~ネタバレありあらすじ~
アスペでゲーマーの中堅大卒男が新聞の募集広告をきっかけに2000年代に勃興したプロップハウスという自己勘定取引業者の指数トレーダーになり異様な集中力とパターン認識力で頭角を現す。稼いだカネを使うことには興味がなく、ひたすら自己のポジションを巨大化することに没頭する。。。。。。。。。。
独立してどんどん巨大化。そのうちに市場を席巻するアルゴリズムをやっつけようと見せ玉を駆使し始める。アルゴリズムに勝つためだということで見せ玉の規模やインパクトがどんどんえげつなくなり世界一レベルとなる。そんなところへ2010年にフラッシュクラッシュが発生、当局による原因調査の過程で、ある男の存在が浮上する。。。。
~解説・感想~
本書の舞台となる2000年代後半から2010年代半ばあたりは当局の監視能力や規制が現実に追いついていなかったことで見せ玉や不正取引(当時は違法ではない)が横行、見せ玉などの不正取引を効率よく行うためのプログラム開発、市場参加者からかすめ取るための仕組み構築など脱法的な非道邪道取引が多く行われていた。
主人公はあまりに見せ玉規模が巨大だったので逮捕は妥当なものだったと考えるが、見せしめによる逮捕といった側面もあり、本書でも本人の悪意云々による犯行としては描かれない。他者の迷惑を顧みることなくただ取引上の敵であるアルゴリズムを利用して収益という数字を追い求めることに没頭していた30代半ばの実家住み独身男、生活水準はいたって普通のままで家族や周囲には自分が数十億円規模で儲けていることは言っていなかった。時代が生み出したモンスターだと言えるだろう。
巨大企業となった高頻度取引業者などは何のペナルティもなく我が世の春を謳歌し続けており、見せ玉禁止規則を逆手にとって自社の取引アルゴの邪魔をする人間を不法取引だと当局に通報するようなことも起きているとのこと。取引所は公正ではなく、高頻度取引業者の幹部が取引所の運営理事だったり両社は共犯のグルという関係にある。この辺の問題も描かれている。日本でもこの時期に東証が高頻度取引業者の注文欲しさに高頻度取引業者優遇ルールをガバっと導入した。
本書はこの事件の裁判や男の周辺を取材して構成したもの。本人への直接取材はない。板に基づく見せ玉などの具体的手法がここまで詳細に語られた本は稀であると思うので良書。
VINEメンバーとかいう、そもそも本書に興味はないけどレビューを頼まれたから読んでレビューしてみましたっていう人達のレビューがここは多いみたいで、、、実際に株や指数先物のトレーディングを経験した人間なら興味をもって読めるだろう。
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フラッシュ・クラッシュ Flash Crash たった一人で世界株式市場を暴落させた男 単行本 – 2020/11/27
購入を強化する
たった一人でウォール街のアルゴリズムを解読・操作した天才の真実
ナビンダー・シン・サラオ、通常ナブ。36歳・男性。
両親と一緒にロンドン郊外の小さな家に住み、子ども部屋に設置した
古いコンピュータを使って株の取り引きをしていた。
酒もタバコもやらず、質素な生活を送るこの男が
莫大な富を蓄え、世界の金融システムを崩壊させた──!?
元ブルームバーグ記者が5年の綿密な取材で明らかにした、衝撃の犯人像。映画化決定!
これは、優れた頭脳を持ち、金融システムを補強する「配管」を理解し、規制当局が居眠り運転をしている間に平凡な投資家たちから数十億ドルをかすめ取る、新たな金融エリートが出現した物語だ。
これは、業界が自動化されてロボットが人間に取って代わり、人間が大きな代償を払った物語である。
そして、一人の男が自分に配られたカードを受け入れず、巨大な権威に戦いを挑んだ物語なのだ。
ナビンダー・シン・サラオ、通常ナブ。36歳・男性。
両親と一緒にロンドン郊外の小さな家に住み、子ども部屋に設置した
古いコンピュータを使って株の取り引きをしていた。
酒もタバコもやらず、質素な生活を送るこの男が
莫大な富を蓄え、世界の金融システムを崩壊させた──!?
元ブルームバーグ記者が5年の綿密な取材で明らかにした、衝撃の犯人像。映画化決定!
これは、優れた頭脳を持ち、金融システムを補強する「配管」を理解し、規制当局が居眠り運転をしている間に平凡な投資家たちから数十億ドルをかすめ取る、新たな金融エリートが出現した物語だ。
これは、業界が自動化されてロボットが人間に取って代わり、人間が大きな代償を払った物語である。
そして、一人の男が自分に配られたカードを受け入れず、巨大な権威に戦いを挑んだ物語なのだ。
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社KADOKAWA
- 発売日2020/11/27
- 寸法18.8 x 12.8 x 2 cm
- ISBN-104041062128
- ISBN-13978-4041062128
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
ナビンダー・シン・サラオ、通称ナブ。36歳・男性。両親と一緒にロンドン郊外の小さな家に住み、子ども部屋に設置した古いコンピューターを使って株の取引をしていた。酒もタバコもやらず、質素な生活を送るこの男が莫大な富を蓄え、世界の金融システムを崩壊させた―!?史上最悪の市場大暴落事件の真相。2010年5月6日、わずか30分間のあいだに世界の金融市場は奈落の底を見た。5年の綿密な取材と調査によって明らかになった、衝撃の犯人像。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ヴォーン,リアム
ブルームバーグ及びブルームバーグ・ビジネスウィークの調査ジャーナリスト。ビジネス・ジャーナリズムの分野における功績によって、ジェラルド・ローブ賞を受賞。金融ジャーナリズムの分野ではハロルド・ウィンコット賞を受賞している。ロンドン在住
岡村/桂
青山学院大学国際政治経済学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ブルームバーグ及びブルームバーグ・ビジネスウィークの調査ジャーナリスト。ビジネス・ジャーナリズムの分野における功績によって、ジェラルド・ローブ賞を受賞。金融ジャーナリズムの分野ではハロルド・ウィンコット賞を受賞している。ロンドン在住
岡村/桂
青山学院大学国際政治経済学部卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : KADOKAWA (2020/11/27)
- 発売日 : 2020/11/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 320ページ
- ISBN-10 : 4041062128
- ISBN-13 : 978-4041062128
- 寸法 : 18.8 x 12.8 x 2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 412,855位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 296位証券・金融市場
- - 43,475位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち3.8
星5つ中の3.8
46 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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VINEメンバー
日本ではあまり知られていない事件の話であり、またある程度金融市場やスプーフィング、アルゴリズムについてある程度知識や経験がないと興味と実感を持って読むことは出来ず、割と読む人を選ぶ本です。
最低限度何らかの投資をやっていて、マイケル・ルイスのフラッシュ・ボーイズを読んだことはあるくらいの読者でないと、惹かれる話ではないかと思います。
ただし文章や翻訳は平易で分かりやすく、専門用語等の解説もしっかりしているので、興味さえあれば読み進めることが困難な本ではないです。
中身は文字通りたった一人でウォール街の名だたる投資銀行が大金を投じて作り上げたAIを弄んだナブの話です。
マイケル・ルイスの著作とよく似た題材ですが、成功譚ではなく、あくまで事件の前後を解説したドキュメンタリーといった感じです。
自分はAIによる高速取引やそのアルゴリズムの開発などをやっているわけではなく、せいぜい個人の投資ルールを考える程度ではありますが、その極限とも言えるAIとそのクラッシュについて知ることで、文字通り知見が広がった感じです。
少なくとも自分がやっていることは遥か前に先人達が通り越したものであることを身を以て知って落ち込むと同時に、この世界の広さも実感できました。
先述のように内容は万人受けするものではないですが、目に見えない値動きの意図や仕組み、及びそれを取り巻く人や社会について興味がある方なら実りの多い本だと思います。
最低限度何らかの投資をやっていて、マイケル・ルイスのフラッシュ・ボーイズを読んだことはあるくらいの読者でないと、惹かれる話ではないかと思います。
ただし文章や翻訳は平易で分かりやすく、専門用語等の解説もしっかりしているので、興味さえあれば読み進めることが困難な本ではないです。
中身は文字通りたった一人でウォール街の名だたる投資銀行が大金を投じて作り上げたAIを弄んだナブの話です。
マイケル・ルイスの著作とよく似た題材ですが、成功譚ではなく、あくまで事件の前後を解説したドキュメンタリーといった感じです。
自分はAIによる高速取引やそのアルゴリズムの開発などをやっているわけではなく、せいぜい個人の投資ルールを考える程度ではありますが、その極限とも言えるAIとそのクラッシュについて知ることで、文字通り知見が広がった感じです。
少なくとも自分がやっていることは遥か前に先人達が通り越したものであることを身を以て知って落ち込むと同時に、この世界の広さも実感できました。
先述のように内容は万人受けするものではないですが、目に見えない値動きの意図や仕組み、及びそれを取り巻く人や社会について興味がある方なら実りの多い本だと思います。
2021年9月9日に日本でレビュー済み
UKで暮らすインド移民が持ち前の直観力や胆力でEミニS&P500という先物を自宅から電子取引し、主としてスプーフィングという手法を使い大儲けした話。2010.5.6に起きたフラッシュ・クラッシュには直接の関係は認められていない。その時その主人公はPCを閉じていた。
「善意の取引」ではないだけで、別にその時点では犯罪でもなく、実際他のトレーダーや業者は超高速取引やフロント・ランニングなどを同じようにやっており、それらもまた別段犯罪として認められていなかった。フラッシュ・クラッシュも問題にはなったが一度は沈静化していたのに、名誉欲や出世欲に取りつかれたUSの検察官が蒸し返し、管轄圏でも無いUKの主人公を、UK政府に身柄引き渡しを無理やり認めさせ逮捕する。いつものUSの力による正義である。読んでて苦々し思いがした。
最終章で、協力して取引プログラムを作ったプログラマーが無罪となり、司法省はメンツを失ったなどと書かれていたところが痛快だった。
もし同じようなことをUSの軍部や政府がやってたら犯罪になるだろうか。自分達がやれば善、他国がやれば悪、自分らの爽快感や名誉欲でその時点で犯罪でなかったものまで犯罪にしてしまう。USは世界のガンである。
「善意の取引」ではないだけで、別にその時点では犯罪でもなく、実際他のトレーダーや業者は超高速取引やフロント・ランニングなどを同じようにやっており、それらもまた別段犯罪として認められていなかった。フラッシュ・クラッシュも問題にはなったが一度は沈静化していたのに、名誉欲や出世欲に取りつかれたUSの検察官が蒸し返し、管轄圏でも無いUKの主人公を、UK政府に身柄引き渡しを無理やり認めさせ逮捕する。いつものUSの力による正義である。読んでて苦々し思いがした。
最終章で、協力して取引プログラムを作ったプログラマーが無罪となり、司法省はメンツを失ったなどと書かれていたところが痛快だった。
もし同じようなことをUSの軍部や政府がやってたら犯罪になるだろうか。自分達がやれば善、他国がやれば悪、自分らの爽快感や名誉欲でその時点で犯罪でなかったものまで犯罪にしてしまう。USは世界のガンである。
VINEメンバー
自宅の子ども部屋を拠点とし、株の取引をしていた青年、ナブ。
彼が2010年に引き起こした株式市場崩壊と逮捕、服役、その後のナブの様子が記録されたルポルタージュである。
あらすじを見て、さぞ手に汗握るピカレスクロマンなのかと思いきや、終始淡々とした文体で綴られ、正直、経済や株取引にかなり興味がないと眠気を誘う単調さだ。
しかし、そんな中でもナブの観察眼や発達障害の傾向があるのかなと首をかしげる拘りのきつさ等気になる箇所がいくつかあり、トレーディングのヒーロー等と彼を過大評価はしたくないがナブだからこそ見えるものや世界があったのだろうなと、資料のスクラップブックのようなこの本の隙間から彼の人となりを感じた。
退屈ではあったがためにはなったので星3つ。
彼が2010年に引き起こした株式市場崩壊と逮捕、服役、その後のナブの様子が記録されたルポルタージュである。
あらすじを見て、さぞ手に汗握るピカレスクロマンなのかと思いきや、終始淡々とした文体で綴られ、正直、経済や株取引にかなり興味がないと眠気を誘う単調さだ。
しかし、そんな中でもナブの観察眼や発達障害の傾向があるのかなと首をかしげる拘りのきつさ等気になる箇所がいくつかあり、トレーディングのヒーロー等と彼を過大評価はしたくないがナブだからこそ見えるものや世界があったのだろうなと、資料のスクラップブックのようなこの本の隙間から彼の人となりを感じた。
退屈ではあったがためにはなったので星3つ。
VINEメンバー
これはもう「読む人を選ぶ」としかいいようがない(どの本もそうなってしまうんだけど)。
スタートはちょっとドキドキさせるような展開に心躍る部分もあったのですが、結構細かな手法などの説明になってくるとかなり入り組んでいて物語としての爽快感がなくなってしまいました。
映画化決定ということらしいですが、うまくその面白い部分だけを重ねて映像化していけばなかなか面白い映画作品になるとも思います。 本としてはもう少しなにか工夫があったら一層楽しめたのかな?と思いつつ、説明もしっかり必要だから仕方ないのかもしれないな、と思ったりもして。
結構細かいところまで説明を聞くのが楽しいという人にはかなり楽しめる一冊にはなっていると思います。
スタートはちょっとドキドキさせるような展開に心躍る部分もあったのですが、結構細かな手法などの説明になってくるとかなり入り組んでいて物語としての爽快感がなくなってしまいました。
映画化決定ということらしいですが、うまくその面白い部分だけを重ねて映像化していけばなかなか面白い映画作品になるとも思います。 本としてはもう少しなにか工夫があったら一層楽しめたのかな?と思いつつ、説明もしっかり必要だから仕方ないのかもしれないな、と思ったりもして。
結構細かいところまで説明を聞くのが楽しいという人にはかなり楽しめる一冊にはなっていると思います。
ベスト500レビュアーVINEメンバー
たった一人で暴落させた、と聞くとなんかすごそう!ハリウッド!みたいな感じがしますが、実情は
ただただ数字を追い求めることが目的になっている、でも稼いだ金には興味がない、一人の淡々と
実家暮らしをする男性の不思議な生態観察でもあって、なんで?何でそうしようと思った?なんで?
と思い始めると読み進めるのが苦になります…。その答えはないから。
とはいえ、金融知識が少しでもあると楽しめる本であるのも間違いなく、現在の世界の金融市場が
またどこかで転換期を迎える時には、この主人公のような人が何か起こすんだろうなぁという
ちょっとした普遍性を感じさせるものでもあります。
ただただ数字を追い求めることが目的になっている、でも稼いだ金には興味がない、一人の淡々と
実家暮らしをする男性の不思議な生態観察でもあって、なんで?何でそうしようと思った?なんで?
と思い始めると読み進めるのが苦になります…。その答えはないから。
とはいえ、金融知識が少しでもあると楽しめる本であるのも間違いなく、現在の世界の金融市場が
またどこかで転換期を迎える時には、この主人公のような人が何か起こすんだろうなぁという
ちょっとした普遍性を感じさせるものでもあります。









