持ち、他者と交わり、限られた人生を生きた生身の人間である。その彼らは世界の果てに鎖でつながれることがなかったばかりか、彼らの中で第二の火をもたらすための着実な成果を収めた者はノーベル賞受賞などといった形で世界中から賞賛を受けた。しかし彼らが大胆にももたらした第二の火は人類全体に恩恵のみならず禍根をも残すことにもなった。恩恵はともかく禍根のほうについてはプロメテウス達だけに責任があるとは決して言い切れない。また受けた賞賛とは裏腹に限りある人生の終焉までその業績の故に悩み苦しんだプロメテウスもいたのである。なぜこのようなことが起きてしまったのか、それは第二の火を人類にもたらしたプロメテウス達が鋭意活躍を開始した時が人類史上二番目にして最後であることを心から願わずにはいられない、あの第二次世界大戦の前夜だったからである。


「第三章 プロメテウスの目覚め」 より
アメリカの自由な空気を満喫していたフェルミはラバイが語ったシラードの懸念を軽く受け流し、英語の俗語を使ってシラードの考えを「偏執狂(ナッツ)の取り越し苦労だ。」と言ってせせら笑った。そればかりではなかった。
(中略)
ニューヨーク市から鉄道で三時間程離れたプリンストンでフェルミがラジオ番組に出演したことを伝え聞いたニールス・ボーアは激怒し、プリンストンからわざわざ汽車に乗ってニューヨークのコロンビア大学を訪ねると理学部棟の中でフェルミの姿を捜し求めた。そして廊下を平然として歩いているフェルミの姿を見とがめるやいなや、普段は温厚なボーアはこの後輩ノーベル賞受賞者に飛びかかり、引っ掴まんばかりにして空き部屋に押し込むとフェルミが取った行為を激しく非難した。
再び部屋から姿を現した時、二人のノーベル賞受賞者は憔悴しきった表情を浮かべていた。あくまでも慎重なボーアとは異なり、フェルミにとって学問の成果は象牙の塔に引きこもる学者だけが専らとすべきものではなく、万人によって共有されるべきものだった。フェルミが祖国イタリアを捨ててアメリカに移住したのは畢竟、学問の自由を求めたからに他ならず、議論が平行線をたどったことを二人の表情は示していた。

「第六章   冷戦」 より
シラードはかつて自分を偏執狂呼ばわりして冷笑した天才フェルミに対してささやかな勝利感と優越感を感じたのである。しかし、広島への原子爆弾投下の報道に接し、シカゴ大学の学長室を目指して走るシラードが抱いていたのは圧倒的な敗北感だった。
学長室にたどりつくとシラードは学長に向かって、シカゴ大学での基礎研究が今回の広島への原爆投下につながったと述べ、ついては本日と明日、全学を挙げて喪章を身につけて広島の犠牲者を悼むよう号令してはもらえないか、と言った。学長は、個人として犠牲者を悼み、喪章をつけるのは結構だが、全学にそんなことを強要はできない、と言った。
学長にすげなくされたシラードは次にはシカゴ大学付属のチャペルの牧師に面会を求め、広島の犠牲者を悼む追悼集会を開いてもらいたいと訴えた。牧師は、個人的には広島の犠牲者を悼んで原爆投下に遺憾の意を表明するが、公の場所を使って追悼集会を開くことはできない、と答えた。シラードは大統領宛てに抗議の手紙を書くことにした。


登録情報

  • フォーマット: Kindle版
  • ファイルサイズ: 1107 KB
  • 紙の本の長さ: 292 ページ
  • 販売: Amazon Services International, Inc.
  • 言語: 日本語
  • ASIN: B01G107PTG
  • Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能): 有効
  • X-Ray:
  • Word Wise: 有効にされていません
  • おすすめ度: この商品の最初のレビューを書き込んでください。
  • Amazon 売れ筋ランキング: Kindleストア 有料タイトル - 277,010位 (Kindleストア 有料タイトルの売れ筋ランキングを見る)
  • さらに安い価格について知らせる


カスタマーレビュー

まだカスタマーレビューはありません。
他のお客様にも意見を伝えましょう
click to open popover

注文した商品はどこ?

配送と返品について

ヘルプデスク