どちらも漫画ならではの利点で、上手く使い分けています。
一事が万事荒唐無稽で済んじゃうと謎は謎でなくなります。
「こんな高校あるかい」と突っ込まざるを得ない導入部から無駄のない展開でグイグイ謎に巻き込まれていくのは、そこに人の心の普遍性が反映されているから。
恋慕、嫉妬、独占欲…一言で善悪では割りきれない人々がそれぞれの事情や思惑でうごめく社会をギュツと詰め込んだような葉蔓高校で次にどんな事件が起きるのか、まだまだ目が離せません。
高校を舞台にすることで「殺人に依存しないミステリー」として謎の純度が高まっているようにも思えます。
あくまでも「謎解き」にこだわる姿勢は好感が持てますし、キャラクターも魅力的。
正義感と行動力に溢れ、鋭い観察眼と勘が冴え渡る香月。
飄々とした挙動から視野の広さと抜け目なさが垣間見える大地。
情報収集担当ながら女性とされることの脆さを抱えた隠れ正統派ヒロイン美女。
叡知や腕っぷしが無くても以外と頼りになる誇り高き騎士、卓馬くん。
そして憎みきれないろくでなし、生徒会長!
やたらと露出度が高いけど繊細で共感性の高い高木さんの描写は、女性ならではかと。
数十年前に姉の単行本を読んでいましたが、大人になって気付く事がいっぱい。
本作の影響もあってミステリーファンになりました。
元ネタがわかると「上手く料理してるなあ」とさらに納得。
花ゆめ版大岡裁きのエピソードは道化回しの生徒会長がらみの描写に妙に力が入っていて、心地好く苦笑できます。
楽しみながら描いてる事がわかるのも月刊連載だったからでしょうか。
ロマンポルノとポケベルが同居していた時代性など、連載当時の流行がわかるのも年月を置いて読めたから。
時を越えて様々な視点から楽しめるのは、やはりこの作品が古典となり得る豊かな普遍性を湛えているからなのでしょう。
(野間美由紀先生のご冥福をお祈りします)
パズルゲーム☆はいすくーる 1 (白泉社文庫) Kindle版
-
言語日本語
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出版社白泉社
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発売日2000/9/14
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ファイルサイズ63782 KB
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登録情報
- ASIN : B00OJ2KMYE
- 出版社 : 白泉社 (2000/9/14)
- 発売日 : 2000/9/14
- 言語 : 日本語
- ファイルサイズ : 63782 KB
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カスタマーレビュー
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2020年5月15日に日本でレビュー済み
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ベスト500レビュアー
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ついにというか作者さんがおなくなりになったニュースを見て懐かしくなり電子書籍で購入しました。
昔の花とゆめの良作ミステリー漫画で、学園でおきる事件や謎をミステリー研究会の4人組が解決していく物語。
メインとなるミス研だけでなく、登場人物たちが個性的で面白かったりもします。生徒会長とか準レギュラーでオチ担当だったりと好きでした。
シリーズとして長く続いていますが、初期の作品のほうが自然というか面白いです。
だんだんと時代が変化して、今ではトリックとして成立しないものもあったりします。
個人情報的取り扱い的にありえないだろとか、まあ色々です。
でもラブコメ入りつつ、学園ミステリーとしての面白さはイまでも通用すると思います。
昔の花とゆめの良作ミステリー漫画で、学園でおきる事件や謎をミステリー研究会の4人組が解決していく物語。
メインとなるミス研だけでなく、登場人物たちが個性的で面白かったりもします。生徒会長とか準レギュラーでオチ担当だったりと好きでした。
シリーズとして長く続いていますが、初期の作品のほうが自然というか面白いです。
だんだんと時代が変化して、今ではトリックとして成立しないものもあったりします。
個人情報的取り扱い的にありえないだろとか、まあ色々です。
でもラブコメ入りつつ、学園ミステリーとしての面白さはイまでも通用すると思います。
2008年5月23日に日本でレビュー済み
今は新・パズルゲームはいすくーるやジュエリーシリーズなどを手掛けている作者ですが、やはり一番面白かったのはこの元祖です!
しかしなにせ20年以上も前からの連載なので、今読むと現代では出来ないトリックやシチュエーションがままありますが、それはまあ仕方がないので目を瞑って(笑)
でも、それを差し引いても今時に良くある探偵コミックものとは明らかに一線を画している漫画だと思います。
特にどの漫画とは敢えて言いませんが(笑)やたら人が死んだりする探偵コミックと違って、一貫して「学園の中で起こった不思議な出来事」を解決する、というスタンスがしっかりしているのが読んでいて面白い所なのだと思います。
わざわざ殺人事件じゃなくても推理ものは成り立つ事を雄弁に語っています。
(まあ長い連載なので、殺人事件も全くないって事もないんですが)
その不思議な出来事も、一見すると意味の分からない事象なんですが、次第に「その人が犯人でしかありえない」動機がはっきりしてくるというのが非常に面白いです。
ちょっと新シリーズは手抜き感が拭えないので、やっぱり私はこちらをオススメします。
作者ご本人も日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブなどにも所属しているほどです。
ドラマ化絶対いけると思うんですけどね〜。
どこかのテレビ局、是非お願いしたいです!
しかしなにせ20年以上も前からの連載なので、今読むと現代では出来ないトリックやシチュエーションがままありますが、それはまあ仕方がないので目を瞑って(笑)
でも、それを差し引いても今時に良くある探偵コミックものとは明らかに一線を画している漫画だと思います。
特にどの漫画とは敢えて言いませんが(笑)やたら人が死んだりする探偵コミックと違って、一貫して「学園の中で起こった不思議な出来事」を解決する、というスタンスがしっかりしているのが読んでいて面白い所なのだと思います。
わざわざ殺人事件じゃなくても推理ものは成り立つ事を雄弁に語っています。
(まあ長い連載なので、殺人事件も全くないって事もないんですが)
その不思議な出来事も、一見すると意味の分からない事象なんですが、次第に「その人が犯人でしかありえない」動機がはっきりしてくるというのが非常に面白いです。
ちょっと新シリーズは手抜き感が拭えないので、やっぱり私はこちらをオススメします。
作者ご本人も日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブなどにも所属しているほどです。
ドラマ化絶対いけると思うんですけどね〜。
どこかのテレビ局、是非お願いしたいです!
2003年6月15日に日本でレビュー済み
ロングヒットシリーズ『パズルゲーム☆はいすくーる』の漫画文庫版第1巻。
舞台となる葉蔓高校は、生徒にその自治が全て任されており、教師の指図というものがない(教師の影が見当たらないほど)自由な校風。
香月・大地・美女(みめい)・卓馬のミステリ研究会メンバーは、校内で起こる事件を次々と解決していく。
校内、といって舐めてはならない。葉蔓高校では生徒会長が事件を握るため、賄賂は罷り通るし、生徒は子供を産んでも登校してしまう校風なのだ。
初期作品のため、絵はまだ硬い感じだか、十分楽しめる。以降の巻を読み進めるために必要な設定はほぼこの巻に収録されいるので、ぜひしっかりと読んでみて下さい。
舞台となる葉蔓高校は、生徒にその自治が全て任されており、教師の指図というものがない(教師の影が見当たらないほど)自由な校風。
香月・大地・美女(みめい)・卓馬のミステリ研究会メンバーは、校内で起こる事件を次々と解決していく。
校内、といって舐めてはならない。葉蔓高校では生徒会長が事件を握るため、賄賂は罷り通るし、生徒は子供を産んでも登校してしまう校風なのだ。
初期作品のため、絵はまだ硬い感じだか、十分楽しめる。以降の巻を読み進めるために必要な設定はほぼこの巻に収録されいるので、ぜひしっかりと読んでみて下さい。