最初の出版が1884年といったら125年前。今でこそ、ひも理論から高次元宇宙が予測されるようになり、最近の宇宙物理学関連の書物で「多大な影響を与えた素晴らしい文献」と引用されて脚光を浴びるようになった当該本は、二次元世界の人達に三次元(以上)のことを説明しようとしたらどうなるかといった切り口を手始めとする物語になっています。
最近のように、11次元空間の中に我々3-4次元が浮かんでいるのかもしれないとするブレーン宇宙論や、多次元は小さく丸まっていてカラビーヤウ空間になっているとか、具体的なイメージがさっぱり持てないのですが、この本のように3次元を常識的感覚として持ちつつ2次元世界を考えていくのは良い入門になると楽しみにこの本を購入しました。
しかし、結構読み難い本でしたね。というのは、フラットランド自体の物語はシンプルで楽しいのですが、この物語の奥底に流れる数学的な意味合いや多くの科学者に影響を与えた意義付けも大いに知って欲しいといった感じで制作・編集者による意欲作に仕立てあげてしまっており、物語以外の部分が極めて大量かつ仰々しく、素直に物語を楽しめない本でした。
だいたい、物語が始まる前の「はじめに」「まえがき」で84ページ! その後も物語が3ページほどで1章が終わると、その都度詳細な説明文(作者の意図や背景、算数的な意味合いや科学的な意味合いなど)が5-8ページほど登場。図形などもたくさん出てきて、幾何学などの解説が続きます…。
製作者側がこの本が表現しようとする「深さ」を知ってもらおうとする意欲は良く分かるのですが、物語を素直に読んで「空想」などを楽しむといったところではなく、物語が細かく切られては小難しい解説文を延々と読まされます。
フラットランドという次元にかかる物語を楽しむというより、この物語をつまみにして代数幾何学を勉強したいといった人向けかな。大量の解説を書いているのは数学者。なんだか何を狙っているのか分からない仕上がりの本になってしまいましたね…。
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フラットランド 単行本 – 2009/3/19
エドウィン・アボット・アボット
(著),
冨永 星
(翻訳)
ダブルポイント 詳細
平面上のユークリッド幾何の奇妙さとおもしろさを、物語仕立てで紹介した、1884年出版の古典です。日本では、『二次元の世界』(講談社ブルーバックス、1977年)、『多次元★平面国』(東京図書、1992年)として翻訳出版されましたが、現在はいずれも絶版となっており、日本では17年ぶりの出版となります。イアン・スチュアートがこの『フラットランド』にヒントを得て執筆したのが、『2次元より平らな世界』(早川書房、原題はFlatterland)であり、その執筆後にアボットの『フラットランド』に詳細な注釈を付けたのが本書です。次元とは何か、ユークリッド幾何と非ユークリッド幾何、などについてのやさしい読み物になっており、『不思議の国のアリス』、『鏡の国のアリス』などと並んで、現代の書籍で引用される機会が数多くあります。たとえば、『ワープする宇宙』、『エレガントな宇宙』、『もっとも美しい対称性』、『ポアンカレ予想を解いた数学者』など、現代の数多くのポピュラーサイエンス書で引用される、まさに古典です。
- 本の長さ416ページ
- 言語日本語
- 出版社日経BP
- 発売日2009/3/19
- ISBN-104822283844
- ISBN-13978-4822283841
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登録情報
- 出版社 : 日経BP (2009/3/19)
- 発売日 : 2009/3/19
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 416ページ
- ISBN-10 : 4822283844
- ISBN-13 : 978-4822283841
- Amazon 売れ筋ランキング: - 226,356位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 344位代数・幾何
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2009年5月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2013年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
まず、この本はエドウィン・アボット・アボットのフラットランドをイアン・スチュアートが独自の研究に基づき注釈を入れたものです。
原作の第二部からは引き込まれる面白さがあります。2次元空間の制限を考えることによって4次元空間があるとすればどのようなものかというのが、感覚的に想像しやすくなりました。
それに対して注釈のほうは、原文に*記号をたくさんちりばめて、章の終わりに原作者の人となりとか、シェークスピアの解説とか、当時の科学者についてとか、関連のある数学的な事項とかが詳しく書かれています。詳しいのはいいのですが、バラバラに記述されているのでまったく引き込まれるような部分はなく、読む気にはならないと思います。
原作の部分だけ先に読んで、注釈はパラパラと読む程度でいいんじゃないでしょうか。
あと、原作の第一部は女性蔑視・軽視だった当時のイギリスへの批判が強いのであまり面白くなかったです。
原作の第二部からは引き込まれる面白さがあります。2次元空間の制限を考えることによって4次元空間があるとすればどのようなものかというのが、感覚的に想像しやすくなりました。
それに対して注釈のほうは、原文に*記号をたくさんちりばめて、章の終わりに原作者の人となりとか、シェークスピアの解説とか、当時の科学者についてとか、関連のある数学的な事項とかが詳しく書かれています。詳しいのはいいのですが、バラバラに記述されているのでまったく引き込まれるような部分はなく、読む気にはならないと思います。
原作の部分だけ先に読んで、注釈はパラパラと読む程度でいいんじゃないでしょうか。
あと、原作の第一部は女性蔑視・軽視だった当時のイギリスへの批判が強いのであまり面白くなかったです。
2016年12月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
どうしても読みたくて1万円で古本を購入しました。Kindleの電子書籍で出ていますので、小説を読みたいだけなら、そちらで読まれてもいいと思います。細かい注釈があり、数学的な解説を著者に期待するのならこちらはいいと思います。
2018年8月15日に日本でレビュー済み
The Annotated Flatland: A Romance of Many Dimensions (英語) ペーパーバック – 2008/7/21
Ian Stewart著
として、amazon(日本)でも販売されています。和訳版はすでにプレミア価格になっていますが、原著は適正価格(kindle版もあります)で販売されています。
どうしてもイアン・スチュアートの詳細な解説を参考にしたい方は、こちらもお薦めです。
Ian Stewart著
として、amazon(日本)でも販売されています。和訳版はすでにプレミア価格になっていますが、原著は適正価格(kindle版もあります)で販売されています。
どうしてもイアン・スチュアートの詳細な解説を参考にしたい方は、こちらもお薦めです。
2009年5月22日に日本でレビュー済み
注が多いという方がおられるが、気になった部分の注だけを読めばよいはずである。注を最初から一つ一つ読む方はおられないはずである。むしろ、今までの日本語訳の本が事実上絶版となっており、古書では1万円近く(薄っぺらの本なのに)する現状に対し、普通に入手できる日本語訳の本が出たことを喜びたい。今までの日本語訳が直訳調で堅かったのに対し、プロの翻訳でわかりやすくなったし、丁寧な注を参照できることで星5つだと思う。


