若者を救い、誰にも平等に教育の機会を与えるための制度であるはずの奨学金制度。
しかし昨今はその取り立てが異様に厳しくなり、若い世代を逆に苦しめているという、
奨学金を巡る制度上の問題や背景を理解したい人にすすめたいです。
著者が支援したり接した当事者についてのレポートもあり生々しいです。
もっとも、当事者が読んで救いになるかというと微妙かもしれないです。
第7章に「必読!返せなくなった時の対処法」という章もありますが
救済措置が限定的で、当事者がこの問題を乗り越えることの難しさを物語っています。
でも知らないよりは知った方が大分マシですし、役に立ちます。
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ブラック奨学金 (文春新書) 単行本 – 2017/6/20
いまや約4割の大学生、100万人以上が借りる奨学金。だが、容赦のない取り立てと厳しいペナルティで返済に行き詰まり、親戚にまで厳しい請求が行く例が相次いでいる。奨学金で人生を棒に振らないための処方箋をここに公開!
- 本の長さ223ページ
- 言語日本語
- 出版社文藝春秋
- 発売日2017/6/20
- ISBN-104166611127
- ISBN-13978-4166611126
- UNSPSC-Code
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
容赦ない裁判での取り立て、雪だるま式に膨れ上がる延滞金地獄……
学生をしゃぶりつくす“高利貸し"の正体!
突然、身に覚えのない多額の借金の請求書が自宅に届く――。今、全国各地でこんなことが相次いている。奨学金を借りた若者たちが返済に行き詰まり、その保証人が日本学生支援機構(JASSO)に訴えられるケースが続発しているのだ。
長引く不況から、奨学金を借りる学生は増加し続け、いまや大学・短大生の約4割が奨学金を利用している。1人あたりの合計借入金額は、平均300万円以上にものぼる。新社会人の若者の約4割がこれほどの借金を背負って社会に出て行くのだ。
だが、大学を卒業しても奨学金の返済に窮する若者が急増している。その背景には、雇用情勢の不安定化や「ブラック企業」の存在がある。
滞納が一定期間続くと、JASSOは延滞分だけではなく、将来返済する予定の金額(元本および利子)も含めて、裁判所を通じて「一括請求」を行う。また、それら全体に「延滞金」が年間5~10%もかかってくる。そのため返済額は膨れ上がり、400万円、500万円といった莫大な請求が、一挙に振りかかってくる。
借りた本人が返済できない場合、請求は保証人に及ぶ。奨学金の借入時には親族が連帯保証人及び保証人になることが一般的だ。両親はもとより、祖父、祖母、おじ、おばにまで請求がいくこともまったく珍しくはない。
延滞金は、訴訟が提起され、本人が自己破産し、保証人に請求が行くまでに雪だるま式に膨れあがっている。まるで、かつての消費者金融被害のような様相を呈しているのだ。
奨学金返済の延滞に対し、2015年度に執られた法的措置は、なんと8713件にも及ぶ。
なかには、本人が死亡したのに家族が訴えられたケースや、シェルターで暮らす女性にも容赦ない取り立てが及んでいるケースもある。
著者はNPO法人POSSEの代表を務め、これまで200件以上の奨学金返済の相談に関わってきた。本書では生々しい実例を豊富に紹介しているほか、すでに返済が難しくなってしまった人のために、どのように対処すればよいのかも詳しくアドバイスしている。
学生をしゃぶりつくす“高利貸し"の正体!
突然、身に覚えのない多額の借金の請求書が自宅に届く――。今、全国各地でこんなことが相次いている。奨学金を借りた若者たちが返済に行き詰まり、その保証人が日本学生支援機構(JASSO)に訴えられるケースが続発しているのだ。
長引く不況から、奨学金を借りる学生は増加し続け、いまや大学・短大生の約4割が奨学金を利用している。1人あたりの合計借入金額は、平均300万円以上にものぼる。新社会人の若者の約4割がこれほどの借金を背負って社会に出て行くのだ。
だが、大学を卒業しても奨学金の返済に窮する若者が急増している。その背景には、雇用情勢の不安定化や「ブラック企業」の存在がある。
滞納が一定期間続くと、JASSOは延滞分だけではなく、将来返済する予定の金額(元本および利子)も含めて、裁判所を通じて「一括請求」を行う。また、それら全体に「延滞金」が年間5~10%もかかってくる。そのため返済額は膨れ上がり、400万円、500万円といった莫大な請求が、一挙に振りかかってくる。
借りた本人が返済できない場合、請求は保証人に及ぶ。奨学金の借入時には親族が連帯保証人及び保証人になることが一般的だ。両親はもとより、祖父、祖母、おじ、おばにまで請求がいくこともまったく珍しくはない。
延滞金は、訴訟が提起され、本人が自己破産し、保証人に請求が行くまでに雪だるま式に膨れあがっている。まるで、かつての消費者金融被害のような様相を呈しているのだ。
奨学金返済の延滞に対し、2015年度に執られた法的措置は、なんと8713件にも及ぶ。
なかには、本人が死亡したのに家族が訴えられたケースや、シェルターで暮らす女性にも容赦ない取り立てが及んでいるケースもある。
著者はNPO法人POSSEの代表を務め、これまで200件以上の奨学金返済の相談に関わってきた。本書では生々しい実例を豊富に紹介しているほか、すでに返済が難しくなってしまった人のために、どのように対処すればよいのかも詳しくアドバイスしている。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
今野/晴貴
1983年、宮城県生まれ。NPO法人POSSE代表。一橋大学大学院社会学研究科博士課程在籍(社会政策、労働社会学)。著書『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)で大佛次郎論壇賞受賞。2006年、中央大学法学部在籍中に、都内の大学生・若手社会人を中心にNPO法人POSSEを設立。年間2000件の労働相談に関わっている。ブラック企業対策プロジェクト共同代表もつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1983年、宮城県生まれ。NPO法人POSSE代表。一橋大学大学院社会学研究科博士課程在籍(社会政策、労働社会学)。著書『ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)で大佛次郎論壇賞受賞。2006年、中央大学法学部在籍中に、都内の大学生・若手社会人を中心にNPO法人POSSEを設立。年間2000件の労働相談に関わっている。ブラック企業対策プロジェクト共同代表もつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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2018年7月21日に日本でレビュー済み
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4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年8月6日に日本でレビュー済み
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奨学金返済やJASSOの債権回収事業の実態について、最新のデータを示しながら紹介してくれているのでよくわかりました。保証人への取り立てに言及している点などは、これまでの奨学金本とは異なる新しい視点かと思います。
私は出身の大学は私立ですが、学費が高いので奨学金を借りようか悩んだ時期もありました。何とか借りずに通うことができたのですが、本書の取り立ての実態を読むと、もし急に家の経済状況が悪くなった時に返済が滞ってしまったらどうしただろうと不安に思いました。
本書では各国の学費制度の比較も参考になります。世界的には低学費・給付型奨学金の2つが高等教育の主流で、日本や韓国、チリなどは高授業料・低補助の国の代表なのだそうです。ただし、韓国やチリでも学費無償化に向けた動きはあるようで、そうした流れもなくただ学費が高いというのが日本の特徴のようです。年々高くなる教育費の自費負担には、若い世代を大学で勉強させたくないのかと思いたくなるくらいです。
この本をきっかけに、これからの教育制度や奨学金のあり方について考える人が増えてほしいと読んでいて思いました。
私は出身の大学は私立ですが、学費が高いので奨学金を借りようか悩んだ時期もありました。何とか借りずに通うことができたのですが、本書の取り立ての実態を読むと、もし急に家の経済状況が悪くなった時に返済が滞ってしまったらどうしただろうと不安に思いました。
本書では各国の学費制度の比較も参考になります。世界的には低学費・給付型奨学金の2つが高等教育の主流で、日本や韓国、チリなどは高授業料・低補助の国の代表なのだそうです。ただし、韓国やチリでも学費無償化に向けた動きはあるようで、そうした流れもなくただ学費が高いというのが日本の特徴のようです。年々高くなる教育費の自費負担には、若い世代を大学で勉強させたくないのかと思いたくなるくらいです。
この本をきっかけに、これからの教育制度や奨学金のあり方について考える人が増えてほしいと読んでいて思いました。
2017年7月2日に日本でレビュー済み
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奨学金が返済できないことは、本当に借りた人の計画性の無さのせいなのでしょうか。
「借りたものは返せ」という言葉で片付けられるものなのでしょうか。
本書を読むと、奨学金を返済できないことの背景には、「自己責任」とは決して言えない理由があることがよく分かります。
著者は、奨学金が返せなくなってしまった人の実例として、長時間労働やパワハラが原因でうつ病を発症して退職に追い込まれた人や、離婚してシングルマザーとなった人や、突然病気になってしまった人などを紹介しています。
延滞している人たちは返済できない経済的な事情を抱えていて、しかもJASSOは自身が行っているアンケートを通じてそれを把握しています。それにも関わらず過酷な取り立てが行なわれていることに驚きました。
また、JASSOは、電話での問い合わせに対して救済制度を紹介しないという対応や、申請書の些細なミスを指摘して書類を突き返すという対応をするため、自分から救済制度について詳しく知ろうとしないと被害は大きくなっていくばかりです。本書には、そんな中で返済が難しくなったときのための「必読!返せなくなったときの対処法」という章があり、具体的にどうすれば良いのかが分かりやすく書かれています。
豊富な実例で奨学金や貧困の現状を知ることができ、自己責任論が蔓延する中でそれに対抗する知識を身に付けるために必読の一冊です。
「借りたものは返せ」という言葉で片付けられるものなのでしょうか。
本書を読むと、奨学金を返済できないことの背景には、「自己責任」とは決して言えない理由があることがよく分かります。
著者は、奨学金が返せなくなってしまった人の実例として、長時間労働やパワハラが原因でうつ病を発症して退職に追い込まれた人や、離婚してシングルマザーとなった人や、突然病気になってしまった人などを紹介しています。
延滞している人たちは返済できない経済的な事情を抱えていて、しかもJASSOは自身が行っているアンケートを通じてそれを把握しています。それにも関わらず過酷な取り立てが行なわれていることに驚きました。
また、JASSOは、電話での問い合わせに対して救済制度を紹介しないという対応や、申請書の些細なミスを指摘して書類を突き返すという対応をするため、自分から救済制度について詳しく知ろうとしないと被害は大きくなっていくばかりです。本書には、そんな中で返済が難しくなったときのための「必読!返せなくなったときの対処法」という章があり、具体的にどうすれば良いのかが分かりやすく書かれています。
豊富な実例で奨学金や貧困の現状を知ることができ、自己責任論が蔓延する中でそれに対抗する知識を身に付けるために必読の一冊です。
2017年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あまりにも酷すぎる。
来年知り合いの女の子が奨学金を借りて大学に行く、彼女の家はお金が無いのだ、そして大学に行くには奨学金を借りるしか無い。
田舎の地元にも都会にも高卒で正規採用してくれる所は皆無だ、彼女に選択の余地は無い、彼女の母は保証人を祖母に頼んだ年金暮らしのおばあさんに。
大学を卒業しても半分近くが非正規労働と聞く、彼女はこれからどうなるのだろう?
彼女が奨学金を返済できなる可能性は高い、高額の利子が付く奨学金を返せなくなれば年金で慎ましく暮らすおばあさんは家を取られるだろう。
派遣事業の自由化の時もそうだったがいい加減にしろ!!
日本の次代を託す若者を奴隷化し一部の支配者だけが肥え太って行く
戦前の様に借金に縛られた彼女は苦界に沈むのだろうか?
風俗と名前を変えた現代の苦界に。
確かに戦前は江戸時代から続く封建時代の名残が多く残っていた
だが江戸時代にも権力を握る者には秩序と責任があったのだ
武士は腹を切る事によって、名主は自らの娘を領主に差し出す事で責任を果たした。
今の権力者達は権力を握る者の責任を取ろうとしない
権力を握る者にはその責任を伴う事を知らない
そもそもそんな人間には権力を握る資格など無い。
責任を取らぬ者に借りた借金など返す必要など無いのだ。
来年知り合いの女の子が奨学金を借りて大学に行く、彼女の家はお金が無いのだ、そして大学に行くには奨学金を借りるしか無い。
田舎の地元にも都会にも高卒で正規採用してくれる所は皆無だ、彼女に選択の余地は無い、彼女の母は保証人を祖母に頼んだ年金暮らしのおばあさんに。
大学を卒業しても半分近くが非正規労働と聞く、彼女はこれからどうなるのだろう?
彼女が奨学金を返済できなる可能性は高い、高額の利子が付く奨学金を返せなくなれば年金で慎ましく暮らすおばあさんは家を取られるだろう。
派遣事業の自由化の時もそうだったがいい加減にしろ!!
日本の次代を託す若者を奴隷化し一部の支配者だけが肥え太って行く
戦前の様に借金に縛られた彼女は苦界に沈むのだろうか?
風俗と名前を変えた現代の苦界に。
確かに戦前は江戸時代から続く封建時代の名残が多く残っていた
だが江戸時代にも権力を握る者には秩序と責任があったのだ
武士は腹を切る事によって、名主は自らの娘を領主に差し出す事で責任を果たした。
今の権力者達は権力を握る者の責任を取ろうとしない
権力を握る者にはその責任を伴う事を知らない
そもそもそんな人間には権力を握る資格など無い。
責任を取らぬ者に借りた借金など返す必要など無いのだ。
2017年7月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本書は、奨学金を利用している本人、保証人になっている父母・親族に読んで欲しいが、今の日本の「社会問題」として多くの人が読むべき本だろう。
本書の特徴であるが、とにかく、事例とデータが凄まじい。
(ちなみに、データが信頼できないとレビューしているバカがいるが、確認したところ指摘されるような計算間違いはなかった。かけ算くらいは正確にできるようになった方が良いとアドバイスしたい)。
最初に出てくるケース。努力して大企業に入ったが、そこがブラック企業で精神疾患になり、「自己都合退職」させられる。
JASSOの相談窓口に電話しても、なかなか救済制度の説明をしてくれない。
この方は最終的に生活保護受給者になってしまうが、親族に迷惑をかけたくないので、自己破産はせずにいる。
ただ、いずれ破綻してしまうだろう。無理がありすぎる。
「不真面目な学生が延滞をする」という素朴な幻想は1例目で徹底的に粉砕される。
6例目。東京の国立大学入学という「エリート」。
大学の授業料の免除申請は通った(めっちゃ優秀だよこの人)のに、JASSOの1種(利子無し)は落ちる。
予算の関係で、要件を満たしていても通らないのだ。
奨学金では足りない生活費を稼ぐために、バイトをせざるを得なくなる。
しかし、当然、学業に割ける時間が減っていく。
さらに、経済的に追いつまり、「ホームレス」となり、そして最終的には中退する。
他にも家族の病気で金銭的余裕がなくなる等、本人は全く関与しない理由で延滞せざるを得なくなる例も出てくる。
本書に膨大に引用される事例をみたならば、「自己責任」という妄言を吐けないだろう。
さらに、本書では欧米の制度について解説されている。
OECDのなかでも、日本の奨学金制度が頭抜けて貧弱であることが分かる。
日本が異常なまでに自己責任を強いていることが浮き彫りにされてしまっている。
そして、考えさせられるのは国家・社会への深刻な弊害だ。
本文中に、三浦朱門の「できん者はできんままで結構」の発言が引用されているが、今進んでいる教育改革は、グローバル人材の育成を戦略としていたはずである。
しかし、東京の国立大学に学費免除で入学するような優秀な学生が、奨学金の不備により学業を諦めているのである。
いまの奨学金制度は、現行の教育改革の目的すら阻害している。
本来なら学生に給付されるべきカネが、JASSOを通して金融機関に流れ込んでいるのである(140頁参照)。
人材は国家・社会の基礎だ。
いまの奨学金制度は、「金融資本主義」が国家・社会を「食い物」にしているのである。
さて、これに対する解決策として今世に出ているのはファイナンシャルプランナーによるものだ。
要は、節約と財テクで乗り切れというものだが、本書では、具体的な数値をもって、その解決策が「ムリゲー」であることが論証されている(170頁)。
著者は表現を抑えたのだろうか、私の感覚では、ムリゲーというより、カセットを叩き割るレベルのクソゲーである。
じゃあ、どう解決するのか?
著者は、安易に「学費を下げよう」とか、「政治に訴えよう」とか言わない。
いや、まぁ、実質言っているのだが、そんな抽象的な、大文字の政治的提言にとどまらない。
個人のレベルでなんとか乗りきる方法が最終章(第7章)に書かれているのである。
利用できる諸制度も記載されているが、重要なのは支援団体に繋がることだろう。
利用者は情報不足のために、適切な解決策を見つけられないのが普通である。
支援団体につながりさえすれば、制度も分かるし、奨学金問題に強い弁護士の紹介もしてもらえる。
実態調査の徹底ぶりや、構造分析に目を奪われがちだが、本書の白眉は、この個人レベルでの解決策の提示にあると思う。
繰り返しになるが、本書は、奨学金問題の当事者たちに解決策を提示する本であると同時に、日本の大きな「社会問題」を知る本である。多くの人に読んで欲しい。
本書の特徴であるが、とにかく、事例とデータが凄まじい。
(ちなみに、データが信頼できないとレビューしているバカがいるが、確認したところ指摘されるような計算間違いはなかった。かけ算くらいは正確にできるようになった方が良いとアドバイスしたい)。
最初に出てくるケース。努力して大企業に入ったが、そこがブラック企業で精神疾患になり、「自己都合退職」させられる。
JASSOの相談窓口に電話しても、なかなか救済制度の説明をしてくれない。
この方は最終的に生活保護受給者になってしまうが、親族に迷惑をかけたくないので、自己破産はせずにいる。
ただ、いずれ破綻してしまうだろう。無理がありすぎる。
「不真面目な学生が延滞をする」という素朴な幻想は1例目で徹底的に粉砕される。
6例目。東京の国立大学入学という「エリート」。
大学の授業料の免除申請は通った(めっちゃ優秀だよこの人)のに、JASSOの1種(利子無し)は落ちる。
予算の関係で、要件を満たしていても通らないのだ。
奨学金では足りない生活費を稼ぐために、バイトをせざるを得なくなる。
しかし、当然、学業に割ける時間が減っていく。
さらに、経済的に追いつまり、「ホームレス」となり、そして最終的には中退する。
他にも家族の病気で金銭的余裕がなくなる等、本人は全く関与しない理由で延滞せざるを得なくなる例も出てくる。
本書に膨大に引用される事例をみたならば、「自己責任」という妄言を吐けないだろう。
さらに、本書では欧米の制度について解説されている。
OECDのなかでも、日本の奨学金制度が頭抜けて貧弱であることが分かる。
日本が異常なまでに自己責任を強いていることが浮き彫りにされてしまっている。
そして、考えさせられるのは国家・社会への深刻な弊害だ。
本文中に、三浦朱門の「できん者はできんままで結構」の発言が引用されているが、今進んでいる教育改革は、グローバル人材の育成を戦略としていたはずである。
しかし、東京の国立大学に学費免除で入学するような優秀な学生が、奨学金の不備により学業を諦めているのである。
いまの奨学金制度は、現行の教育改革の目的すら阻害している。
本来なら学生に給付されるべきカネが、JASSOを通して金融機関に流れ込んでいるのである(140頁参照)。
人材は国家・社会の基礎だ。
いまの奨学金制度は、「金融資本主義」が国家・社会を「食い物」にしているのである。
さて、これに対する解決策として今世に出ているのはファイナンシャルプランナーによるものだ。
要は、節約と財テクで乗り切れというものだが、本書では、具体的な数値をもって、その解決策が「ムリゲー」であることが論証されている(170頁)。
著者は表現を抑えたのだろうか、私の感覚では、ムリゲーというより、カセットを叩き割るレベルのクソゲーである。
じゃあ、どう解決するのか?
著者は、安易に「学費を下げよう」とか、「政治に訴えよう」とか言わない。
いや、まぁ、実質言っているのだが、そんな抽象的な、大文字の政治的提言にとどまらない。
個人のレベルでなんとか乗りきる方法が最終章(第7章)に書かれているのである。
利用できる諸制度も記載されているが、重要なのは支援団体に繋がることだろう。
利用者は情報不足のために、適切な解決策を見つけられないのが普通である。
支援団体につながりさえすれば、制度も分かるし、奨学金問題に強い弁護士の紹介もしてもらえる。
実態調査の徹底ぶりや、構造分析に目を奪われがちだが、本書の白眉は、この個人レベルでの解決策の提示にあると思う。
繰り返しになるが、本書は、奨学金問題の当事者たちに解決策を提示する本であると同時に、日本の大きな「社会問題」を知る本である。多くの人に読んで欲しい。
2018年12月10日に日本でレビュー済み
名前忘れたか誰だっけ、回収率が悪かった日本育英会だか日本学生支援機構だかを戦う組織にしたとしてマスコミや財界に持ち上げられてた人。元凶は、そいつか。いつの時代でもマズゴミは余計な事をする。今振り返れば、日本育英会や日本学生支援機構は回収率が悪くったってそれで良かったんだ。今まで勉強して、さぁ日本に還元しようって時に、JASSOが全部巻き上げてどうする?お前らはカスラック(JASRAC)か?あるいは、貸しはがしの銀行、トイチの闇金? もっとも、2種も以前は選考があった筈だが、門戸を広げすぎた事も影響はしているか。
そもそもとして、日本の人材投資がどうなっているのか、日本学生支援機構はどうなってるのか、問題提起をする本です。中学高校の教員や親は読むべし。政治家もね。
老い先短い人々への福祉とか、海外に金をばらまいたりとか、大企業に忖度してる場合じゃなくて、大学に通おうとする人間に貸与なんて言ってる様じゃ、日本は終わりだね。今の感じで言うと、選抜は必要かもしれないが、大学生には学費はもちろんタダ、生活費も渡す位でいいだろう。ちょうどベーシックインカムの議論があったね。大学生から始めたらどうだろうか?
…
とか、考えさせる一冊です。
そもそもとして、日本の人材投資がどうなっているのか、日本学生支援機構はどうなってるのか、問題提起をする本です。中学高校の教員や親は読むべし。政治家もね。
老い先短い人々への福祉とか、海外に金をばらまいたりとか、大企業に忖度してる場合じゃなくて、大学に通おうとする人間に貸与なんて言ってる様じゃ、日本は終わりだね。今の感じで言うと、選抜は必要かもしれないが、大学生には学費はもちろんタダ、生活費も渡す位でいいだろう。ちょうどベーシックインカムの議論があったね。大学生から始めたらどうだろうか?
…
とか、考えさせる一冊です。





