少し前から気になっていた浅田次郎著『パリわずらい 江戸わずらい』を入手した。
タイトルに興味を持ったのが本書を読もうと思ったきっかけだった。
が、読み始めて少しがっかりしたのが本音の感想である。
ひょっとしてパリに滞在した経験などを書いてるのかな、と思ったからである。
海外の旅などのエッセイはそれなりに面白く読ませてくれた。
「続・消えた二千円札」というエッセイで松山市で講演のあと、主催者のかたたちを囲んで地域活性化についてほとんど目にしなくなった二千円札を地方ごとにデザインを変え、肖像もその地方ゆかりの偉人にしたら地域の消費経済に寄与するという話題でもりあがる。
鹿児島県は西郷隆盛、高知県は坂本龍馬、などなど衆議一決してゆくなか、東京は徳川家康、大阪は豊臣秀吉、愛知県は織田信長と決まってゆく。
ちょっと待ってくださいよ!と名古屋生まれ名古屋育ちの評者は、この決議に異議申し立てしたくなってしまったのです。
徳川家康は三河の出であり豊臣秀吉は尾張なごやは中村で生まれたのである。
織田信長を含めてこの三人は、愛知県で産まれ育っているのである。
以下、評者ながらの独断で、ここにお集まりのみなさんへ私見を述べてみたい。
大阪は適塾で幕末から明治維新にかけて大村益次郎や福澤諭吉など多くを世に出した「緒方洪庵」を推したい。
東京は鹿児島が西郷隆盛なら江戸を焼きはらうことを阻止した「勝海舟」であろう。
まあ、愛知は織田信長でよいだろう。
このエッセイ集の「国際会議」のなかで国際ペンの正式な名称の意味を恥ずかしながら初めて知ったのです。
正式の名称は、「International Association P.E.N」である。
「P」は詩人・劇作家(Poets Playwrights)「E」は編集者・随筆家(Editors Essayists)「N」は小説家(Novelists)という意味だったのである。
あまり興味のない内容のエッセイもあったが、楽しい話や国際ペンの正しい意味を知ることもできた一冊でした。
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