デビューアルバムは衝撃的で今でも名盤だと思いますが、
それ以降、ジュリアンのアルバムは聴く気になれず、
このアルバムの購入はホント久しぶりでした。
最初聴いてから2度3度まではどうしてもジョンレノンとの比較をしてしまい
どうしても評論の立場で音楽を聴いていた自分が居ましたが、
そのうち、いくつかのメロディーが自然と耳に残り始め
「また聴きたい」と感じるアルバムでした。
声があまりに父ジョンレノンに似ているが故にどうしても
父と比較されてしまうと言う辛い境遇を潜ってきた人だと思いますが
ここに来て、ある意味吹っ切れたような印象すら感じられます。
「I Don't Wanna Know」なんてどう聞いても初期のBeatlesサウンドを意識しているし
他の曲にもジョンやビートルズを思い起こさせるフレーズが散りばめられていたりしますが
もうジュリアンの中ではそう言う事は逆に逆手に取って、
遊んでいるような余裕が感じられたりもする好感の持てるアルバムです。
デビュー時には声がジョンに似ているが故にメディアから揶揄もされ
似ているが故に父を超えられない、認められないジュリアンの苛立ち苦しみも
このアルバムを聴いて「今までの苦境を全て織り込み始めている」と
ある意味ホッとした気にもなれました。
良い曲も多くこのアルバムを買って正解でした。