魅力的ではないが、奇妙な人間たちを描いている。
風俗の好きでいい加減な高校教師の主人公、覚せい剤をやっている子供二人を施設に預けている風俗嬢、その女が好きなマゾのヤクザ、などなど。
むき出しの稚拙な言葉が並ぶが、何となく魅かれて読み終えた。
ハリガネムシ (日本語) 単行本 – 2003/8/1
吉村 萬壱
(著)
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本の長さ137ページ
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言語日本語
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出版社文藝春秋
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発売日2003/8/1
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ISBN-104163223401
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ISBN-13978-4163223407
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商品の説明
商品説明
吉村萬壱はデビュー作『クチュクチュバーン』において、個体としての人間が他の生命や物質と同化・変態し、巨大な集合体の中に溶け込んでいくプロセスを通して、人類進化の壮大なビジョンを初期筒井康隆の作品世界を彷彿(ほうふつ)とさせるグロテスクかつドタバタふう筆致によって描き上げた。芥川賞受賞作『ハリガネムシ』において、吉村は物語の舞台を近未来から現代(1980年代後半)へ移すとともに、前作において顕著だった暴力と破壊のテーマをさらに発展させ、それらをひとりの人間の内に発する過剰な欲望のありようとしてリアルに表現することに成功している。
物語の主人公は、高校で倫理を教える25歳の平凡な教師中岡慎一。アパートで独り暮らしをする慎一の前に、半年前に知り合った23歳のソープ嬢サチコが現れる。サチコは慎一のアパートに入り浸り、昼間は遊び歩き、夜は情交と酒盛りの日々を送る。サチコの夫は刑務所に服役中で、ふたりの子どもは施設に預けたままだが、詳しい事情は明らかでない。慎一はサチコを伴い車で四国に旅立つが、幼稚な言葉を使い、見境なくはしゃぎまわり体を売るサチコへの欲情と嫌悪が入り交じった複雑な感情は、慎一の中で次第に暴力・殺人願望へと変容していく。慎一は、自身の中に潜在する破壊への思いを、カマキリに寄生するハリガネムシの姿に重ね合わせる。
カマキリの尻から悶(もだ)え出る真っ黒いハリガネムシ、風呂屋の洗い場でロゼワイン色の血尿を放つ男、奇っ怪な叫び声をあげる登場人物など、グロテスクな人物や不穏なイメージに彩られた本作は、すべての読者に平等に支持されるものではないかもしれない。しかし、人間の内に発する欲望や衝動をありのままに記述していこうとする吉村の作家としての姿勢は実直なものであり、倫理的であるとさえいえる。
人間の本性として備わる「欲望」の本質に鋭く迫った問題作である。(榎本正樹)
内容(「BOOK」データベースより)
無性に酷いことがしてみたくなる…怖い。底辺を這いずる女と、高校教師。血を流し、堕ちた果てに…戦慄の芥川賞受賞作。
内容(「MARC」データベースより)
愛ではない。堕落でもない。あの女からもうひとつの世界を知った、それだけ。底辺を這いずる女と高校教師。血を流し、堕ちた果てに…。身の内に潜む「悪」を描ききった驚愕・衝撃の問題作。第129回芥川賞受賞作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉村/萬壱
1961年2月松山市生まれ。大阪で育つ。京都教育大学卒。東京都、大阪府の高校教諭を務め、現在、養護学校勤務。2001年「クチュクチュバーン」で第92回文学界新人賞、2003年「ハリガネムシ」で第129回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
1961年2月松山市生まれ。大阪で育つ。京都教育大学卒。東京都、大阪府の高校教諭を務め、現在、養護学校勤務。2001年「クチュクチュバーン」で第92回文学界新人賞、2003年「ハリガネムシ」で第129回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
登録情報
- 出版社 : 文藝春秋 (2003/8/1)
- 発売日 : 2003/8/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 137ページ
- ISBN-10 : 4163223401
- ISBN-13 : 978-4163223407
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Amazon 売れ筋ランキング:
- 494,004位本 (の売れ筋ランキングを見る本)
- - 356位経済・社会小説 (本)
- - 698位芥川賞受賞(126-150回)作家の本
- - 15,056位日本文学
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
5つ星のうち3.6
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68 件のグローバル評価
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2003年9月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
常に「絵」を想像しながら文章を読むクセがついているので「うげーっ」と思う部分がいっぱいあった。だがそれらの描写こそがこの小説のキモで、社会に対する外ヅラを剥ぎ取ってしまったら、人間なんて所詮こんなもんでしょ、というシニカルな目線を理解するにはここを乗り越えないと。確かに笑える部分もあるが、そもそもシニカルな笑いなので笑ってる自分に嫌悪感を感じるかも。読んだあとはやっぱり「うげーっ」という感触が残って早く忘れよう、と思ってしまった。けれど、読み始めたらやめられずにあっという間に終わってしまったのも事実。登場人物には何の魅力も感じないのに、気がつけば小説に引き込まれ、圧倒されていたのです。著者の筆力で読まされちゃったのがちょっと悔しい。
2003年9月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
たとえば、冷蔵庫の奥から
すっかり原形を失った腐った食品が出てきたとき、
思わず、反吐が出そうな最低の気持ち悪さが込み上げますよね。
この小説も読書中、
そんな気持ちの悪さが波のように次々と押し寄せてきます・・・。
これでもか、これでもかと容赦なく。
しかし、その気持ちの悪さが
不思議と読後、日が経つにつれ、
何だか懐かしさや愛しさに姿を変えているんです。
癖になりそうな不思議な小説かも。
日常を離れて、
心ん中の澱を一掃したいような刺激を求めるとき、
お勧めしたい一冊です。
すっかり原形を失った腐った食品が出てきたとき、
思わず、反吐が出そうな最低の気持ち悪さが込み上げますよね。
この小説も読書中、
そんな気持ちの悪さが波のように次々と押し寄せてきます・・・。
これでもか、これでもかと容赦なく。
しかし、その気持ちの悪さが
不思議と読後、日が経つにつれ、
何だか懐かしさや愛しさに姿を変えているんです。
癖になりそうな不思議な小説かも。
日常を離れて、
心ん中の澱を一掃したいような刺激を求めるとき、
お勧めしたい一冊です。