「発見力」って何?と編集部内でもよく聞かれました。「発想力」とか「企画力」と同じだよ、というと、それなら読みたい。でも、結局、そういう本を読んでも、肝心なところが、「感性」とか「経験」とか「適性」になってしまうんでしょ、という反応。たしかに、そうでした。でも、この本は違います。具体的な手法と例が、丁寧に書いてあります。
著者の中学三年生のお嬢さまも、わたしの中学二年生の息子も、おもしろい、といってゲラを読んでいました。ただし、前半までですが。後半は、経済の数字が見えてくるようになる話や儲かっている会社を一目で見分ける方法などなので、中学生にはなじみがないのでしょう。でも、大事なことは、前半だけでも十分わかります。とまあ、そのくらい画期的な本です。
この十年、さまざまな情報へのアクセスは飛躍的に容易になり、情報量による不平等はずいぶん少なくなった。にもかかわらず、同じ情報に触れていても、そこから何を見るか、そもそも、見えるのかどうかは、相変わらず、人によって大きく異なる。ほとんどの人が何も見えないでいるところに、ごく一部の人は、新しいマーケットを見、新しいサービスを着想し、株価の動きを察知し、会社の売上げの動向を予測する。その秘密は何なのか?実は、そこには、それなりの「技」がある。「見える力」すなわち「発見力」とも言うべきスキルがあり、仕組みがあり、方法論がある。その「ものが見える力」を身につけていくための方法を、ベストセラー『図解キャッシュフロー経営』等の著者が惜しみなく披露した本書は、読者の世界観を大きく変えないではいないことだろう。
著者について
小宮一慶(こみや かずよし)
経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表。明治大学大学院会計専門職研究科特任教授。十数社の非常勤取締役や監査役も務める。
1957年、大阪府堺市生まれ。81年に京都大学法学部卒業。東京銀行に入行。84年7月から2年間、米国ダートマス大学経営大学院に留学。MBA取得。帰国後、同行で経営戦略情報システムやM&Aに携わったのち、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングにあたる。その間の93年初夏には、カンボジアPKOに国際監査員として参加。94年5月からは、日本福祉サービス(現セントケア)企画部長として在宅介護の問題に取り組む。96年に小宮コンサルタンツを設立し、現在に至る。主な著書に、『図解キャッシュフロー経営』(東洋経済新報社)『できる社員はこうして育てる』(ダイヤモンド社)『新幹線から経済が見える』『リーダーのための実践する経営』(実業之日本社)『会計と実務の本質』(ダイヤモンド社)『「会社を経営する」ということ』(PHP研究所)『成功する上司』(講談社)『なぜ、オンリーワンを目指してはいけないのか?』(ディスカヴァー)
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小宮/一慶
経営コンサルタント。株式会社小宮コンサルタンツ代表。十数社の非常勤取締役や監査役も務める。1957年、大阪府堺市生まれ。81年に京都大学法学部卒業。東京銀行に入行。84年7月から2年間、米国ダートマス大学経営大学院に留学。MBA取得。帰国後、同行で経営戦略情報システムやM&Aに携わったのち、岡本アソシエイツ取締役に転じ、国際コンサルティングにあたる。その間の93年初夏には、カンボジアPKOに国際監視員として参加。94年5月からは、日本福祉サービス(現セントケア)企画部長として在宅介護の問題に取り組む。96年に小宮コンサルタンツを設立し、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)