ものすごくポジティブになった1時間後に死にたいような気持ちになる。
さっきは娘のことを心底可愛いと思ったのに、その数十分後には、有り得ないくらい憎らしくなる。
友達と散々飲んではしゃいで、でも1人になると虚しくてたまらなくなる。
そしてまた激しい自己嫌悪に陥る。
そういう一貫性のない支離滅裂な浮き沈みの激しい自分を頭がおかしいんじゃないかと思うことがある。
でも、私以上にそれが激しい人がいる!そう思わせてくれるから、この本を読んでいるとなぜだか落ち着くのかもしれない。
この人の本はもはや私にとっては癒しです。
アマゾン依存のピエロだっていい。
どうか壊れずに書き続けてほしい。
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パリの砂漠、東京の蜃気楼 単行本 – 2020/4/23
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一歳と四歳の娘と始めたパリでの母子生活。
近づく死の影から逃れるための突然の帰国。
夫との断絶の中、フェスと仕事に追われる東京の混迷する日々……。
生きることの孤独と苦悩を綴った著者初のエッセイ集。
西加奈子さん、平野啓一郎さん推薦!!
自分を愛することを認めてくれる人はたくさんいるけれど、自分を愛さないことも認めてくれる人は稀有で、金原ひとみさんはその一人だと思う。
──西加奈子
壊れるように成熟してゆく魂。パリ―東京の憂鬱を潜り抜け、言葉は、痛みと優しさとの間を行き交いつつ、気怠く、力強い。比類なく魅力的な作品。
──平野啓一郎
【本文より】
帰宅すると、ネットでピアスを検索し、サイズ違いのセグメントリングとサーキュラーバーベルとラブレットを二つずつ買った。
とにかく何かをし続けていないと、自分の信じていることをしていないと、窓際ヘの誘惑に負けてしまいそうだった。
これまでしてきたすべての決断は、きっと同じ理由からだったのだろう。
不登校だったことも、リストカットも、摂食障害も薬の乱用もアルコール依存もピアスも小説も、フランスに来たこともフランスから去ることも、
きっと全て窓際から遠ざかるためだったのだ。そうしないと落ちてしまう。潰れてしまう。ぐちゃぐちゃになってしまうからだ。
近づく死の影から逃れるための突然の帰国。
夫との断絶の中、フェスと仕事に追われる東京の混迷する日々……。
生きることの孤独と苦悩を綴った著者初のエッセイ集。
西加奈子さん、平野啓一郎さん推薦!!
自分を愛することを認めてくれる人はたくさんいるけれど、自分を愛さないことも認めてくれる人は稀有で、金原ひとみさんはその一人だと思う。
──西加奈子
壊れるように成熟してゆく魂。パリ―東京の憂鬱を潜り抜け、言葉は、痛みと優しさとの間を行き交いつつ、気怠く、力強い。比類なく魅力的な作品。
──平野啓一郎
【本文より】
帰宅すると、ネットでピアスを検索し、サイズ違いのセグメントリングとサーキュラーバーベルとラブレットを二つずつ買った。
とにかく何かをし続けていないと、自分の信じていることをしていないと、窓際ヘの誘惑に負けてしまいそうだった。
これまでしてきたすべての決断は、きっと同じ理由からだったのだろう。
不登校だったことも、リストカットも、摂食障害も薬の乱用もアルコール依存もピアスも小説も、フランスに来たこともフランスから去ることも、
きっと全て窓際から遠ざかるためだったのだ。そうしないと落ちてしまう。潰れてしまう。ぐちゃぐちゃになってしまうからだ。
- 本の長さ216ページ
- 言語日本語
- 出版社ホーム社
- 発売日2020/4/23
- 寸法12.4 x 2 x 19.4 cm
- ISBN-104834253376
- ISBN-13978-4834253375
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商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
私は死にたいという言葉で安易に自分の憤りを処す人間で在り続けている―。一歳と四歳の娘と始めたパリでの母子生活。死から逃れるための突然の帰国。夫との断絶の中、混迷する東京での日々…。生きることの困難を綴る二年間の軌跡。
1分以内にKindleで パリの砂漠、東京の蜃気楼 (ホーム社) をお読みいただけます。
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登録情報
- 出版社 : ホーム社 (2020/4/23)
- 発売日 : 2020/4/23
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 216ページ
- ISBN-10 : 4834253376
- ISBN-13 : 978-4834253375
- 寸法 : 12.4 x 2 x 19.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 132,010位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 4,462位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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1983(昭和58)年、東京生れ。2003(平成15)年『蛇にピアス』ですばる文学賞。翌年、同作で芥川賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ハイドラ (ISBN-13: 978-4101313313 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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Amazonで購入
金原の本を読むのは二冊目である。一冊目は彼女のデビュー作の「蛇にピアス」であった。
本作は金原の日記である。舞台としては当時金原が住んでいたパリと、時折帰国した際の
東京である。作家の日記というものは珍しいものではなく、むしろ著作の一つのジャンルとして
確立されている感はある。但し、厳密に言うと本作が日記なのかどうかは微妙なところである。
日記というよりは「私小説」に近い地点で金原が本作を書いているような気がしてならない。
「蛇にピアス」を出したころの金原は、女性ながらも久しぶりに出てきた無頼派の作家のように
見えた。それから年月を経て、家庭を構え、二人の子供を抱える金原は変わったのだろうか。
本作を読む限り、彼女の持つ資質は余り変わっていないと思った。子供の世話をしながらも
相変わらず過剰なまでの自分自身を抱え、自家中毒にも見えるような「彷徨」を繰り広げている
姿が本作である。
その「彷徨」が実際の著者の置かれたものだったのか、実は著者の創作なのかは僕には
判断できない。但し、どちらでも良い。本作を私小説として読むのである以上、内容がフィク
ションなのかノンフィクションなのかという区別は僕にとっては意味を為さないからだ。これは
たとえば志賀直哉のいくつかの短編を読む際にも通用する話なのだと思う。志賀直哉が
嬉々として書いた自らの浮気と発覚の一連の短編は創作なのか実話なのかというような
問いを否定している点と共通する。
ではかような私小説に対して僕は共感を覚えたのだろうか。結論的にいうと、共感を覚える
以前に良く分からないという状態にあったことが正直なところだ。金原が描き出す風景は
僕には良く見えなかった。風景が見えないなかで共感することは僕には無理だ。但し、金原の
息遣いはしっかりと聞くことが出来た。今後金原の本をどのくらい読む機会があるのかは
分からないものの、一度聞いた息遣いは多分忘れないだろうと思ったことも確かだ。
本作は金原の日記である。舞台としては当時金原が住んでいたパリと、時折帰国した際の
東京である。作家の日記というものは珍しいものではなく、むしろ著作の一つのジャンルとして
確立されている感はある。但し、厳密に言うと本作が日記なのかどうかは微妙なところである。
日記というよりは「私小説」に近い地点で金原が本作を書いているような気がしてならない。
「蛇にピアス」を出したころの金原は、女性ながらも久しぶりに出てきた無頼派の作家のように
見えた。それから年月を経て、家庭を構え、二人の子供を抱える金原は変わったのだろうか。
本作を読む限り、彼女の持つ資質は余り変わっていないと思った。子供の世話をしながらも
相変わらず過剰なまでの自分自身を抱え、自家中毒にも見えるような「彷徨」を繰り広げている
姿が本作である。
その「彷徨」が実際の著者の置かれたものだったのか、実は著者の創作なのかは僕には
判断できない。但し、どちらでも良い。本作を私小説として読むのである以上、内容がフィク
ションなのかノンフィクションなのかという区別は僕にとっては意味を為さないからだ。これは
たとえば志賀直哉のいくつかの短編を読む際にも通用する話なのだと思う。志賀直哉が
嬉々として書いた自らの浮気と発覚の一連の短編は創作なのか実話なのかというような
問いを否定している点と共通する。
ではかような私小説に対して僕は共感を覚えたのだろうか。結論的にいうと、共感を覚える
以前に良く分からないという状態にあったことが正直なところだ。金原が描き出す風景は
僕には良く見えなかった。風景が見えないなかで共感することは僕には無理だ。但し、金原の
息遣いはしっかりと聞くことが出来た。今後金原の本をどのくらい読む機会があるのかは
分からないものの、一度聞いた息遣いは多分忘れないだろうと思ったことも確かだ。
2022年1月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
エッセイとは珍しいなと思ったが、やはりいつもの金原ひとみだった。
いつも小説では著者の分身としか思えないキャラクターたちが登場するが、
今作は著者が主人公の自伝的小説風エッセイとなっている。
小説以上に情緒不安定でメンヘラむき出しの感情が散りばめられ、
だが同時に覚めた客観性が併存する感覚。
マザーズでこれでもかと子供への愛と破壊衝動を書き連ねていた感覚が
当エッセイでも炸裂しており、いわゆる「エッセイ好き」な人には到底おススメできない。
それにしても、万人向け?知らねーよ、バーカ的な彼女のスタンスは心地よい。
芥川賞受賞後にアッシュベイビーを出す、歪な遠慮なしの挑発。
読者に媚びないスタンスに敬服する。
いつも小説では著者の分身としか思えないキャラクターたちが登場するが、
今作は著者が主人公の自伝的小説風エッセイとなっている。
小説以上に情緒不安定でメンヘラむき出しの感情が散りばめられ、
だが同時に覚めた客観性が併存する感覚。
マザーズでこれでもかと子供への愛と破壊衝動を書き連ねていた感覚が
当エッセイでも炸裂しており、いわゆる「エッセイ好き」な人には到底おススメできない。
それにしても、万人向け?知らねーよ、バーカ的な彼女のスタンスは心地よい。
芥川賞受賞後にアッシュベイビーを出す、歪な遠慮なしの挑発。
読者に媚びないスタンスに敬服する。
2021年2月19日に日本でレビュー済み
自らが存在するだけで、何かを傷つけてしまうのではないかという懸念。
どれだけ時が経とうと消えない破滅願望と、享受できない幸福。
それらを抱えたまま生きていかなければならない。
私が今まで読んできたエッセイは、ユーモアを交えて日常を切り取り、読書の心を軽くするようなテイストのものがほとんどだった。
しかし本作は、そういったエッセイと一線を画す。
著者の抱える諦観や悲嘆に基づく「生きづらさ」が、淡々とまるで他人事の様に綴られていく。
赤裸々に語られていく自己嫌悪や死への願望、生きることの苦しさ。
そういった内容にもかかわらず著者の卓越した筆力により、ジメジメした暗さは皆無で、むしろ渇き切った諦観からは力強ささえ感じられた。
昨日の自分と今日の自分、昨日の世界と今日の世界は驚くほど変化しうる。
その非連続性や一貫性のなさに、途方に暮れてしまう気持ちは痛いほどわかる。
楽しいと思うと同時に寂しさに襲われ、嬉しいと思うと同時に虚無感に襲われる。
しかし同時に悲しみを抱えながらも幸福感に包まれることもあるのだ。
結局のところ、どっちつかずの宙ぶらりんな状態で生きていくしかない。
けれども、そういった「生きづらさ」を抱えているのは自分一人だけではないと本書のおかげで少し前を向けた。
どれだけ時が経とうと消えない破滅願望と、享受できない幸福。
それらを抱えたまま生きていかなければならない。
私が今まで読んできたエッセイは、ユーモアを交えて日常を切り取り、読書の心を軽くするようなテイストのものがほとんどだった。
しかし本作は、そういったエッセイと一線を画す。
著者の抱える諦観や悲嘆に基づく「生きづらさ」が、淡々とまるで他人事の様に綴られていく。
赤裸々に語られていく自己嫌悪や死への願望、生きることの苦しさ。
そういった内容にもかかわらず著者の卓越した筆力により、ジメジメした暗さは皆無で、むしろ渇き切った諦観からは力強ささえ感じられた。
昨日の自分と今日の自分、昨日の世界と今日の世界は驚くほど変化しうる。
その非連続性や一貫性のなさに、途方に暮れてしまう気持ちは痛いほどわかる。
楽しいと思うと同時に寂しさに襲われ、嬉しいと思うと同時に虚無感に襲われる。
しかし同時に悲しみを抱えながらも幸福感に包まれることもあるのだ。
結局のところ、どっちつかずの宙ぶらりんな状態で生きていくしかない。
けれども、そういった「生きづらさ」を抱えているのは自分一人だけではないと本書のおかげで少し前を向けた。
2020年7月17日に日本でレビュー済み
パリが好きであることと、素敵な装丁だったので購入。読んでいて序盤で違和感が出ました。これをエッセイと言われたら、エッセイストからクレームきそうです。表現とマスターベーションを履き違えたものと感じました。表現も文学的要素は感じませんし、とことん下品で、むしろ意外な感じがしました。そういうものでも作家が書けば、やはりどこかに救いがあるはずですが、この方の文才からはそれは感じ取れません。素人のブログを読んでいる気持ちでした。久々に本当にお金の無駄をしたと感じました。