「ブラックアウト」と「オールクリア」。題名は異なるが2篇はいわば上下巻の1つの作品。日本では「オールクリア」が1と2に分かれて3冊となった。おなじみの、オックスフォード航時史学科学生が活躍するシリーズの一話なのだが、翻訳原稿で3,500枚というから、SFとしてはとんでもなく長い。
が、読み終わってみると「大長編」という感じはしない。物語の時間経過は5年程度だが、ほとんどは1940年から41年にかけての1年ほどが舞台となる。物語が凝縮しているのだ。なによりますます磨きがかかってきたコニー・ウィリスならではの怒濤の展開に時間を忘れて読みふけったせいでもある。
バトル・オブ・ブリテンは歴史の転換点のひとつだ。
アメリカが参戦しなければ、ダンケルク撤退が失敗すれば、ノルマンディー上陸が成功しなければ、空襲とV1、V2の飛来にロンドン市民が屈服したら・・・。ヨーロッパは、世界は今のようではなかったかもしれない。その名も「バトル・オブ・ブリテン」という防空線を描いたイギリス映画があって、こればなんとも勇ましく痛快な話だったが、実情はこの小説に近いものだったようだ。英国民は「ドイツ軍上陸」を本気で心配していた。
時間旅行が実現した未来から、3人の若者が歴史研究のためバトル・オブ・ブリテンにやってくる。危険はあるが、切り抜ける力を持った経験豊富な3人は、しかし原因不明の事態で時間に囚われてしまう。3人の主人公たちは力を合わせ、さまざまな困難と試練を乗り越えて死にものぐるいで自分の世界に帰ろうと苦闘する。彼らは無事帰還できるのか。あるいはこの時代に取り残されてしまうのか。彼らの行動が歴史を変容させ、第二次大戦の結果を変えることになるのか。
9.11に触発されて書き始めたという。物語は戦時下の人々と否応なく関わっていく3人を通して、戦争を生きる市民の姿を描き出していく。爆弾やV1、V2が降り注ぐ中を逃げ惑いながらもそれに耐え、立ち向かっていく人々。作者にはあの日のニューヨークと重ね会う風景に見えているのだろうか。
ブッラクアウト(空襲警報)で防空壕に逃げ込んだ人々はオールクリア(警報解除)によって、ある人はデパート売り場に戻り、ある人は芝居のリハーサルのために劇場に帰る。戦争の中にも日常はあり、爆撃機のエンジン音を聞き分けられるくらいには冷静になる。あるいはただ、慣れてしまうのだろうか。
リアルに過ぎて、抽象性はまるでなく、知の興奮はない。
「航路」を超える作品を期待したが、それは得られなかった。
ブラックアウト (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) (日本語) ペーパーバック – 2012/8/8
コニー・ウィリス
(著),
松尾たいこ
(イラスト),
渡邉民人(TYPEFACE)〔カバーデザイン〕
(イラスト),
大森 望
(翻訳)
&
1
その他
大森 望
(翻訳)
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本の長さ768ページ
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言語日本語
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出版社早川書房
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発売日2012/8/8
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ISBN-104153350052
-
ISBN-13978-4153350052
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
2060年、オックスフォード大学の史学生三人は、第二次大戦下のイギリスでの現地調査に送りだされた。メロピーは郊外の屋敷のメイドとして疎開児童を観察し、ポリーはデパートの売り子としてロンドン大空襲で灯火管制(ブラックアウト)のもとにある市民生活を体験し、マイクルはアメリカ人記者としてダンケルク撤退における民間人の英雄を探そうとしていた。ところが、現地に到着した三人はそれぞれ思いもよらぬ事態にまきこまれてしまう…続篇『オール・クリア』とともにヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞の三賞を受賞した、人気作家ウィリスの大作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ウィリス,コニー
1945年、コロラド州デンヴァー生まれ。1971年のデビュー以来、長篇・短篇で数多くのSF賞を受賞している。オックスフォード大学史学部のタイムトラベルものの長篇『ドゥームズデイ・ブック』でヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を、『犬は勘定に入れません』でヒューゴー賞とローカス賞を受賞している
大森/望
1961年生、京都大学文学部卒。翻訳家・書評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1945年、コロラド州デンヴァー生まれ。1971年のデビュー以来、長篇・短篇で数多くのSF賞を受賞している。オックスフォード大学史学部のタイムトラベルものの長篇『ドゥームズデイ・ブック』でヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞を、『犬は勘定に入れません』でヒューゴー賞とローカス賞を受賞している
大森/望
1961年生、京都大学文学部卒。翻訳家・書評家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2012/8/8)
- 発売日 : 2012/8/8
- 言語 : 日本語
- ペーパーバック : 768ページ
- ISBN-10 : 4153350052
- ISBN-13 : 978-4153350052
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 57,338位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 510位SF・ホラー・ファンタジー (本)
- - 867位英米文学
- - 873位英米文学研究
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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2013年11月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ブラックアウトはあくまでも前編で物語はオールクリアに続くことや、内容については他の方のレビューにも書かれている通りです。
とにかく長いのと、複数の時代/場所で行動する主人公たちの物語が入れ替わり立ち代わり描かれるので、時々、この人って前にも出てたっけ?とか、この場所って誰がいたんだっけ?というのがふとわからなくなったりするのですが、Kindle版では単語で検索できるので便利ですね。また、夜中にブラックアウトを読み終えても、オールクリアを買ってダウンロードしたら読み進むことができたのも便利でした。
とにかく、ブラックアウトの段階では謎の多い展開。オールクリアを読み進めるのが楽しみです。
とにかく長いのと、複数の時代/場所で行動する主人公たちの物語が入れ替わり立ち代わり描かれるので、時々、この人って前にも出てたっけ?とか、この場所って誰がいたんだっけ?というのがふとわからなくなったりするのですが、Kindle版では単語で検索できるので便利ですね。また、夜中にブラックアウトを読み終えても、オールクリアを買ってダウンロードしたら読み進むことができたのも便利でした。
とにかく、ブラックアウトの段階では謎の多い展開。オールクリアを読み進めるのが楽しみです。
2012年10月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
あらすじは省く。「内容紹介」を読んでください。
2日間、何も手に着かなかった。8年がかりで執筆という大作の上巻。あまりに早く読んでしまっては作者に申し訳ないし、もったいないと思いつつ、なにしろ他のことが何もできないので、一気に読んだ。
前作・黒死病のさなかへ赴いてしまう「ドゥームズデイブック」もそうだか、この「ブラックアウト」でも第二次大戦下のイギリスに生きる庶民の姿が心を打つ。デパートの包装のしかたから下宿屋のまかない事情まで、ディテールに凝りまくった描写と、個性的な「時代人」たち。
あらためて、いくつもの大戦やテロで命を奪われた人々はこういう人々だったのだと思い、それは私だったと思う。
これほどにコニー・ウイリスに惹かれるのは、彼女の愛があるからこそ、と。
上と下を貫く大きな謎は、なぜネットが開かないのか?現代のオックスフォードに何か起こったのか?そして、マイクが一人の兵士を救ったことにより、歴史を変えてしまったのか?ーーという謎であろう。
しかし、この厚さのハヤカワ銀背表紙は辛い。ページを無理に開けようとしたら、数ページ落剥してしまった。たとえコストが上がっても、ハードカバーで出してもらいたかったーーが。そうしたら、「ブラックアウト」だけで上下2巻になっちゃうか。全部あわせて4冊・・は、無理ですね。
来年4月の「オールクリア」が待ち遠しいというよりも、ほとんど拷問だ。
それまで生きていたいなあと思わせる作品。
2日間、何も手に着かなかった。8年がかりで執筆という大作の上巻。あまりに早く読んでしまっては作者に申し訳ないし、もったいないと思いつつ、なにしろ他のことが何もできないので、一気に読んだ。
前作・黒死病のさなかへ赴いてしまう「ドゥームズデイブック」もそうだか、この「ブラックアウト」でも第二次大戦下のイギリスに生きる庶民の姿が心を打つ。デパートの包装のしかたから下宿屋のまかない事情まで、ディテールに凝りまくった描写と、個性的な「時代人」たち。
あらためて、いくつもの大戦やテロで命を奪われた人々はこういう人々だったのだと思い、それは私だったと思う。
これほどにコニー・ウイリスに惹かれるのは、彼女の愛があるからこそ、と。
上と下を貫く大きな謎は、なぜネットが開かないのか?現代のオックスフォードに何か起こったのか?そして、マイクが一人の兵士を救ったことにより、歴史を変えてしまったのか?ーーという謎であろう。
しかし、この厚さのハヤカワ銀背表紙は辛い。ページを無理に開けようとしたら、数ページ落剥してしまった。たとえコストが上がっても、ハードカバーで出してもらいたかったーーが。そうしたら、「ブラックアウト」だけで上下2巻になっちゃうか。全部あわせて4冊・・は、無理ですね。
来年4月の「オールクリア」が待ち遠しいというよりも、ほとんど拷問だ。
それまで生きていたいなあと思わせる作品。
2012年10月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こんなに、分厚い本なのに、「つづく」ですか?勘弁してください、大森望様、ハヤカワ様。当方、老い先短いんですから。もう、続きが、見たくて、矢も楯もたまらん感じ。久し振りの航時シリーズの新作に、いそいそ見たら、この分厚さ。1冊なのに、袋じゃなくて、箱入りだし・・・(高いし)。
中身は、いつもの作者らしく、こってり無理無理設定の連続で、おまけに情景描写が、長々と続く所を、一気に読ませてくれる。これだけだらだら書いておいて、緊張感を崩さず読ませる所が、やっぱり凄い。その中でも、空襲に対する、恐怖、緊張、悲しみ、ショック状態、子供たちの悲惨さなど、当時の心を、細やかに伝えてくれる。わが父も、こういう下に、居たんだと、感慨一入。
主人公は、3人と書いてあるけど、準主人公含むと、どうも、5〜6人が、2次大戦のブラックアウト下を、異なる時間軸を持ちながら駆け巡る様子。良く破綻しないものだと、感心。(尤も、破綻していても、当方は気が付かないと思うが・・・)
兎も角、早く続きを見たい。出版社様、翻訳者様、何卒、早めのご対応を・・・
中身は、いつもの作者らしく、こってり無理無理設定の連続で、おまけに情景描写が、長々と続く所を、一気に読ませてくれる。これだけだらだら書いておいて、緊張感を崩さず読ませる所が、やっぱり凄い。その中でも、空襲に対する、恐怖、緊張、悲しみ、ショック状態、子供たちの悲惨さなど、当時の心を、細やかに伝えてくれる。わが父も、こういう下に、居たんだと、感慨一入。
主人公は、3人と書いてあるけど、準主人公含むと、どうも、5〜6人が、2次大戦のブラックアウト下を、異なる時間軸を持ちながら駆け巡る様子。良く破綻しないものだと、感心。(尤も、破綻していても、当方は気が付かないと思うが・・・)
兎も角、早く続きを見たい。出版社様、翻訳者様、何卒、早めのご対応を・・・
2012年9月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
オックスフォード大史学部シリーズ最大長編の第一部。
今回は第二次大戦下のイギリス。男子学生一人と女子学生二人が1940年に降下するが、いずれも降下地点が使えなくなり回収チームの到来を待たねばならない事になるが、何故か回収チームが来る気配が無くて・・・
冒頭で降下チームの一人ポリーに熱を上げている高校生のコリンが何か企んでいる様子だったのが、おそらく伏線。ラストに登場した第四の降下者がそうだろう。過去で何年か過ごしてポリーと釣り合う年齢になろうと画策したのだろうが、回収チームが来ていないのは彼が何かやらかして新しい降下地点が開かなくなったのではないだろうか。それにしてもポリーは何気に自己中心的。一方のメロピーとマイクルは他者に対して結構献身的。
子供たちも良い。特に悪ガキ連中は生き生きして魅力的。但し、こいつらの親や教師の立場にはなりたくない。
なお、1944年に男子二人、1945年に女子一人、何やら活動しているので、この連中が回収チームなのではないだろうか。すると、その辺りの年代まで新しい降下地点を開けなかったと云う事か。
続きの「オール・クリア」が気になる。
今回は第二次大戦下のイギリス。男子学生一人と女子学生二人が1940年に降下するが、いずれも降下地点が使えなくなり回収チームの到来を待たねばならない事になるが、何故か回収チームが来る気配が無くて・・・
冒頭で降下チームの一人ポリーに熱を上げている高校生のコリンが何か企んでいる様子だったのが、おそらく伏線。ラストに登場した第四の降下者がそうだろう。過去で何年か過ごしてポリーと釣り合う年齢になろうと画策したのだろうが、回収チームが来ていないのは彼が何かやらかして新しい降下地点が開かなくなったのではないだろうか。それにしてもポリーは何気に自己中心的。一方のメロピーとマイクルは他者に対して結構献身的。
子供たちも良い。特に悪ガキ連中は生き生きして魅力的。但し、こいつらの親や教師の立場にはなりたくない。
なお、1944年に男子二人、1945年に女子一人、何やら活動しているので、この連中が回収チームなのではないだろうか。すると、その辺りの年代まで新しい降下地点を開けなかったと云う事か。
続きの「オール・クリア」が気になる。
ベスト500レビュアー
未来の史学生三人がタイムトラベルで過去のイギリスに行くが・・・というお話。
一応SFの枠組みを使って書かれてますが、本質は歴史小説として読めました。一人は空襲下の庶民の生活を、一人は学童疎開する子供の生活を、一人は史上最大の撤退があった事件を取材するという三人称多視点の歴史小説ではないかと。このタイムトラベルで大変なのが、過去の事象や人間関係にあまり影響を与えてはならないという所で、影響を与えると未来の歴史が変わってしまってまずいのでという部分。一緒に生活していれば、それなりに人間関係が出来て、影響を与えざるを得ないと思うので、主人公たち三人が四苦八苦して影響を最小限度に留めようとする所に本書の最大の読み所があるように思えました。その他でも大戦下の日常の庶民の営為がよくリサーチされて書いてあり、最初に述べたように歴史小説としてとてもよく出来ているように思えました。
上下二段組み七百ページを超える超大作で、やっと読み終えたと思ったら、更に長い続編があるということで、唖然としました。このウィリスという作家、只者ではありません(というか、ちょっとおかしいんではないかとも少し感じますが・・・)。
SFの枠組みを巧みに用いた歴史改変小説の傑作。是非ご一読を。
一応SFの枠組みを使って書かれてますが、本質は歴史小説として読めました。一人は空襲下の庶民の生活を、一人は学童疎開する子供の生活を、一人は史上最大の撤退があった事件を取材するという三人称多視点の歴史小説ではないかと。このタイムトラベルで大変なのが、過去の事象や人間関係にあまり影響を与えてはならないという所で、影響を与えると未来の歴史が変わってしまってまずいのでという部分。一緒に生活していれば、それなりに人間関係が出来て、影響を与えざるを得ないと思うので、主人公たち三人が四苦八苦して影響を最小限度に留めようとする所に本書の最大の読み所があるように思えました。その他でも大戦下の日常の庶民の営為がよくリサーチされて書いてあり、最初に述べたように歴史小説としてとてもよく出来ているように思えました。
上下二段組み七百ページを超える超大作で、やっと読み終えたと思ったら、更に長い続編があるということで、唖然としました。このウィリスという作家、只者ではありません(というか、ちょっとおかしいんではないかとも少し感じますが・・・)。
SFの枠組みを巧みに用いた歴史改変小説の傑作。是非ご一読を。
2016年4月21日に日本でレビュー済み
西暦2060年の学生3人が第二次世界大戦中の英国にタイムトラベルして、そこで騒動に出くわす物語。何も起こらなければ、大戦中の出来事を実地調査して現代(2060年)に戻るだけの話である。もちろんそれではお話にならないので、タイムトラベル前から突然のスケジュール変更(変更理由は明かされていない)などもあり、何かハプニングが起こることを予感させる。当然だが、過去に送られた3人はそれぞれ想定外の出来事が起こり、現代に戻れない状況に陥る。3人がそれぞれ微妙なすれ違いがあったり、読者をやきもきさせる。「あー、出かけるんじゃなくて、そこで待ってろよ」と何度思ったことか。そんな煮え切らない状況のまま本書は終わる。続きは続編の「オールクリア」でってことだ。3人が過去に置いてけぼりにされている状況からどのように帰還できるのか、次巻を読むのが楽しみである。