メディア掲載レビューほか
現在、アムステルダムの王立コンセルトヘボウ管の首席フルート奏者を務めているエミリー・バイノンのソロ・アルバム。自ら編曲したベートーヴェンの「春のソナタ」を皮切りに、サマズイユ編曲の「牧神の午後への前奏曲」、彼女が強い共感を覚えるという武満の遺作「エア」など、凝ったプログラミングでありながら、堅苦しさを感じさせない大らかで流露感に満ちた音楽づくりが印象的だ。弱音の表現力も秀逸で、風光明媚な“田園”を心地よいそよ風が吹き抜けていくような趣に満ちた好ディスクである。 (満津岡信育) --- 2001年03月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)