いまいち知名度の低いGaucheですが、いわゆるScheme処理系の1つです。この本もGaucheに限らず一般的なSchemeの学習書としても良いと思いました。
たまにSchemeは覚えることが少ないと言う人がいますが、現実的にはこの本くらいのボリュームが必要ですね。Lispの本というとやたらアカデミックなもの、トリッキーなもの、簡単すぎるものばかりの中で、すごく良心的な本です。一応Cなどを既に知ってる人向けに書かれている気がします。
基本的なことを網羅して、かつ程よい練習問題が載っているので、まるでCにとってのK&Rのように、Schemeにとってのバイブルと言えるのではないかと思います。SchemeやLispの理屈や哲学だけでなく、実用的なところにまで触れていて、このくらい出来るんだという意気込みを感じました。
基本的にはなんでもPythonでやっていた私ですが、今まではPythonがLispから影響を受けたであろう機能、lambda式やmapなどは使わず完全に手続き型的なプログラミングスタイルでやっていました。でもこの本でそれらの強力な使い方を知ることが出来ました。
今でもGaucheよりPythonの方が便利で高機能だと断言できますが、そういう意味でプログラミングの幅が広がったと思います。第一Pythonにはこのような良書がないので。
lispの括弧だらけのソースコードにはもう慣れて、そのほうが分かりやすいとさえ感じるようになりました。実際そのほうが都合が良いのです。
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