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プラハの憂鬱 単行本 – 2015/3/31
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私が祖国のためにしたことをマサルに知ってほしい。私はもう故郷に帰れないのだから。1986年ロンドン。外交官研修中の私は、祖国の禁書の救出に生涯を捧げる亡命チェコ人の古書店主と出会った。彼の豊かな知性に衝撃を受け、私はその場で弟子入りを願い出た――神学・社会主義思想からスラブの思考法、国家の存在論、亡命者の心理まで、異能の外交官を育んだ濃密な「知の個人授業」を回想する青春自叙伝。
- 本の長さ332ページ
- 言語日本語
- 出版社新潮社
- 発売日2015/3/31
- 寸法13.8 x 2.4 x 19.8 cm
- ISBN-104104752088
- ISBN-13978-4104752089
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出版社より
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| 国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて― | 自壊する帝国 | 紳士協定―私のイギリス物語 ― | 【単行本】プラハの憂鬱 | 【単行本】ゼロからわかるキリスト教 | いま生きる「資本論」 | |
| 【新潮社】佐藤優 作品 | 対ロ外交の最前線を支えた男は、なぜ逮捕されなければならなかったのか?鈴木宗男事件を巡る「国策捜査」の真相を明かす衝撃作。〈毎日出版文化賞特別賞受賞〉 | ソ連邦末期、崩壊する巨大帝国で若き外交官は何を見たのか?大宅賞、新潮ドキュメント賞受賞の衝撃作に最新論考を加えた決定版。〈大宅壮一ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞受賞〉 | 「20年後も僕のことを憶えている?」あの夏の約束を捨て、私は外交官になった。英国研修中の若き日々を追想する告白の書。 | その人は私に世界の読み解き方を教えてくれた──1986年ロンドン。外交官研修時代の著者と亡命チェコ人古書店主との濃密な知的交流を回想する青春自叙伝。 | 貪婪な新自由主義、過酷な格差社会、「イスラム国」の暴虐──現代の難問の根底にはすべて宗教がある。世界と戦う最強の武器・キリスト教論の超入門書にして白眉! | 働くあなたの苦しみは「資本論」がすべて解決!カネと資本の本質を知り、献身を尊ぶ社会の空気から人生を守る超実践講義。 |
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| 日米開戦前夜、京大の哲学教授はいかにしてエリート学生を洗脳し、戦地へ赴かせたのか?悪魔の講義の構造を解明し、現代に警鐘を鳴らす渾身の合宿講座全記録。 | 北方領土交渉は2018年に動く。トランプの反アジア人思想とは。金正男殺害の引き金はツイッター?公開情報で鮮やかに読み解く圧巻の世界情勢講義、完全収録。 | ロシア語研修で滞在中のロンドンで、私は自らの師を知った。神学への志を秘めた異能の外交官、その誕生を現代史に刻む自伝。 | 資本主義の行方。後悔しない大学選び。教養って何だろう。世界の未来を切実に憂う高校生たちの問題意識に、知の巨人が真摯に答える名講義完全採録、待望の第二弾! | 受講生は偏差値上位0.1%を生きる超難関校の若者たち。彼らの未来への真摯な問いかけに、知の神髄と社会の真実を説く超・教養講義。 | 格差、ヘイト、弱者切り捨て、疫病の蔓延、相互不理解──その先でやがて私たちはこんな「思想」に惹かれていくのか?今敢えて禁断の書を読む緊急講義実録! |
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
異能の外交官、佐藤優の出発点。古本屋を営む亡命チェコ人との邂逅。それが「知の個人授業」の始まりだった。―26歳、任官2年目。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
佐藤/優
作家、元外務省主任分析官。1960年生まれ。85年に同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在英国日本国大使館、在ロシア連邦日本国大使館に勤務した後、本省国際情報局分析第一課において、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年背任と偽計業務妨害容疑で東京地検特捜部に逮捕され、05年執行猶予付き有罪判決を受ける。09年最高裁で有罪が確定し、外務省を失職。05年に発表した『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
作家、元外務省主任分析官。1960年生まれ。85年に同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在英国日本国大使館、在ロシア連邦日本国大使館に勤務した後、本省国際情報局分析第一課において、主任分析官として対ロシア外交の最前線で活躍。2002年背任と偽計業務妨害容疑で東京地検特捜部に逮捕され、05年執行猶予付き有罪判決を受ける。09年最高裁で有罪が確定し、外務省を失職。05年に発表した『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』で第59回毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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登録情報
- 出版社 : 新潮社 (2015/3/31)
- 発売日 : 2015/3/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 332ページ
- ISBN-10 : 4104752088
- ISBN-13 : 978-4104752089
- 寸法 : 13.8 x 2.4 x 19.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 361,086位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 35,767位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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元外交官で文筆家。ロシア情報収集・解析のエキスパート。魚住昭/ジャーナリスト。ノンフィクションに著作多数。青木理/ジャーナリスト。元共同通信記者。『日本の公安警察』『絞首刑』など著作多数。植草一秀/経済学者。日本経済、金融論が専門。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 誰が日本を支配するのか!?政治とメディアの巻 (ISBN-13:978-4838721566)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
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2020年8月28日に日本でレビュー済み
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若かりし佐藤氏の英国留学記。チェコの亡命古本屋とは、事実は小説より、というばかり。しかし毎度ながら、佐藤氏の記憶力は驚異的。食事の様子も目に浮かぶ。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
ベスト500レビュアー
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この作品は、「紳士協定」に於ける下層中産階級出身で聡明なグレン少年との友情に続く、二部作である。「自壊する帝国」のラトビア出身の天才サーシャとの交友も魅力的であった。そして、今回に続く三部作も予告されている。
今回は、マストニークと云う亡命チェコ人として辛酸を舐め尽くしロンドンで古本屋を経営している人物との交友である。思想・哲学・歴史・言語について通暁している真の知識人である。
共産主義体制下で失われていく危険性がある本を救い出す事を子育てのつもりで行っている。
妻のヘレンも、ケンブリッジ大学等でチェコ語を教えていて、二人には子供がいないため教え子を子供のように大切にしている。二人とも何時無くなるかもしれないチェコを何らかの形で残して置きたいのであった。
チェコは、小国で周辺大国に散々蹂躙された。そのためか、ヨーロッパでも最も外国語に堪能なスラヴ系の民族である。
彼は、云う。日本人が弱小民族の気持ちを理解することは難しい。日本は大国であり、つい40数年前世界を敵に回して戦っている。そして、40数年で民族の性格は変わらない。
チェコ人は、何時も世界史から消えてしまうという強迫観念を持っているので何事も信じていない。他方、その埋め合わせの為か自分たちは、多民族よりも文化的に優れてる特別な民族という幻想にしがみ付いている。
イギリスという国は、亡命者にとってとても住みやすい国である。同時に、イギリス人には外国人を近寄せない目に見えない膜のようなものがある。チェコスロバキア亡命政府を受け入れた理由もバトル・オブ・ブリテンで生命を賭してイギリスの為に戦うことが亡命受け入れの条件であった。勿論、イギリス人はあからさまには言わないが、これがこの国の人たちの狡猾なところであり、チェコ人とスロバキア人は、最前線で戦った。
イギリス人は、植民地支配の歴史が長いので他の民族が何を考えているのかを皮膚感覚で理解する事に長けている。
また、ケンブリッジ大学では、ソ連やロシア史を専攻する場合、ロシア語とともに他のスラヴ系言語をもう一つ習得することが義務付けられている。ロシア語しか勉強しないとソ連帝国主義の論理が無意識のうちに思考の枠組みを規定してしまうようになり視野が狭くなるのを防ぐためである。
マストニークは、「信仰がすべての災いのもとで、宗教を信じる人が不毛な殺し合いばかりを続ける。カトリック教会とプロテスタント教会が和解し宗教戦争がなくなったら、今度は民族という宗教が生まれた。そしてまた殺し合いだ」という、宗教の話が大嫌いの人であることが後で分かったが、佐藤のプロテスタント神学についての質問には真摯に答えたのであった。
人間が織りなす複雑怪奇な世界の内在的論理=知的創造性そして、もう一つ食が濃密に詰まっている。
マストニーク的人物は、余りに恵まれた日本には生まれ難い。
本来、知識人と呼称されるのであれば世の中が見えなければならないが、日本に於いては体験なきイメージ・幻想を弄んでいるに過ぎない。むしろ、生活者が良く見えている。敗戦後70年は、その篩の役割を果たしたようである。
隣国は、国策として人の嫌がることをせっせと実行しているがチェコを理解すると成程と思う。
公式の歴史とは、強い者の歴史であり、物語である。との言葉も出て来るが中身のない歴史修正主義という戦勝国アメリカの一部学者からの日本非難がそれを証明している。
アジアインフラ投資銀行にイギリスが参加を表明したがどう立ち回るか見物である。その数か月前、植民地経営で財をなした英系銀行が香港から撤退している。だが、アングロサクソンは厳然として国際金融を握っている。
今回は、マストニークと云う亡命チェコ人として辛酸を舐め尽くしロンドンで古本屋を経営している人物との交友である。思想・哲学・歴史・言語について通暁している真の知識人である。
共産主義体制下で失われていく危険性がある本を救い出す事を子育てのつもりで行っている。
妻のヘレンも、ケンブリッジ大学等でチェコ語を教えていて、二人には子供がいないため教え子を子供のように大切にしている。二人とも何時無くなるかもしれないチェコを何らかの形で残して置きたいのであった。
チェコは、小国で周辺大国に散々蹂躙された。そのためか、ヨーロッパでも最も外国語に堪能なスラヴ系の民族である。
彼は、云う。日本人が弱小民族の気持ちを理解することは難しい。日本は大国であり、つい40数年前世界を敵に回して戦っている。そして、40数年で民族の性格は変わらない。
チェコ人は、何時も世界史から消えてしまうという強迫観念を持っているので何事も信じていない。他方、その埋め合わせの為か自分たちは、多民族よりも文化的に優れてる特別な民族という幻想にしがみ付いている。
イギリスという国は、亡命者にとってとても住みやすい国である。同時に、イギリス人には外国人を近寄せない目に見えない膜のようなものがある。チェコスロバキア亡命政府を受け入れた理由もバトル・オブ・ブリテンで生命を賭してイギリスの為に戦うことが亡命受け入れの条件であった。勿論、イギリス人はあからさまには言わないが、これがこの国の人たちの狡猾なところであり、チェコ人とスロバキア人は、最前線で戦った。
イギリス人は、植民地支配の歴史が長いので他の民族が何を考えているのかを皮膚感覚で理解する事に長けている。
また、ケンブリッジ大学では、ソ連やロシア史を専攻する場合、ロシア語とともに他のスラヴ系言語をもう一つ習得することが義務付けられている。ロシア語しか勉強しないとソ連帝国主義の論理が無意識のうちに思考の枠組みを規定してしまうようになり視野が狭くなるのを防ぐためである。
マストニークは、「信仰がすべての災いのもとで、宗教を信じる人が不毛な殺し合いばかりを続ける。カトリック教会とプロテスタント教会が和解し宗教戦争がなくなったら、今度は民族という宗教が生まれた。そしてまた殺し合いだ」という、宗教の話が大嫌いの人であることが後で分かったが、佐藤のプロテスタント神学についての質問には真摯に答えたのであった。
人間が織りなす複雑怪奇な世界の内在的論理=知的創造性そして、もう一つ食が濃密に詰まっている。
マストニーク的人物は、余りに恵まれた日本には生まれ難い。
本来、知識人と呼称されるのであれば世の中が見えなければならないが、日本に於いては体験なきイメージ・幻想を弄んでいるに過ぎない。むしろ、生活者が良く見えている。敗戦後70年は、その篩の役割を果たしたようである。
隣国は、国策として人の嫌がることをせっせと実行しているがチェコを理解すると成程と思う。
公式の歴史とは、強い者の歴史であり、物語である。との言葉も出て来るが中身のない歴史修正主義という戦勝国アメリカの一部学者からの日本非難がそれを証明している。
アジアインフラ投資銀行にイギリスが参加を表明したがどう立ち回るか見物である。その数か月前、植民地経営で財をなした英系銀行が香港から撤退している。だが、アングロサクソンは厳然として国際金融を握っている。
ベスト500レビュアー
本書は著者の佐藤優氏の英国留学時代を中心に追想したものです。
メインテーマを、著者のその後の人生を決定付けた「チェコ神学者フロマートカ」の思想としています。
著者とフロマートカの思想との出会いは同志社大学時代まで遡り、当時はソ連圏だったチェコでの研究を志して外務省に入省することに決めました。
同省ではソ連担当になりますが、英国でロシア語を勉強することになり、チェコとの縁は遠くなってしまったように見えました。
しかし不思議な偶然からチェコ亡命者が経営する古書店と出会い、ここでチェコ神学を学びながらマージナルな人々と縁を結ぶことになります。
チェコは小国ゆえに常に周辺の大国に翻弄され続けてきました。
知恵を絞って時に抗い、時に従属し、懸命に自由を目指しますが、戦略はことごとく失敗しました。
その挫折の歴史が民族性に独特な陰影を刻印していて、小国の悲哀と、そして日中の狭間で苦悩する隣国のことを連想させました。
他にも労働階級出身のエリート英軍将官というクラスメート、その恋人で米国先住民インディアンの血を引く大学教員、亡命ロシアの語教官など、英国の辺縁で己の立ち位置を模索する人々と心を通わせ、温かな交流を重ねる様子が描き出されていました。
それは著者自身が日本の少数民族である琉球人の血を引き、その経歴や立ち位置がマージナルであることが少なからず影響しているようでした。
圧巻は様々なインテリたちと交わす高度な神学論や哲学論で、膨大な知識を駆使しながらの知の真剣勝負には手に汗握りました。
本書はチェコやロシア、神学という、評者にとって馴染みのない分野が題材でしたが、そうしたことに違和感を感じさせずに引き込む筆力は驚異的でした。
また個人的には本書の中心人物である古書店経営者のズデニェク・マストニーク氏の語る「理神論」や「懐疑主義」、そして著者の「真理を追究する人は、いつか自分が慣れ親しんだ場所から離れなくてはならない」という文章が印象に残りました。
本書はいくつものテーマが盛り込まれていて奥行きがあり、ドキュメンタリー、神学論、小説など様々な切り口から入っていくことが可能で、読み応えがありました。
一度読んだだけでは味わい切れない深みを感じさせる作品で、何度か読み返してみようと思います。
メインテーマを、著者のその後の人生を決定付けた「チェコ神学者フロマートカ」の思想としています。
著者とフロマートカの思想との出会いは同志社大学時代まで遡り、当時はソ連圏だったチェコでの研究を志して外務省に入省することに決めました。
同省ではソ連担当になりますが、英国でロシア語を勉強することになり、チェコとの縁は遠くなってしまったように見えました。
しかし不思議な偶然からチェコ亡命者が経営する古書店と出会い、ここでチェコ神学を学びながらマージナルな人々と縁を結ぶことになります。
チェコは小国ゆえに常に周辺の大国に翻弄され続けてきました。
知恵を絞って時に抗い、時に従属し、懸命に自由を目指しますが、戦略はことごとく失敗しました。
その挫折の歴史が民族性に独特な陰影を刻印していて、小国の悲哀と、そして日中の狭間で苦悩する隣国のことを連想させました。
他にも労働階級出身のエリート英軍将官というクラスメート、その恋人で米国先住民インディアンの血を引く大学教員、亡命ロシアの語教官など、英国の辺縁で己の立ち位置を模索する人々と心を通わせ、温かな交流を重ねる様子が描き出されていました。
それは著者自身が日本の少数民族である琉球人の血を引き、その経歴や立ち位置がマージナルであることが少なからず影響しているようでした。
圧巻は様々なインテリたちと交わす高度な神学論や哲学論で、膨大な知識を駆使しながらの知の真剣勝負には手に汗握りました。
本書はチェコやロシア、神学という、評者にとって馴染みのない分野が題材でしたが、そうしたことに違和感を感じさせずに引き込む筆力は驚異的でした。
また個人的には本書の中心人物である古書店経営者のズデニェク・マストニーク氏の語る「理神論」や「懐疑主義」、そして著者の「真理を追究する人は、いつか自分が慣れ親しんだ場所から離れなくてはならない」という文章が印象に残りました。
本書はいくつものテーマが盛り込まれていて奥行きがあり、ドキュメンタリー、神学論、小説など様々な切り口から入っていくことが可能で、読み応えがありました。
一度読んだだけでは味わい切れない深みを感じさせる作品で、何度か読み返してみようと思います。
2015年4月27日に日本でレビュー済み
タイトルの「プラハの憂鬱」に気をとられると、中欧の古都を舞台にした「佐藤ラスプーチンの旅行記」のようなものかと勘違いしそうだが、実は著者がロシア語研修のために留学したイギリスのロンドンとその近郊が主な舞台である。そして、叙述の大部分は若き日の佐藤優氏と亡命チェコ人ズデネェク・マストニーク氏とのダイアローグで構成されている。
実際、本に挟まれていた新刊案内を見ると「外交官研修時代の著者と亡命チェコ人との濃密な知的交流を回想する青春自叙伝」と書かれている。が、タイトルは「ロンドンの憂鬱」ではなく「プラハの憂鬱」なのである。おそらく「プラハ」には地名としての意味はほとんどない。むしろ主要登場人物マストニーク氏に代表される亡命チェコ人の精神性を育む風土としての「プラハ」という意味であろう。
1920年生まれのマストニーク氏は著者よりも40歳年長である。BBC(英国放送協会)でチェコ語の国際放送アナウンサー兼記者として勤務した経歴を持つ。1979年にBBCを引退した後、ロンドン市内で古書店の経営者となり、冷戦時代のソ連・東欧諸国で禁書扱いとなった書籍を輸入し(本書では「救い出す」という絶妙な言葉が使われている)、西側で刊行された辞書や学術書などと交換するビジネスを展開していた。
日本人外交官の卵とチェコ人古書店主の出会いなどというものは偶然以外のなにものでもない。しかし、外交官になってもチェコ神学に対して飽くなき情熱を傾ける日本の若者の探究心と、ナチスドイツや共産主義に翻弄され続けた中欧の小国の悲劇的歴史を背負う亡命チェコ人の老練なる知性との出会いは、必然的奇遇とでも呼ぶべきものであり、その出会いが創出したダイアローグの数々は、チェコという国に対して小さくない距離感を感じる私のような読者も知的好奇心をそそられる。
二人の会話は、歴史・文学・思想・哲学などのあらゆる領域を縦横無尽に行き交う。異邦人同士の「濃密な知的交流」が自叙伝の形で結実し、その果実を共有できることに同時代人として喜びと敬意を表したい。
もちろん、本書に収録されているダイアローグは、著者が再構成するにあたってそれなりに脚色されている部分もあろう。が、相当に読ませる物語にまで昇華させた著者の力量抜きにはマストニーク氏をあれほどの魅力的なインテリゲンツィアとして描ききることは不可能だったに違いない。
「あとがき」によると、マストニーク氏は2008年に亡くなっている。つまり、89年のビロード革命と91年のソ連崩壊を70歳前後で見届け、冷戦終結後の世界をさらに18年ほど生きてその生涯を終えたことになる。ソ連・東欧諸国の禁書を救い出す必要がなくなった時代の氏の余生とはどのようなものであったのだろうか?
実際、本に挟まれていた新刊案内を見ると「外交官研修時代の著者と亡命チェコ人との濃密な知的交流を回想する青春自叙伝」と書かれている。が、タイトルは「ロンドンの憂鬱」ではなく「プラハの憂鬱」なのである。おそらく「プラハ」には地名としての意味はほとんどない。むしろ主要登場人物マストニーク氏に代表される亡命チェコ人の精神性を育む風土としての「プラハ」という意味であろう。
1920年生まれのマストニーク氏は著者よりも40歳年長である。BBC(英国放送協会)でチェコ語の国際放送アナウンサー兼記者として勤務した経歴を持つ。1979年にBBCを引退した後、ロンドン市内で古書店の経営者となり、冷戦時代のソ連・東欧諸国で禁書扱いとなった書籍を輸入し(本書では「救い出す」という絶妙な言葉が使われている)、西側で刊行された辞書や学術書などと交換するビジネスを展開していた。
日本人外交官の卵とチェコ人古書店主の出会いなどというものは偶然以外のなにものでもない。しかし、外交官になってもチェコ神学に対して飽くなき情熱を傾ける日本の若者の探究心と、ナチスドイツや共産主義に翻弄され続けた中欧の小国の悲劇的歴史を背負う亡命チェコ人の老練なる知性との出会いは、必然的奇遇とでも呼ぶべきものであり、その出会いが創出したダイアローグの数々は、チェコという国に対して小さくない距離感を感じる私のような読者も知的好奇心をそそられる。
二人の会話は、歴史・文学・思想・哲学などのあらゆる領域を縦横無尽に行き交う。異邦人同士の「濃密な知的交流」が自叙伝の形で結実し、その果実を共有できることに同時代人として喜びと敬意を表したい。
もちろん、本書に収録されているダイアローグは、著者が再構成するにあたってそれなりに脚色されている部分もあろう。が、相当に読ませる物語にまで昇華させた著者の力量抜きにはマストニーク氏をあれほどの魅力的なインテリゲンツィアとして描ききることは不可能だったに違いない。
「あとがき」によると、マストニーク氏は2008年に亡くなっている。つまり、89年のビロード革命と91年のソ連崩壊を70歳前後で見届け、冷戦終結後の世界をさらに18年ほど生きてその生涯を終えたことになる。ソ連・東欧諸国の禁書を救い出す必要がなくなった時代の氏の余生とはどのようなものであったのだろうか?





