清流きらめく中、魚が生き生きと泳ぐようなバッハですね。溌剌として、生きのいい演奏。
「ブランデンブルク協奏曲 第5番 ニ長調 BWV.1050」が素晴らしかったなあ。イルジ・ヒンクのヴァイオリン、熊本マリさんのピアノ(原曲は、チェンバロ)もよかったけど、「おっ! いい音色、いい調べじゃないか」と引きつけられたのが、ラドミール・ピヴォダのフルート。チェコ・フィルのフルート首席奏者と解説に書いてありましたが、やわらかで、とても気持ちのいい調べを奏でています。魅了されました。
「ヴァイオリン協奏曲 第1番 イ短調 BWV.1041」「同 第2番 ホ長調 BWV.1042」をチェンバロ用に編曲、それをここではピアノに代えた「ピアノ協奏曲 ト短調 BWV.1058」「同 ニ長調 BWV.1054」では、曲の魅力もあって、後者が聴きごたえありましたね。颯爽として晴れやかなマリさんのピアノ、チャーミングでよかったな。
1995年3月、チェコのプラハ、ルドルフィヌムのドヴォルザーク・ホールでの録音。チェコ・フィルハーモニー室内合奏団は、ライナーノートの写真で見る限り、ソロの2人を除いて9人〜10人くらいの編成のようです。