ハングルへの旅 (朝日文庫) (日本語) 文庫 – 1989/3/1
茨木 のり子
(著)
著者の作品一覧、著者略歴や口コミなどをご覧いただけます
この著者の 検索結果 を表示
あなたは著者ですか?
著者セントラルはこちら
|
購入を強化する
-
ISBN-104022605448
-
ISBN-13978-4022605443
-
出版社朝日新聞出版
-
発売日1989/3/1
-
言語日本語
-
本の長さ262ページ
よく一緒に購入されている商品
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
Kindle 端末は必要ありません。無料 Kindle アプリのいずれかをダウンロードすると、スマートフォン、タブレットPCで Kindle 本をお読みいただけます。
Kindle化リクエスト
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
このタイトルのKindle化をご希望の場合、こちらをクリックしてください。
Kindle をお持ちでない場合、こちらから購入いただけます。 Kindle 無料アプリのダウンロードはこちら。
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
『朝鮮民謡選』をくり返し読んだ少女時代。心奪われる仏像がすべて朝鮮系であることに気づいたのは、30歳過ぎた頃。そして、あたかも、見えない糸にたぐり寄せられるかのようにして50代から著者が学び始めたハングルは、期待通りの魅力あふれる言葉だった。韓国への旅の思い出を織りまぜながら、隣国語のおもしろさを詩人の繊細さで多角的に紹介する。
登録情報
- 出版社 : 朝日新聞出版 (1989/3/1)
- 発売日 : 1989/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 262ページ
- ISBN-10 : 4022605448
- ISBN-13 : 978-4022605443
-
Amazon 売れ筋ランキング:
- 40,374位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 7位朝鮮半島のエリアスタディ
- - 63位韓国・朝鮮語の学習法
- - 91位朝日文庫
- カスタマーレビュー:
この商品を買った人はこんな商品も買っています
ページ: 1 / 1 最初に戻るページ: 1 / 1
カスタマーレビュー
5つ星のうち4.5
星5つ中の4.5
22 件のグローバル評価
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
ベスト500レビュアー
Amazonで購入
著者の茨木のり子さんがハングルを学び始めたのは1976年、50歳のときだそうだ。日本人にとってハングルが身近になったのは1984年、NHKラジオでハングル講座が始まってからだと思う。それ以前は一般人がハングルを習おうとすると著者のようなカルチャーセンターの語学講座を受講するくらいしか機会がなかった。当時、東京でハングルを学習する人は、学生を除いては百人程度ではなかったか、と著者は見積もっているが、今から思えばまさに隔世の感がある。本書ではそんな黎明期のハングル学習を取り巻く状況や、それからほぼ10年後の韓国旅行の話、詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)についての話などが盛り込まれている。しかし、何といっても中心は、詩人ならではの感性で語られる日本語とハングルの比較言語学的なエッセイ。というとちょっとカタいイメージになるが、学者先生の書く小難しい話ではなく楽しみながら気軽に読める。わたしは、ソウル五輪直後、初めての韓国旅行の前に読んだ。当時、少しだけハングルを勉強していたので本書に出てくる単語やフレーズは暗記という点で役に立ったように思う。特にハングル初学者には楽しく読めて単語やフレーズも覚えられるという一石二鳥の効果がある?かもしれない。50歳を超えて新しい外国語に挑戦するのはなかなか苦労も多そうであるが、ちょっとだけそんな気にさせてくれる本でもある。まさか三十年ぶりに本書を再読することになろうとは思ってもみなかったが、今読んでもなかなか面白い。
24人のお客様がこれが役に立ったと考えています
役に立った
ベスト1000レビュアー
Amazonで購入
歌手・沢知恵の母親の父親は、詩人・金素雲だ。岩波少年少女文庫にある朝鮮民話選「ネギをうえた人」の編者でもある。
この金素雲の「朝鮮民謡選」を、茨木のり子は少女時代に愛読していたという。ハングルを学んだのは五十過ぎてからとのことだから、民謡は日本語訳だったのだろう。けれども、数十年後の学習の土壌となったと思われる。
本著には、茨木がハングルを学んだ動機や、すぐれたその教師、日本語とハングルを並べて考えること、韓国旅行で出会った人々などについて述べられている。
ただ外国語を学びたかった、ということではなかった。金芝河が獄中にいたころ、日本の詩人は、まず彼の詩を読むことではないか、と問いかけられた。来日した韓国詩人に日本語が上手だと誉めると、日本語教育を強要されたからだとの返事に打ちのめされる。今度はこちらが必死にハングルを学ばなければならないと痛感する。茨木のハングル学習には歴史的必然性があった。
のちに、韓国旅行に行き、カタコトの朝鮮語を口にすると、自分たちの言葉を学んでくれてありがとうと感謝された。日本語を学んでくれてありがとうという発想がわたしたちにはないことに気づかされる。植民地支配下で、朝鮮語を話した日本人は警察官だけだったという。
例外はいる。浅川巧という人だ。ネイティブ話者と間違えられたと伝えられる。茨木はその墓を訪ねる。そこで、半世紀前に亡くなった浅川がいまだに韓国の人びとに敬愛されているかを知る。いや、浅川の人格だけでなく、もしかしたらそれ以上に、浅川を大事にする韓国の人びとに胸を打たれる。浅川の墓地訪問記に巻末に近い何頁かがあてられている。
最後の十数頁は夭逝の詩人・尹東柱に割かれている。27歳、福岡刑務所で獄死させられた。遺骨は父親に抱かれ、帰国する。茨木は玄界灘を下関から釜山まで渡るとき、晴れた夜であったにもかかわらず、濃霧、あるいは、濃密な空気に囲まれる。聞けば、何十年か前、尹の父親は骨灰の一部をその海に蒔いたと言う。
茨木のり子さんには、中国から北海道に強制連行されたりゅうりぇんれん=劉連仁を謡った長い詩がある。沢知恵さんはこれに曲をつけて、ライブで歌い、CDも出している。
日本は、朝鮮、中国にもっと真摯な姿勢で向かいあえば、もっとゆたかになる。政治と歴史は、もっと詩的であった方がよい。
この金素雲の「朝鮮民謡選」を、茨木のり子は少女時代に愛読していたという。ハングルを学んだのは五十過ぎてからとのことだから、民謡は日本語訳だったのだろう。けれども、数十年後の学習の土壌となったと思われる。
本著には、茨木がハングルを学んだ動機や、すぐれたその教師、日本語とハングルを並べて考えること、韓国旅行で出会った人々などについて述べられている。
ただ外国語を学びたかった、ということではなかった。金芝河が獄中にいたころ、日本の詩人は、まず彼の詩を読むことではないか、と問いかけられた。来日した韓国詩人に日本語が上手だと誉めると、日本語教育を強要されたからだとの返事に打ちのめされる。今度はこちらが必死にハングルを学ばなければならないと痛感する。茨木のハングル学習には歴史的必然性があった。
のちに、韓国旅行に行き、カタコトの朝鮮語を口にすると、自分たちの言葉を学んでくれてありがとうと感謝された。日本語を学んでくれてありがとうという発想がわたしたちにはないことに気づかされる。植民地支配下で、朝鮮語を話した日本人は警察官だけだったという。
例外はいる。浅川巧という人だ。ネイティブ話者と間違えられたと伝えられる。茨木はその墓を訪ねる。そこで、半世紀前に亡くなった浅川がいまだに韓国の人びとに敬愛されているかを知る。いや、浅川の人格だけでなく、もしかしたらそれ以上に、浅川を大事にする韓国の人びとに胸を打たれる。浅川の墓地訪問記に巻末に近い何頁かがあてられている。
最後の十数頁は夭逝の詩人・尹東柱に割かれている。27歳、福岡刑務所で獄死させられた。遺骨は父親に抱かれ、帰国する。茨木は玄界灘を下関から釜山まで渡るとき、晴れた夜であったにもかかわらず、濃霧、あるいは、濃密な空気に囲まれる。聞けば、何十年か前、尹の父親は骨灰の一部をその海に蒔いたと言う。
茨木のり子さんには、中国から北海道に強制連行されたりゅうりぇんれん=劉連仁を謡った長い詩がある。沢知恵さんはこれに曲をつけて、ライブで歌い、CDも出している。
日本は、朝鮮、中国にもっと真摯な姿勢で向かいあえば、もっとゆたかになる。政治と歴史は、もっと詩的であった方がよい。
2015年5月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
著者が見た韓国と韓国語学習の面白さについてのエッセイですが、詩人の文章ゆえ、情景が目の前にうかぶようなほんわりした、また美しい部分もあります。ですが、正直、読んでいて鼻持ちなら無い感じをどうしてもぬぐいきれませんでした。半島の文化と言語を愛するなら、ただ素直に賞賛すればいいのに、度々日本との比較においてそれが書かれており(中国との比較も一部ありますが)ところどころ気になりました。客観的な比較文化論ではないのだから、なにかを賞賛するために他を貶める必要はないでしょう。ただ、日本留学中に獄死させられた、半島出身のある詩人についての話、これは、忘れてはいけない事実を知ることができてよかったです。
2009年11月1日に日本でレビュー済み
この本を執筆されたのは、韓国語の勉強をなさってから10年が経った頃だという。
作者は度々、韓国を訪れて、直接、韓国の人々とふれあっている。
旅で一緒になった韓国人の、日本に関する素朴な質問に答え、また、バスの行き先にとまどっていると親切な少年が声をかけてくれる。
どのお話も、ただの通りすがり、といった話には思えず、作者さんが積極的に韓国と人たちと触れ合うことを楽しんでいる様子がうかがえた。
他に、韓国の言葉と、日本の地方の言葉が似ていると、簡単な表にまとめたものや、韓国の面白い言葉(ことわざ?ではないんだけれども)を紹介していたり、それから作者の好きな韓国の詩も紹介されている。
そんな小さいけれども、韓国に旅した時や、韓国に関する文章が優しく綴られている。
ちなみに、ハングルも縦書き(読み方のカタカナルビ付き)でたくさん出てきます。
ハングルが読めない方でも、韓国にちょっとでも興味があれば、楽しめます。
読んだ後、温かさが残る一冊です。
作者さんに逢ってみたくなりました。
作者は度々、韓国を訪れて、直接、韓国の人々とふれあっている。
旅で一緒になった韓国人の、日本に関する素朴な質問に答え、また、バスの行き先にとまどっていると親切な少年が声をかけてくれる。
どのお話も、ただの通りすがり、といった話には思えず、作者さんが積極的に韓国と人たちと触れ合うことを楽しんでいる様子がうかがえた。
他に、韓国の言葉と、日本の地方の言葉が似ていると、簡単な表にまとめたものや、韓国の面白い言葉(ことわざ?ではないんだけれども)を紹介していたり、それから作者の好きな韓国の詩も紹介されている。
そんな小さいけれども、韓国に旅した時や、韓国に関する文章が優しく綴られている。
ちなみに、ハングルも縦書き(読み方のカタカナルビ付き)でたくさん出てきます。
ハングルが読めない方でも、韓国にちょっとでも興味があれば、楽しめます。
読んだ後、温かさが残る一冊です。
作者さんに逢ってみたくなりました。