国産SF作品の中でも比較的新しい部類ですが、とても面白いです。
設定や世界観にやや粗のある部分もありますが、そこは前提とする「フィクション」部分をどこまで許容できるか読み手の匙加減だと思います。
この作品は、人の感情を論理的に紐解く描写に関して、とても丁寧に描かれています。
特に「善の定義」に触れる下りは、そういう定義の立て方もあるのかと驚きました。
多くの人が漠然と感じている感情や意識を言語化するのがとても上手い作者だと思います。
物語のクライマックスが、あまりにも素晴らしく。また、この物語を読み終えた途端に氏の新作がもう二度と読むことができないことを痛いほど実感して、思わず涙が止まりませんでした。
伊藤計劃氏の、ご冥福をお祈りします。
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