「ピークオイル」とは、世界の石油産出があと数年でピークに達することを意味する。以降、石油の産出量は間違いなく減少してゆく。今の現代社会が化石燃料に限りなく依存しているにもかかわらずその危機感はない。それどころか、地球上でもっとも石油を浪費するアメリカ型の生活を世界中が望むようになった。エネルギーを安定して大量に提供できることが国としての豊かさに比例する。イラクの大量破壊兵器の脅威はでっちあげだったと判り、アメリカによるイラク侵略(著者・訳者はイラク戦争をそういう)の目的のひとつは石油支配だったのは明白だ。この先、ペンタゴン報告書のように、「資源枯渇により、絶えざる戦争の時代が訪れる」のだろうか?
石油は確実に価格を上げてきている。エネルギーのほとんどを輸入に頼っているわたしたち日本人は、なべに入れられた蛙なのかもしれない。今はまだ心地よい温かさに、何も気がついていないだけで。
ピーク・オイル -石油争乱と21世紀経済の行方- (日本語) 単行本 – 2005/8/31
リンダ・マクウェイグ
(著)
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ISBN-104861820502
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ISBN-13978-4861820502
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出版社作品社
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発売日2005/8/31
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言語日本語
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本の長さ386ページ
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
ピーク・オイル 石油争乱と21世紀経済の行方
「石油の産出量はピークに達した」との見方に立ち、米国と中東産油国、メジャー(国際石油資本)などの動きを追う。ピーク・オイル後の世界の経済社会の行方、石油をめぐる国際紛争を予測する
「石油の産出量はピークに達した」との見方に立ち、米国と中東産油国、メジャー(国際石油資本)などの動きを追う。ピーク・オイル後の世界の経済社会の行方、石油をめぐる国際紛争を予測する
(日経エコロジー 2005/12/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
内容(「BOOK」データベースより)
「ピーク・オイル」とは、世界の石油産出が、あと数年でピークに達することを意味する。以後、間違いなく産出量は減少し、安価な石油の時代は終焉を迎える。『ナショナル・ジオグラフィック』『ニューズウィーク』『ニューヨーク・タイムズ』なども特集記事を組み、世界の多くの研究者がこの事実を認めていることを報じ始めた。本書は、世界的に活躍する調査ジャーナリストが、巨大石油企業の思惑、米・欧・中国・OPEC諸国の駆け引き、さらに代替エネルギー開発、地球温暖化問題など、「ピーク・オイル」を背景にしてエネルギー問題の歴史と未来を多角的に論じた、衝撃の一冊である。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
マクウェイグ,リンダ
カナダ在住の社会派ジャーナリストであり、ベストセラー作家。同じくカナダ在住のナオミ・クラインと並んで、そのタブーなき報道ぶりによって北米で最も注目される女性ジャーナリストである。「カナダ新聞賞」や「アトキンソン・フェローシップ・フォー・ジャーナリズム公共政策部門」を受賞。『グローブ・アンド・メール』『ナショナル・ポスト』『モントリオール・ガゼット』などの新聞や様々な雑誌に執筆、『トロント・スター』紙では論説欄に政治評論を毎週掲載している
益岡/賢
1964年生まれ。1990年から東チモールへの連帯活動をはじめ、1991年より東京東チモール協会所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カナダ在住の社会派ジャーナリストであり、ベストセラー作家。同じくカナダ在住のナオミ・クラインと並んで、そのタブーなき報道ぶりによって北米で最も注目される女性ジャーナリストである。「カナダ新聞賞」や「アトキンソン・フェローシップ・フォー・ジャーナリズム公共政策部門」を受賞。『グローブ・アンド・メール』『ナショナル・ポスト』『モントリオール・ガゼット』などの新聞や様々な雑誌に執筆、『トロント・スター』紙では論説欄に政治評論を毎週掲載している
益岡/賢
1964年生まれ。1990年から東チモールへの連帯活動をはじめ、1991年より東京東チモール協会所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 作品社 (2005/8/31)
- 発売日 : 2005/8/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 386ページ
- ISBN-10 : 4861820502
- ISBN-13 : 978-4861820502
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 1,212,721位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 710位世界の経済事情
- - 9,783位外交・国際関係 (本)
- - 80,269位科学・テクノロジー (本)
- カスタマーレビュー:
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上位レビュー、対象国: 日本
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石油資源は有限で、その生産にはピークがあり、ピークを超えると生産は減少する、というのが「ピーク・オイル」の定義。世界最大の産油国であるサウジアラビアは2008年、第二の産油国イラクは最も遅い2017年にピークを迎える。それだけにイラクの存在は大きい。米国は1971年にピークを迎え、経済活動の基礎となる資源を他国に依存せざるを得ない状況にある。
それにも拘らず、世界人口の僅か4%の米国が、エネルギーの25%を消費するという歪な構造の中、地球温暖化を食い止めようとする京都議定書に反対する背景には何があるのか。
米国とサウジアラビアは何故、歴史的に近い存在であるのか。イラン・イラク戦争当時、親密な関係であった、米国とイラク(サダム・フセイン)は何故戦争することになったのか。9.11事件の原因と考えられるアラブの米国に対する憎しみは何に起因するものなのか。
こうした疑問に本書は一定の回答を与えてくれる。
全てを石油のせいにしてはいけないが、第二次世界大戦後の様々な紛争や産油国のクーデター・革命の大部分に石油の権益がその背景として存在することは事実であろうと改めて感じさせる書である。
それにも拘らず、世界人口の僅か4%の米国が、エネルギーの25%を消費するという歪な構造の中、地球温暖化を食い止めようとする京都議定書に反対する背景には何があるのか。
米国とサウジアラビアは何故、歴史的に近い存在であるのか。イラン・イラク戦争当時、親密な関係であった、米国とイラク(サダム・フセイン)は何故戦争することになったのか。9.11事件の原因と考えられるアラブの米国に対する憎しみは何に起因するものなのか。
こうした疑問に本書は一定の回答を与えてくれる。
全てを石油のせいにしてはいけないが、第二次世界大戦後の様々な紛争や産油国のクーデター・革命の大部分に石油の権益がその背景として存在することは事実であろうと改めて感じさせる書である。
2005年12月23日に日本でレビュー済み
ピーク・オイルとは、一言でいえば「石油生産の増大が遠くない将来ピークを迎え、それ以降は減少に転ずるという予測」である。本書は、石油を切り口にイラク戦争やグローバリゼーションを論じると同時に、石油企業と個人との魅力的なエピソードを通じて人間の弱さと強さを綴った、石油をめぐる果てしない物語の一編だ。いわゆる石油メジャー陰謀史観に終わらない著者の目線に好感の持てる良書で、訳者あとがきも抜群に面白い。
だが、私たちはそろそろ気づいてもよいはずだ。ピーク・オイルを目新しい危機として語ることが、石油のための戦争を容認する「先進国」に生きる人間に許された特権だということに。安価な石油はもうすぐなくなるかもしれない?石油の生産がいつか需要に追いつかなくなる?自国の天然資源へのアクセス権を奪われたイラクやアチェ、コロンビア、チェチェン、そのほか私たちが名前さえ知らずに一生を終えるであろう多くの地域では、石油をめぐって人間が殺されることなど日常茶飯事だ。なぜなら、私たちが手放したくないと思っている石油―身のまわりに溢れかえる車やプラスチック製品に象徴される富の源泉―は、本来なら彼らのものなのだから。
世界の富の80%をわずか20%の人口が独占する非対称の世界では、初めから自分たちのものを失うことさえできない人々が多数を占める。私たちが当然の権利として享受している物質的な利便性は、失うことすらも実は一つの特権だ。本書で紹介されている「なぜ我々の石油が、奴らの砂の下にあるのか?」という秀逸なフレーズは、私たちの石油依存症が末期症状であることを冷徹に告げている。処方箋を手に入れるためには、石油のための戦争を続ける藪医者たちに見切りをつけ、私が、あなたが、石油文明の申し子であることを止めなければならない。
だが、私たちはそろそろ気づいてもよいはずだ。ピーク・オイルを目新しい危機として語ることが、石油のための戦争を容認する「先進国」に生きる人間に許された特権だということに。安価な石油はもうすぐなくなるかもしれない?石油の生産がいつか需要に追いつかなくなる?自国の天然資源へのアクセス権を奪われたイラクやアチェ、コロンビア、チェチェン、そのほか私たちが名前さえ知らずに一生を終えるであろう多くの地域では、石油をめぐって人間が殺されることなど日常茶飯事だ。なぜなら、私たちが手放したくないと思っている石油―身のまわりに溢れかえる車やプラスチック製品に象徴される富の源泉―は、本来なら彼らのものなのだから。
世界の富の80%をわずか20%の人口が独占する非対称の世界では、初めから自分たちのものを失うことさえできない人々が多数を占める。私たちが当然の権利として享受している物質的な利便性は、失うことすらも実は一つの特権だ。本書で紹介されている「なぜ我々の石油が、奴らの砂の下にあるのか?」という秀逸なフレーズは、私たちの石油依存症が末期症状であることを冷徹に告げている。処方箋を手に入れるためには、石油のための戦争を続ける藪医者たちに見切りをつけ、私が、あなたが、石油文明の申し子であることを止めなければならない。
2005年11月10日に日本でレビュー済み
アメリカがイラクに侵略したのは石油支配をもくろんでのこと、とか、最近の石油価格高騰は石油生産のあたまうちのため、とか、このところそうした議論を耳にすることが多い。でも、調べるのは何となく面倒と思っていたところに手に取ったのがこの本。ちょっと分厚いし、面倒かなと思っていたらなんのその、とにかく読ませる。 シリアスな中身なのに、ぐんぐん進んで一気に読めてしまった。安い石油は本当になくなるのか、米国の石油消費事情は、OPECや石油企業は、地球温暖化との関係は、などなど(ついでにアメ車とくらべた日本車のよさもちょっとほのめかされている)。石油生産がピークを越えることに関係するいろんなことの全体像がわかる。政治的な側面について書いてあるところは好みがわかれるかもしれないが、ビジネス関係者だけでなく、子どもの将来をまじめに考える人にもお勧め。訳者は社会活動をしている人のようだが、訳者あとがきにある「ピークオイルの概説」もわかりやすい。欲を言えばもう少し詳しい解説があってもよかったかも。
2005年12月13日に日本でレビュー済み
オイル・メジャー,OPEC,米国安全保障etcといった石油を取り巻く登場人物たちの肖像が描かれている.ただ,世界はそんなに単純かな?,と私は疑問を感じた.顔を離して読んでみれば,著者の浮き立つ「怒り」が見えてくるだろう.
オイル・メジャーへの怒り.
共和党政権への怒り.
自動車会社への怒り.
そんな「悪役」たちの暗躍が息を呑むほど素晴らしくとことん描写されている.
一方,オイル・メジャーに挑戦するOPECの人々,環境や人権を重視する(とされる)政治家が「正義の味方」となって悪役たちに立ち向かう.
だけどさ,世界はそんなに単純かな? オイル・メジャーの世界への貢献も大きいのではないだろうか?
オイル・メジャーへの怒り.
共和党政権への怒り.
自動車会社への怒り.
そんな「悪役」たちの暗躍が息を呑むほど素晴らしくとことん描写されている.
一方,オイル・メジャーに挑戦するOPECの人々,環境や人権を重視する(とされる)政治家が「正義の味方」となって悪役たちに立ち向かう.
だけどさ,世界はそんなに単純かな? オイル・メジャーの世界への貢献も大きいのではないだろうか?