まず題名の「ピース」。これが意味不明である。
解説には逆説的な意味合い(つまり平和の反対の語義)として解釈しているが、平和といったら平和なのかもしれない。
全編通してウィア氏の少年期からの日常しか描かれていないのだから。
「ケルベロス第五の首」と同じで、過去から未来へと時間通りに続く記憶の記述を一旦ごちゃまぜにして順番に語っていくスタイルを取っている。
カードゲームで表現するとカードを全てシャッフルして一番上のカードから一枚ずつ取っていくようなものである。(ウルフ氏の場合、カードの絵柄も意味不明だろうが。)
静謐に語られる世界観にひたすら酔える作品であり、あくまで今作はSF小説ではなく幻想文学である。
雨の日に読みたいとまで贅沢を言えないが、休日に1人じっくり読みたい一冊である。
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