ブラック企業といえば、居酒屋チェーンや消費者金融の会社などが頭に浮かんでいたが、この本を読んで、そして自分でネットで調べてみると、出るわ出るわ、しかも有名でみんなが普段接している会社なのでショックでした。
特にこの本で取り上げている日本初のグローバル衣料品販売会社については、社長自らがこの本の著者に恫喝とも思えるような通告書を出している。一方で過酷な労働環境や中国の工場の実態を暴いた文芸春秋に対して差し止めの訴えを起こしたが、東京地裁は13年事実を認めたうえで訴えを退けている。
ウェザーニュースや日本海庄やで実際の例が紹介されているが、雇用契約書に書いていないような、残業込みの給料だということを後から知らされてもすでに就活を終えてしまった若者たちにはそれを受けることしかできない。社会的弱者につけ込んだ企業ぐるみの詐欺でありどうしてもっと厳しく罰せられないのかが不思議だ。ワタミの社長など知事選に出馬したこともありブラック企業と言われていることに公に反論しているが、「社員が一人過労死したからブラックなのか?」と怒りを込めて発言しているのにこの人間の人格を疑う。まるで他の社員達は何の問題もなく、たまたま該当した人だけで不幸が問題が起きてしまったという言い草だ。従業員を保護することを無視して店舗間で激しい売り上げとコストで争わせた結果がそうなっているという経営者としての責任は何も感じていない。
この本で初めて知ったのが、新卒の入社は正社員扱いということになっているのだけれど、実際はそこから短期間でふるいにかけられ、本当に会社にとって必要だと思われたものだけを残し、あとは辞めさせるという風習が一般化しつつあるということだ。ウェザーニュースでは「予選」と言われ、グローバル衣料の会社では店長になれるかなれないかというステップがある。おかげでこの会社は3年間の離職率が50%という異常な状態になっているが、会社側は敢えてそれを戦略的にやっているわけで、もともと必要だったのは50%だったのだから何の問題もない。反面、過酷な労働とパワハラで自己都合の退職扱いにされてしまった若者は第二新卒扱いとなり非常に不利な形で新卒の学生たちと新たな職探しをせねばならないうえに、多くの離職者は鬱病にかかり重いトラウマを長期間にわたり引きずることとなる。
驚くべきことにこの例はもはや限定数社だけにとどまらず、2012年の内閣の調査によると大卒の就職者の総数57万人中、三年以内に離職した人は20万人になっているという。もちろんこれら全てがブラック企業の仕業であるはずはないけれど、日本の最先端で急成長をとげる会社がこのようなメチャクチャなことをして不当に利益を出されてしまったら、他の会社がまともに競争できるはずもなく、同じことをするか、あるいはもっと酷いことをしてでもコストを下げて市場競争に立ち向かおうと考える会社が出てくるのは容易に想像できる。「新卒に残業代なんか払っていたら生き残れないぞ、このバカが!」なんて恫喝が聞こえてきそうだ。
また残業代を払わないというブラック企業ならわかるが、「辞めさせない」という目的で鬱病になった社員に支払いは会社で手渡しでないとできないというなど人間として考えられないようなことをする例には心が大きく傷んだ。
本書ではブラック企業の例だけではなく、いかに身を守るかについても解説してある。日本企業の特徴として社内の労組があるが、著者によると労組は賃上げ交渉などには力をみせるが、パワハラ等に関しては役にたたないという。これは意外ではあったがなんとなく納得できる。パワハラなどは特定の社員を糾弾することで解決できることだけれど、労組といえど、会社側との接点は決められており、直接社員にアプローチすることはできないので人事を通すことになるが、そうなると結局社内のあやふやな政治力にもみ消されて、結局は訴えた側の社員にはねかえってくるという結末が見える。
著者によると一番有効なのは個人加盟ユニオンだという。この存在はよく知らなかったが、ブラック企業を糾弾するようなニュースでも活躍しているのは労組や行政ではなくて、よく知らない人たちが積極的に企業へ訴えている姿を目にするので、こういう第三者団体の存在が大きいということを改めて知った。
少子高齢化で若者の数が少ないはずなのに、不景気はそれ以上で、特に有名会社にとっては圧倒的な買い手市場となっており、しかも政府は経済再生のために企業により競争力をつけなければいけないためにどんどん規制を緩和している。「みなし残業」などはそのいい例で本来直行直帰で実労働時間が把握できないケースだけの例外措置なのに、それにつけ込んだ企業は内勤社員にも平気でみなし残業にしてしまう。
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ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書) Kindle版
-
言語日本語
-
出版社文藝春秋
-
発売日2012/11/20
-
ファイルサイズ2010 KB
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
あの有名企業も「ブラック」化している!
若者を使い捨て、日本の未来を奪う。その恐るべき手口とは?
1500件の労働相談が示す驚愕の事実。
いまや就活生の最大の恐怖「ブラック企業」。大量採用した正社員を、きわめて劣悪な条件で働かせ、うつ病から離職へ追いこみ、平然と「使い捨て」にする企業が続出しています。
著者は大学在学中からNPO法人POSSE代表として1500件を越える若者の労働相談に関わってきました。誰もが知る大手衣料量販店や老舗メーカーの新入社員集団離職など豊富な実例を元に、「ブラック企業の見分け方」「入ってしまった後の対処法」を指南します。
さらに恐るべきは、日本社会そのものがブラック企業の被害を受けているということ。若者の鬱病、医療費や生活保護の増大、少子化、消費者の安全崩壊、教育・介護サービスの低下――「日本劣化」の原因はここにあるといっても過言ではありません。その解決策まで視野に入れた、決定的な一冊です。
目次
●第1章 ブラック企業の実態
●第2章 若者を死に至らしめるブラック企業
●第3章 ブラック企業のパターンと見分け方
●第4章 ブラック企業の辞めさせる「技術」
●第5章 ブラック企業から身を守る
●第6章 ブラック企業が日本を食い潰す
●第7章 日本型雇用が生み出したブラック企業の構造
●第8章 ブラック企業への社会的対策 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
若者を使い捨て、日本の未来を奪う。その恐るべき手口とは?
1500件の労働相談が示す驚愕の事実。
いまや就活生の最大の恐怖「ブラック企業」。大量採用した正社員を、きわめて劣悪な条件で働かせ、うつ病から離職へ追いこみ、平然と「使い捨て」にする企業が続出しています。
著者は大学在学中からNPO法人POSSE代表として1500件を越える若者の労働相談に関わってきました。誰もが知る大手衣料量販店や老舗メーカーの新入社員集団離職など豊富な実例を元に、「ブラック企業の見分け方」「入ってしまった後の対処法」を指南します。
さらに恐るべきは、日本社会そのものがブラック企業の被害を受けているということ。若者の鬱病、医療費や生活保護の増大、少子化、消費者の安全崩壊、教育・介護サービスの低下――「日本劣化」の原因はここにあるといっても過言ではありません。その解決策まで視野に入れた、決定的な一冊です。
目次
●第1章 ブラック企業の実態
●第2章 若者を死に至らしめるブラック企業
●第3章 ブラック企業のパターンと見分け方
●第4章 ブラック企業の辞めさせる「技術」
●第5章 ブラック企業から身を守る
●第6章 ブラック企業が日本を食い潰す
●第7章 日本型雇用が生み出したブラック企業の構造
●第8章 ブラック企業への社会的対策 --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
今野/晴貴
1983年、宮城県生まれ。NPO法人POSSE代表。一橋大学大学院社会学研究科博士課程在籍(社会政策、労働社会学)。日本学術振興会特別研究員。2006年、中央大学法学部在籍中に、都内の大学生・若手社会人を中心にNPO法人POSSEを設立。年間数百件の労働相談を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
1983年、宮城県生まれ。NPO法人POSSE代表。一橋大学大学院社会学研究科博士課程在籍(社会政策、労働社会学)。日本学術振興会特別研究員。2006年、中央大学法学部在籍中に、都内の大学生・若手社会人を中心にNPO法人POSSEを設立。年間数百件の労働相談を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) --このテキストは、paperback_shinsho版に関連付けられています。
登録情報
- ASIN : B00B45DLNI
- 出版社 : 文藝春秋 (2012/11/20)
- 発売日 : 2012/11/20
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 2010 KB
- Text-to-Speech(テキスト読み上げ機能) : 有効
- X-Ray : 有効
- Word Wise : 有効にされていません
- 本の長さ : 198ページ
-
Amazon 売れ筋ランキング:
- 71,013位Kindleストア (の売れ筋ランキングを見るKindleストア)
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- - 1,161位ノンフィクション (Kindleストア)
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2016年4月30日に日本でレビュー済み
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2015年8月17日に日本でレビュー済み
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本書は「ブラック企業」に関して、職場の過酷な労働環境に悩む若者の相談にのる活動を行っている著者が、実際の事例を交えつつ論じている。
ブラック企業を取り扱う際、その議論は得てして、被害を受けた「個人」に焦点を当てられがちだ。むろん、労働者本人がどういった環境で働き、どういった課程を経て過労死等の事案につながってしまったのかという理解は必要であり、本書も個々の事案について丁寧に取り上げている。
しかし本書の主張はそれだけにとどまらない。ブラック会社は労働者個人だけではなく、日本の「社会」にとっても害悪をもたらす存在であるとも指摘しているのだ。たとえば、本来なら自社で責任を取ってケアするべきである、労働によって傷病を受けた労働者を、ブラック企業は強制的に解雇することによって、その責任を日本社会に転嫁している、と本書は述べている。こういった、社会問題としてブラック企業を取り上げる視点はなかなかに新鮮で興味深く読めた。
惜しむらくは、非正規雇用の増大や社会保険料の増加、若者の非婚化といった社会問題の原因を、丁寧な論証なくブラック企業に求めているように読めてしまう点だ。ブラック企業がそれら問題の一因であろうことには異論はないが、社会問題というものは普通、複数の条件が複雑に絡み合って立ちあがっているものだから、安易に原因を定めてしまうと、論理が飛躍しているように感じられてしまう。
そういった欠点はあるものの、日本の労働環境を良くしたいという意志が感じられる良書だと思う。
また、平成27年8月17日付けの産経新聞の記事によれば、著者をカルト呼ばわりしてネット上で誹謗中傷を繰り返していた「横浜市の30代の自称フリーデザイナーの男」(原文ママ)が書類送検されたという。著者はこの誹謗中傷により、講演やTV出演、大学院の授業に支障が出たらしい。男の素性は記事からはまったくわからないが、太古の昔から労使問題というのは血さえ流れる闘争につながりやすい。そういう問題に長年取り組み、ともすれば安易な「若者叩き」で終わりがちな労働環境問題に関して、若者視点で活動している著者を応援したいという気持ちもあって、☆5つをつけたい。
ブラック企業を取り扱う際、その議論は得てして、被害を受けた「個人」に焦点を当てられがちだ。むろん、労働者本人がどういった環境で働き、どういった課程を経て過労死等の事案につながってしまったのかという理解は必要であり、本書も個々の事案について丁寧に取り上げている。
しかし本書の主張はそれだけにとどまらない。ブラック会社は労働者個人だけではなく、日本の「社会」にとっても害悪をもたらす存在であるとも指摘しているのだ。たとえば、本来なら自社で責任を取ってケアするべきである、労働によって傷病を受けた労働者を、ブラック企業は強制的に解雇することによって、その責任を日本社会に転嫁している、と本書は述べている。こういった、社会問題としてブラック企業を取り上げる視点はなかなかに新鮮で興味深く読めた。
惜しむらくは、非正規雇用の増大や社会保険料の増加、若者の非婚化といった社会問題の原因を、丁寧な論証なくブラック企業に求めているように読めてしまう点だ。ブラック企業がそれら問題の一因であろうことには異論はないが、社会問題というものは普通、複数の条件が複雑に絡み合って立ちあがっているものだから、安易に原因を定めてしまうと、論理が飛躍しているように感じられてしまう。
そういった欠点はあるものの、日本の労働環境を良くしたいという意志が感じられる良書だと思う。
また、平成27年8月17日付けの産経新聞の記事によれば、著者をカルト呼ばわりしてネット上で誹謗中傷を繰り返していた「横浜市の30代の自称フリーデザイナーの男」(原文ママ)が書類送検されたという。著者はこの誹謗中傷により、講演やTV出演、大学院の授業に支障が出たらしい。男の素性は記事からはまったくわからないが、太古の昔から労使問題というのは血さえ流れる闘争につながりやすい。そういう問題に長年取り組み、ともすれば安易な「若者叩き」で終わりがちな労働環境問題に関して、若者視点で活動している著者を応援したいという気持ちもあって、☆5つをつけたい。
2016年1月7日に日本でレビュー済み
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ひどい話です。
これまで多くの労働相談を行ってきたという著者の憤りを感じました。
私は若者と呼ばれる世代ですが、ますます企業で働きたくないと思う。
これからは企業に頼らず自分で稼ぐ時代。
しかし、学校ではそんなこと教えてくれなかった。学校の在り方から間違えているのではないだろうか。
良い会社に入ることが良い人生ではない。そもそも誰にとっても良い会社なんてあるわけない。
企業で働く人向けに著者なりの対策も書かれていますが、それよりも、企業には頼りたくないというか自分の力で生き抜こうという意思のある人に読んでほしい。
ブラック企業の裏には、国の政策、制度問題も絡んでいるし、ますます個人に課されるものが多くなる時代だと思う。
これまで多くの労働相談を行ってきたという著者の憤りを感じました。
私は若者と呼ばれる世代ですが、ますます企業で働きたくないと思う。
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ブラック企業の裏には、国の政策、制度問題も絡んでいるし、ますます個人に課されるものが多くなる時代だと思う。
ベスト500レビュアー
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社会に出た務め人を襲う「属す組織のブラック化」である。
過剰なまでのサービス残業を強いて精神を病んだ社員・職員が自殺した事例が度々ニュースに出る。
残業代が払われているのは稀なケースで、未だに「サービス残業」という無賃金の状態がのさばる。
結局のところ、法制度に不備があり、人を安く使いたい企業側はその法制度の隙間を突いてくるのだ。
「36協定」など残業代を支払わなくていいことを公然と認めて、タイムカードなどで社員の労働時間を管理していない企業など山ほどあるだろう。
最初から「異常なまでの大量の採用」を行い、脱落者(退職者)が出ることを前提にした雇用をしている企業があること自体が異常である。社会人になったばかりの新卒は社会の常識が判らない部分が多く、法的な知識もないので「ブラック企業」の異常な就労形態も「そういうもの」と思い込んでしまう。
そして真面目な人間ほど「自分の責任である」と思い込み、さらに自分を追い込んでしまう。
体調を崩し、精神を病んでしまう。
別の問題で「引き篭もり」があるのだが、大きな原因と言うか切っ掛けの中で「学生時代のイジメ」と並んで多いのが、「社会に出て普通に働いていたのにブラック企業に入ってしまい心身を疲弊して引き篭もってしまう事例」が散見される。
つまり「ブラック企業」と「引き篭もり」は「原因」と「結果」の関係にあるのだ。
ということは、ブラック企業を撲滅することは引き篭もりを減らすことにも繋がるということになるだろう。
しかし、前述のように「法制度」が穴だらけのために企業のブラック化を防ぐよりも逆に促進してしまっている。
時代劇の喩えではないが「水戸黄門」で言うなら善人さん(社員)を苦しめる悪代官(企業)をのさばらせない黄門様(日本国)が必要ということである。
黄門様が悪代官に味方する水戸黄門など誰も観たくはないだろう。
過剰なまでのサービス残業を強いて精神を病んだ社員・職員が自殺した事例が度々ニュースに出る。
残業代が払われているのは稀なケースで、未だに「サービス残業」という無賃金の状態がのさばる。
結局のところ、法制度に不備があり、人を安く使いたい企業側はその法制度の隙間を突いてくるのだ。
「36協定」など残業代を支払わなくていいことを公然と認めて、タイムカードなどで社員の労働時間を管理していない企業など山ほどあるだろう。
最初から「異常なまでの大量の採用」を行い、脱落者(退職者)が出ることを前提にした雇用をしている企業があること自体が異常である。社会人になったばかりの新卒は社会の常識が判らない部分が多く、法的な知識もないので「ブラック企業」の異常な就労形態も「そういうもの」と思い込んでしまう。
そして真面目な人間ほど「自分の責任である」と思い込み、さらに自分を追い込んでしまう。
体調を崩し、精神を病んでしまう。
別の問題で「引き篭もり」があるのだが、大きな原因と言うか切っ掛けの中で「学生時代のイジメ」と並んで多いのが、「社会に出て普通に働いていたのにブラック企業に入ってしまい心身を疲弊して引き篭もってしまう事例」が散見される。
つまり「ブラック企業」と「引き篭もり」は「原因」と「結果」の関係にあるのだ。
ということは、ブラック企業を撲滅することは引き篭もりを減らすことにも繋がるということになるだろう。
しかし、前述のように「法制度」が穴だらけのために企業のブラック化を防ぐよりも逆に促進してしまっている。
時代劇の喩えではないが「水戸黄門」で言うなら善人さん(社員)を苦しめる悪代官(企業)をのさばらせない黄門様(日本国)が必要ということである。
黄門様が悪代官に味方する水戸黄門など誰も観たくはないだろう。
2014年1月19日に日本でレビュー済み
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以前から労働によって人間の命や心が危険に晒されていることは、自身の経験からも痛感しています。
「仕事だから」という理由で昼夜を問わず働き、僅かな時間だけ寝て、起床時からすでに息が上がっている状態。そんな状態でも「仕事だから」出勤し、それをこなすのが当たり前だと自分でも考えていました。それがこの本に記されている「洗脳」の状態だったのだと理解できました。
この国では安全や安心がよく叫ばれます。報道でも災害に対する安全性や食の安全、原発や放射能問題等はよく耳にします。
しかし労働に潜む危険性、特にうつ病や過労死、過労自殺からいかに身を守るのか。どのような考え方や知識が必要なのか。あまり聞きません。「洗脳」に不都合な情報は極力隠されるのでしょうか。
本書は現代日本の労働の歪な面を極めて鋭く指摘しており、対策等も記されています。学生には特に読んでおいてほしい一冊です。
これから子供さんが就職するという親御さんにもぜひ。現在の労働環境に予備知識があるのとないのとでは人生も違ってくるでしょう。報道でよく耳にするようになった「命を守る行動を」というのは災害だけではありません。労働に関してもそうです。
経済第一、景気回復という施策や活動の影で奴隷のように若者が、人間が使い潰されてゆく。それも周囲の目の届かない壁の内側で巧妙に、陰湿に。
自分の知人にも労働による自殺や精神崩壊に行き着いた者が何人かいます。他人事ではありません。人間を犠牲にして成り立つ経済活動はあってはならないと考えます。そのような社会を子や孫の世代に託すのでしょうか。国の借金や原発問題と同じくらい、喫緊の課題です。
何でもかんでもブラックブラックというのはおかしいですが、企業の違法な活動が正当化されていいはずもありません。
本書は旧態依然とした雇用観と価値観に基づく異常な労働環境を考えるには必読の一冊です。
「仕事だから」という理由で昼夜を問わず働き、僅かな時間だけ寝て、起床時からすでに息が上がっている状態。そんな状態でも「仕事だから」出勤し、それをこなすのが当たり前だと自分でも考えていました。それがこの本に記されている「洗脳」の状態だったのだと理解できました。
この国では安全や安心がよく叫ばれます。報道でも災害に対する安全性や食の安全、原発や放射能問題等はよく耳にします。
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